春だというのに

BERUNです。

コロナの影響によって、街は静まり返っています。いつもは賑やかな神楽坂の休日も人は少なめです。わたしはこの空いた時間を使って、書きためていたthe bookの新しい内容を少しずつアップしていっています。いつもとは違う時間の過ごし方だからこそ、いつもできなかったことをしたいですね。

春ですが、、

先日、わたしが足繁く通う高円寺の古着屋「TRUNK」にて、珍しい物を見つけたので購入しました。この時代に、HPも持たずSNSも作らず、他ではなかなか見つからないマニアックな洋服(主にヨーロッパ古着)をリーズナブルな価格で提供してくれている本物の店です。わたしがBERUNを始める前から通っている店ですが、年を増すごとに濃度が増しています。洋服だけにとどまらず、自転車や車、バイク、ヴィンテージラグ、アンティーク家具など、あらゆる分野に造詣の深い村田オーナーは尊敬するナイスガイです。

1940年代のアクアスキュータム製のムートンコート。ロイヤルワラントが2つ付いている珍しい逸品です。
歳を重ねてからの方が似合っていく洋服が好きなわたしにとっては、このテイストの服はいたくツボです。長い付き合いをしていくからというキラーワードで、数多の洋服を自己クロージングしてきました笑

「これから春になるというのに、冬服を買うなんておかしいですね」
なんて話をしていたら、村田さんが、
「いい冬服はこの時期に出てくるんですよ」
と笑いながら言っていました。今年来年着るという目的の洋服ではないので、買う時期はあまり関係ないでしょう。今後20、30年の付き合いになるのだから、いつ出会ったっていいんです。

確かに言われてみれば、もう暖かくなるというのに、BERUNでも春物に合わせて、人知れず秋冬物も入れています。

FOX BROTHERSのダークネイビーの秋冬用のミルド生地。冬のブレザーとして素晴らしく活躍する1着になってくれるでしょう。金、銀のメタルボタンを合わせて、週6着たくなる最強のジャケットにするのもいいと思います。
この時期にも関わらず、秋冬物を夏の終わりにオーダーすると予約を入れてくださる方もいれば、暖かくなるけどほしいと言って作ってくださる方もいます。

スプリングコートを考える

長年ずっと、春に着られる軽い仕立てのコットン素材のスプリングコートを作りたいと考えておりましたが、先日ようやくイメージに合う生地を見つけました。

Elmenegildo Zegna(エルメネジルドゼニア)社のコットン生地。意外なセレクトですが、たまたま見つけたところ生地感がちょうどよかったのです。ハリがありすぎても困るスプリングコートは、イタリア生地を視野に入れて軽く仕立てるのもアリです。カシミアが4%入っており、薄手でわずかに起毛している生地。ブラウンとグレーと小豆色の間のような、春でも秋でも着られる色合いに惚れました。
完成は4月下旬なので、こちらも完成する頃には着るシーズンは過ぎています笑
次の秋を愉しみに待ちましょう。

春秋という言葉について

春と秋に着られる洋服のことを合物といいます。わたしも多用する言葉ですが、厳密には、春と秋に着たくなる洋服は全く変わるものです。
冬が終わり、暖かくなっていき、太陽が眩しくなっていく春には、明るい色、軽快な色の洋服を選びたくなります。
冬では着たいと思わなかった、スカイブルーやベージュ、または柑橘系の色を好む人もいるでしょう。

対して、夏が終わり、草花の色が落ち着きだし、土色に近づいていく秋には、華やかな明るい色ではなく、落ち着いた色を着たくなります。
オリーブやモスグリーン、ベージュ、ブラウンなどのようなアースカラーを自然と選びたくなります。

そうなると、春と秋でも着る服を分けなくてはいけないのか。そう思うと面倒な気もしますが、どちらの季節でも着られる色味の服もあります。
それがグリーン、ベージュ系の色です。

どちらも暗過ぎない色の方がいいでしょう。モスグリーン、ブラウンはやはり秋に着たくなる色です。(素材感によってそれを感じさせない物もあります)やはり自然の色(アースカラー)は四季をまたいで活躍してくれます。ここ1,2年で、生地見本の中にもグリーンベースの色味が増えてきて、世界的にアースカラーが見直されてきているのを感じます。

ブルー、グレー系の洋服ばかりという方には、ぜひこれからの季節だからこそ映えるアースカラー挑戦してみていただきたいです。

春のネイビー、秋のネイビー

様々な色がありますが、季節問わず、ネイビーとグレーはいつでも対応できるので、便利で使いたくなります。やはりネイビーは最も使いやすい色でしょう。

春に着たくなる青

秋に着たくなる青

揃え始めの頃は色々と大変ですが、ある程度揃ってしまうと楽なものです。物を持たない時代ですが、自分の人生の価値を高めるものは手元に残しておきたいです。

Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

http://berun.jp/
Facebook
◆Tel : 03-3235-2225

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です