変化を受け入れる

BERUNです。

ブログの更新が遅れました。
数日前から、gmailの返信メールのみがこちらに届かない不具合が起きています。
新規のメールは受け取れるのですが、わたしが送ったメールを「返信」で返していただくと、こちらに届かないようです。未だ原因は分かっておりません。ご連絡を返せておらず、ご迷惑をおかけしている方がいましたら申し訳ありません。

平成が終わり、令和が始まりました。新しい元号をどう迎えていきましょうか。元号や年によってやることや考え方を変えていくのではなく、自分自身の心の持ちようで常に変化し続けていきたいです。

GWのはじめは、友人の結婚式で飛騨高山に行っていました。特に下調べもせずに行き当たりばったりで歩いていたのですが、観光地+GWという最高のマッチングによって、人はごった返し、あまりゆっくりと見ることはできませんでした。
とんぼ返りでしたが、早朝に古い町並みを散策できたので、やるべきことはやったと思います。

道中、1950年から営んでいる古い喫茶店を見つけ、モーニングをしようと入ってみると、中は海外からの観光客でごった返していました。
店員の慌てた接客と横柄な態度に、これは自分が求めている喫茶店ではないと、一度腰を下ろしましたがすぐに出ることにしました。
その後中心地から少し離れた場所に、古い喫茶店があったのでそこに入ると、観光客はほとんどおらず、1人テーブル席でコーヒーとトーストを食べる時間を過ごせました。

観光地ではいかに一見さんを獲得するかが勝負ですが、そうすることによって、店が持つべきこだわりを手放さなくてはいけなくなることもあると思います。
わたしは観光地では、観光客が並ぶ店より、地元に根付いた店で普通に過ごす方が好きです。何もそれが正しいというわけではありません。どこに重きを置いているのか、というのがポイントだと思います。
自然に人が集まって人気になった店では、店側がお客さんにペースを合わせることはあまりしません。あくまで店側はやることをやるだけなので、お客さんが多かろうと少なかろうと、ただ同じことをやるだけです。
そういう店の空気感がとても好きで、そこになら並ぶ価値があると思っています。
ただ、実直に自分の考えだけを信じて、時流からズレていき風化していく店もあります。そういう店は、空気が循環していません。
芯だけはブレずに持ち続けるも、常に変化を求めて、変化を受け入れていくことが、いつの時代も大切だと思います。
老舗で昔から変わらずに同じメニューを出し続けている店も、時代に合わせて、少しずつ味や雰囲気を変えています。お客様が驚かない範囲で、常に微調整をして、変化することを受け止めている店が長く残っていくのだと思います。

さっきの喫茶店は、喫茶店ではなくテーマパークのアトラクションと化していました。それを受け入れている以上、その考え方に共感する人たちが集まります。
どこに価値を置くかが全てですが、ゆっくりと過ごす喫茶店が好きな人は行かないでしょう。
自分がどこに重きを置いて生きていくのか、というのを俯瞰して見続けることが本当に大切な時代です。

飛騨は家具が有名なので、いくつかのお店に入り見ていました。どれも作りはいいが、どうしても、「メイドインジャパン」の匂いが感じてしまうものばかりです。これはこれで一つの作品としていいのでしょうが、舶来主義者のわたしとしては、川上の英国家具→デンマーク家具からのエッセンスをもっとうまく取り入れてもいいのではと思ってしまいます。

これは生地でも同じことが言えますが、日本製のネイビーの無地と、英国製のネイビーの無地は、仕上がると雰囲気が全く違います。やはり日本製の生地で仕立てたものは、どことなく野暮ったく見えるのです。その素朴さが好きだという方はいいと思いますが、美しさという面では、現代の日本の物づくりは西洋に何十歩も引けを取っています。

これは幼い頃から美しいものを見続けてきた人たちとの違いだと思います。西洋では無料で入れる大きな美術館があくさんあり、美しいものを美しいと言える環境が備わっています。そもそも、町全体が美術館です。古き美しいものを残そうという意識がとても高いので、必然的に本物に触れる機会は我々より圧倒的に多くなります。日本の美術館ももっと敷居を低くして、本物に触れる機会を作っていくようにしていってほしいと思っています。

日本の民芸品を残し続けていくためにも、外からデザイナーを呼び込む、振り切った創作をしてみるなど、もっと色々できることがあるように感じました。南部鉄器はそれで見事に世界に評価されるブランドになりました。

目を細めると、どことなくフィレンツェのヴェッキオ橋から見える景色にも見えなくもない?便利な脳内です笑

BERUNは10年目です。お付き合いの長いお客様からは、「変わらないね~」と言われますが、わたし自身は常に変化している実感があります。変化無限。変化を包含し続けて生きていきたいです。

 


Atelier BERUN

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