時代は戻っていく?

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BERUNです。

そろそろ梅雨の終わりも見えてきました。
梅雨が明けると、猛暑がやってきます。
もうリネンアイテムはお揃いでしょうか?(くどいですね笑)
全身リネンであれば、真夏も不快感なく気持ちよく過ごすことができます。
理論武装、知識武装ならぬ、リネン武装です。笑

ありがたいことに、最近でも夏物のオーダーをいただきました。
夏物というより、盛夏用です。
完成した直後から10月初めまで即戦力で活躍するキッドモヘア混のサマージャケット。
時期も時期なので、1日も早くお届けしたいです。

好きなものを突き詰める

わたしが日々、最も使っている鞄はグローブトロッターです。
BERUN創業当時の2010年からずっと愛用しているアタッシュとキャリーケースがあります。

初めて購入したアタッシュは、18インチのカーキ。
気に入って使っていたのですが、18インチはやはり若干大きく、スマートさに欠けるため、しばらくして手放してしまいました。
ブラック/ブラウン(写真左)のアタッシュを使い続けていたのですが、夏の明るくなるコーディネートに鞄だけが重く見えてきてしまい、我慢できずにカーキを(今度は16インチ)買い直した次第です。

こちらの2色はもうどちらも既製品では発売されていないものです。今後20,30年と使い続けていくことによって、唯一無二の存在感になっていきます。

10年使い続けてきて、なお惚れ直すというのは、自分のライフスタイルや性格にぴたりとハマっているからでしょう。
人生の早い時点でこのような物に出会うことは、とてもいいことだと思います。
自分のスタイルに合ったものが見つかれば、あとはそれを掘り下げていくだけです。ほかのジャンクな情報には目を配る必要はなくなります。

ジャケパンが定番になる?

コロナの影響で、急速なスピードで世界がカジュアルな方向に向かっていっています。
当たり前ですが、今後スリーピーススーツの着用者は少しずつ減っていくでしょう。

アメリカのウォルマートでは、ジャケットのみが爆発的に売れていると聞きました。
ビデオ会議のときに、上だけしっかりしていれば良いという時代ならではのニーズの変化ですね。

出社をする方は今の時期、上着を着ずに出掛けるため、そのような方はトラウザーズのみが必要になります。
このように考えると、スーツのような上下共生地で作られたものは、今後登場頻度が減ることは避けられないでしょう。

-Vanity fair SPYシリーズより-

現代の「スーツ」の始まりは一説によれば、1830年頃にドイツのヴィルトガンスという洋服屋が、ジャケット・ベスト・トラウザーズ、すべてを同じ生地で仕立てたのが始まりとされています。
当時そのようなことを考えたことは革新的ではありますが、当時の貴族階級の人たちからすると、同じ生地ですべて作るということは貧乏くさくてたまらないと全く相手にされませんでした。

その当時は今でいう、モーニングコートやイブニングコートのように、ジャケット(コート)、ベスト(ウエストコート)、トラウザーズ はすべて別の生地でした。

それは、馬に乗ったり、地面や周りの環境も不安定であったため、下は丈夫な生地を使い、上着は柔らかな生地を使うという理にかなった考え方だったのです。

ですが始めて共生地でスーツを作ったときから30年が経った1860年代、そのスタイルは「ラウンジスーツ」と呼ばれるようになり、貴族の寛ぎ服へとのぼり詰めていきます。
その貴族のスタイルに市民が憧れ、一般化していったというのが始まりとされています。
洋服の時代の流れは常に貴族階級からきています。(戦後からその流れは変わっていきますが)

ジャケット・ベスト・トラウザーズ、すべて共生地が隆盛した1860年から2020年までの160年、コロナを機にこの価値観は変わるかもしれません。
とはいえ、いきなりガラッと変わることもないでしょう。
秋になり、夏にお洒落を放棄していた方々が久しぶりにスーツを着ると、「やはりスーツはカッコいい!」と思うものです。

夏場はキッドモヘアの入った生地が活躍しますが、モヘアの配分が多くなればなるほど、耐久性は落ちていきます。
そのような繊細で涼しげな生地はジャケットに使い、耐久性を求められるトラウザーズは、フレスコの2,3PLYを使う。これが夏の暑さを華麗に乗り切る正しい選択です。

最後に、お悩みの方もいらっしゃるかと思いますが、セパレートスタイルはコーディネートが難しいです。
街中を歩いていて、なかなか格好いい!と思い立ち止まるような方とは出会いません。

ジャケットスタイルの難しさを考えると、楽に格好良さを手に入れるのはスーツです。

ジャケットスタイルを格好良く着こなすためには、ある程度知識を入れる必要があります。
それは雑誌やSNSを読み漁るというわけではありません。
自分の体型、性格、雰囲気を真っ正面に向き合い、見つける時間を作り続けることで、本当に自分には何が似合うのか、少しずつわかってきます。
それを着実にやっていくことで、はじめてジャケット&トラウザーズのセパレートスタイルを、格好良く着こなすことができるのです。

一朝一夕ではお洒落になることは不可能です。
それがこの世界の面白く深いところですね。

Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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