Lewes ~2日目~

2日目はアンティークの街、Lewes(ルイス)へ。

今回は店の調度品と、自宅新居に向けての家具小物を探す目的もありました。ヨーロッパは全域で、連日様々なところでアンティークマーケットが開催されております。アンティークと聞くと、我々日本人にとっては少しハードルが高く感じるものですが、彼らはいたって普通にアンティークを日常使いします。
この日もEngland Weatherに見舞われ、それでも傘を差さないイギリス人に感服しました。
もちろんわたしも、ツイードのコートとフェドーラのハットがあるため、彼らにならって傘は持ちません。笑

イギリスは田舎に限る

これはロンドン以外に住む多くのイギリス人がいうことですが、今回の旅でその意味を強く感じました。ロンドンも素晴らしい街ですが、イギリスの田舎の魅力を知ってしまったら、ロンドンの滞在時間は必然的に短くなってしまうかもしれません。
まず人がとても優しいです。みな親切で、とても気さくに話しかけてきてくれます。そして、とても厳かな調度品や建物が普通に日常的に使われており、本物に身近に触れることができます。これは日本ではなかなか体験できることではありません。
アンティークショップでは、そのような日本では決して見つけることができないような高品質なアンティークが、背伸びをしない価格で売っています。

アンティークを見ていると、昔の人たちの知恵、不便な世の中をいかに楽しく生きようとしていたかという姿勢を感じます。

地元のレストランでイングリッシュブレークファスト。お客はほとんどが地元の方でした。

ロンドンから離れると、人が混み合う店はあまりありませんでした。店員も急がず、ゆっくりと楽しみながら働いている姿がとても印象的でした。

雨が止むのを待ちながら、熱く何かを語っています。笑

不便さがあるから生きている実感がある

宿を提供してくれた友人が言っていましたが、イギリスの家電のクオリティは日本と比べるととても低いそうです(確かに、イギリス内で日本のような大型家電量販店は全く見かけませんでした)。そして住居も住み始めたばかりのときは問題ばかりだったと聞きました。とても困ったし、理不尽なこともあったと言います。ですが、不便だからこそ、生きているという實感がわく。日本に住んでいるときは決して感じることのなかった、自分が動かないとどうにもならない世界があると。
日本は全てにおいて恵まれすぎていますね。家電はどんどん全自動になり、携帯で操作をできるようなものも増えてきています。その機能は果たして必要なのか?と思うものに我々は多くのコストを払いすぎています。
世界の進むスピードを止めることはできませんが、自分が歩みの速さを調整することは可能です。その一歩は必要なのか、今一度考えてみるのもいいかもしれません。

18世紀頃のダイニングテーブル
持って帰る余力があれば本当に欲しかった。。まだ旅は始まったばかりなので
街中に蒸留所があります

アンティークの街らしい、至る所にアンティークショップがあります。入り口は狭くとも、入ると迷路のような店ばかりです。ヨーロッパの人たちは、本当に古い物を大切にする民族なんだと感じました。
アンティークのものも、現代作られているものと比べてしまうと、使い心地ははるかにわるいです。ですが、その不便を感じることは、これからの時代にこそ必要なのかもしれません。

素晴らしいパブに出会う

街で見かけたパブに入りましたが、そこが素晴らしい空間でした。(店名を忘れてしまいましたが、街の中心にあるパブです)
1776年に建てられた建物で、ホテルとパブを経営しています。
たまたま見かけて入ったパブでしたが、とても素晴らしい空間でした。
まず人が少ない。ロンドンのパブのようなガヤガヤした雰囲気はなく、とても落ち着いた空間です。わたしが行ったときは冬であり、天気もEngland Weatherだったからというのもあるでしょう。街には地元の人しかおらず、とてもゆったりとした時間が流れています。パブで何を選ぼうか迷っていると、色々なビールを試飲レベルではない量で飲ませてくれました。笑

天井の梁の傷の深さがいい
重厚だが、これが生活の一部だから嫌みがない
濡れて冷えた身体をエールビールと薪ストーブが暖めてくれました

ホテルのロビーのような空間のパブ。年季の入った薪ストーブが使われており、濡れた洋服と心を少しずつ暖めて乾かしてくれました。

その後、あまりに人がいないので調子に乗り出し、福島さんの下ろしたての高性能カメラを使い、写真撮影会を行い始めました。笑
普通は呆れられるようなことですが、それを見たスタッフが、
「もっといい部屋があるよ!」
と別のフロアへと案内してくれました。これには感激です。気取った東洋人がいきなり写真を店内で撮りまくるのを、快く受け入れてくれているのです。

何よりこの建物は、彼らが普通に生活の一部として使っているものです。なにも作りこんだ世界観ではありません。
この事実がある以上、我々は追いつくことはできない。古いものに触れ、本物を常に見ることが当たり前である彼らにとっては、私たち日本人にはすごいハードルが高いと感じることも、いたって普通のことなのでしょう。

そのまま彼らの物事を完全再現、リプレイをしても勝てるはずがありません。わたしたちが同じような空間を作ろうと思うと、テーマパークのようになってしまうのが目に見えています。
日本人なりのセンスを織り交ぜて、自分たちでしかできないようなことをやることに意味があるのです。そのために、もっといろいろな世界を知る必要があると思います。

福島さんのカメラにて。自分でさえ、もはや誰だかわかりません。笑
この空間もセッティングをしたものではなく、普通にあるもの。だから価値があります。

夜はロンドンに戻り、中心部で食事。
男旅行、ちょっと飛ばしすぎです。パリで限界が来ます。笑

Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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