これが英国

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〜3月の土日の定休日〜

11(土)、12(日)、18(土)、25(土)
上記の日程は、終日不在とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


BERUNです。

わたしがこの仕事をはじめてから、ずっと取り扱いをしたかった生地ブランド、「H Lesser & Sons.」。これまでは着分で仕入れていたのみでしたが、この度ついにバンチブックで取り扱うことができるようになりました。

IMG_3390

ここの生地はわたしが昨年の1月にロンドンに行った際、W Billの本社でお話しをしたJohn Bell氏が、熱心に語ってくださいました。(そのときのエピソードは英国紀行にて)

その方は”H Lesser”のLIGHT WEIGHTシリーズを手に取り、「この生地には、英国生地の全てが詰まっています。最も英国らしく、誇りを感じる生地です」
と話していました。その言葉がわたしの心の中にずっと残り続けていたのです。
しかし、この”H Lesser”は家族経営で、利益を求めていません。
大きくコマーシャルをするわけでもなく、バンチブックも増刷しない。若輩者は取り扱うことはなかなか難しい生地です。
わたしがJohn Bell氏の想いに応えるべく、アプローチし続けておりましたら、この度そのバンチを譲っていただくことができました。

350gmsという中肉で、日本では秋冬向けとなる生地。(日本ではLIGHT WEIGHTではありません,,,)

わたしは今まで何着かこちらの生地で仕立てたことがありますが、ただガチッとした重厚な英国生地とは異なり、しっかりとしたハリがありながら、しなやかさもある。上質な雰囲気の漂う生地です。
そして何より、このブランドタグに書いている英文に、思わず「やられた!」と感じました。

IMG_3402「For the discerning man」

訳しますと、「違いのわかる男のために」
歴史と実力があるブランドだからこそ言い切れる言葉。
The discerning manになるために、誇りをもち続けていきたいものです。

IMG_3393<3piece 仕立て上がり ¥194,400>


もう一冊、夏向けの生地ブックが届きました。

IMG_3400<William Halstead>

とことんベーシックな強撚仕上げの夏服地。サラッとしたドライな表面で夏の暑苦しい不快感を感じさせません。
毎年言っていますが、日本の夏は強撚仕上げの生地が間違いなく活躍します。
丈夫でしわになりづらく、まさにエブリデイスーツ(トラベルスーツと呼ばれています)でしょう。

しかし夏生地は冬生地に比べると、生地の表情がどうしても出づらいというのがあります。
このクリアな生地感はとても男らしくかっこいいですが、逆を言ってしまえば、着る人の”着る力”が試されるかもしれません。
しかし、そんなことは気にしなくていいでしょう。つまらないくらいベーシックな夏服地が、今の時代は新鮮に映えると思います。

IMG_3399<3piece 仕立て上がり ¥167,400>


よく雑誌を見ていると、「堅苦しいトラッドに変化を加え、こなれ感のあるスタイルを」
というようなニュアンスの文章を見かけます。
その”変化”というのは割と一辺倒なことが多く、着丈を短くしたり、サイズを細身にしたり、素材をカジュアルな素材にする。と大体このようなものではないでしょうか。

わたしはこういった文章を見るたびに、
そこまで堅苦しいスタイルが皆、イヤなのだろうか?そんなにこなれ感がほしいのだろうか」と素朴な疑問を抱いてしまいます。

世の中に真っ当な洋服を着ている人がほとんどいないのは、そのこなれ感というマイルドなニュアンスの洋服が増えすぎて、どうも核心に迫るモノがないのです。
遊ぶことをせず、ただ真っ当に良いモノを着ることが格好いいとわたしは思います。
逃げ道のない正統派でストイックな洋服は、着る人の魅力がそのまま反映されます。

それが怖い、またはそんな人は自分の周りにいないからイメージができない。と、ついつい味付けをした洋服に手を出してしまいがちです。しかしそこをグッと我慢してみてください。世の中にある本当に良質なものは、すべてのジャンルにおいて極めてシンプルなものです。

そこからだと思います。洋服が消費ではなく、投資にかわるときは。

 


Atelier BERUN

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