茶色の秋

BERUNです。

先週は気持ちのいい秋の気候でした。
最近、THE BOOKの内容をアップデートしています。
いかんせん書き始めたのが8,9年前ですから、その当時のトガった文も残っているわけです。(お恥ずかしい笑)
なので、久しぶりに見ながら、書き換えたり書き足したりしています。
新しい項目もちょこちょこアップしていますので、お時間のあるときにご覧になっていただけたら幸いです。

先日、久しぶりに革靴を購入しました。


エドワードグリーン製のポールスチュアート。
2000年代はじめ頃のものです。
革がコンビネーションになっていないサドルシューズ。
気取っていない色とデザインで、とても状態が良かったので、悩んだ挙句購入しました。

この頃の靴は革が抜群にいいですね。
革の厚みもものすごい肉厚なので、靴の中で足が全く遊びません。
ラストの木型との相性以外にも、革の厚みによってホールド具合が変わります。

フィッティングしたときは、「えっ!足が動かない」と驚きましたが、1日履いていると、厚みのある革が足をしっかりホールドしてくれるので、足が遊ばず、長時間歩いていても疲れません。

薄く柔らかい靴の方が、意外と長時間の歩行は疲れるものです。

歩くための靴と走るための靴は全く別物と考えないといけませんね。

そしてこのくらいポテっとしたラスト(木型、言うなれば形です)がわたしは好きです。
最近ようやく少し落ち着きましたが、どうも先の長い靴は好きになれません。
基準は階段を上がるときにぶつかるつま先は否ですね。

とんがり靴はフランス人のような足が長い人が履いていればエレガントなのですが、短足の日本人にはどうも似合わないです。

先がトガった靴でいえばイタリア靴が挙げられますが、クラシックなイタリア靴メーカーは、イタリア本国で支持されているラストは、意外とポテっと丸っこいものが多いです。

なぜ本国と日本でそのような相違があるかと言いますと、日本人のバイヤーが、「日本にはこういうのがウケる!」と思い、バイアスのかかったバイイングをしてきたため、わたしたち日本人は偏った解釈をしてしまっているのです。

私たちが欲しいものは、売りたいものではなく、本質的なものです。

売る側が売りたいものを推しているときは、しっかりとその裏側を見る癖をつけないと、踊らされてしまいますね。

人と物との共鳴

秋支度、グレンチェックの生地でお仕立てしたトラウザーズです。
Edwin woodhouseのVintage Twist。パープルやベージュが入っているグレンチェックですが、遠目からはそこまで目立ちません。

このサイズ感がなんとも気持ちがいいですね。
トラウザーズのサイズはもう何度もブログでも書いていますが、”丁度いい”シルエットというのは、そうそう出会えません。まず既製品ではないでしょう。

既製品はあり物に身体を合わせるので、100点ではなく、点数の高い物を探すという感覚です。

しかし、今や星の数ほどある既製服、ブランドも数え切れないほどあります。
その中から自分の理想の物を見つけるのは川に落ちた指輪を見つけるくらい困難でしょう。

言ってしまえば、今の時代は既製服で合う物を探すより、オーダーをする方がよほど近道だとわたしは思います。
まぁ、どこでオーダーをするかで全く変わってしまうので、それも賭けではありますが笑

わたし自身、この世界にいて、他のジャンルではお客さんとしてビスポークをすることもあります。
そのときにいたく感じるのは、人と物、どちらもフィットしなくては、お互いに100%の満足はない。ということ。
物はいいけれど、人がどうも、、ということも大いにあります。点で見れば、一時の我慢で済むのですが、長い付き合いになれば健康によくありません。
やはり我慢してはいけなかったなぁ。と後悔してしまうこともたまに起こりますね。

なので、人と物、そのどちらにも共鳴できた人と出会えることは、奇跡のようなことだと思います。

その人を自分の人生のひとピースにして、自分の理想の相関図を完成させていく。というのも面白いではないでしょうか。

髪のカットといえばこの人。
イタリアンといえばこのお店。のように。

お互いに高めあえていけるのが理想ですね。
あら、また熱くなってしまいました。

旅に行きたくなる鞄

久しぶりに同志が集まり、全員が茶色の靴を履いてきたのが妙に面白かったです。
わたしの友人がKeiichiro氏にオーダーをしていた鞄が出来上がったのを、BERUNで納品会をしました。

白のキャンバスとレザーのコンビのボストン。
美しいです。

風の時代とか、物を持たないのが美徳のように言われていますが、それは本当にいいものを知らない人の言い訳のように聞こえてなりません。
こんなにも美しいものが目の前にあれば、豊かな気持ちにならないはずがありませんから。
物を持つことの喜びを知っている人は、幸せな人だなぁと感じます。

フットワークは軽く

コロナをきっかけに家族で海外移住を決められたお客様。
お暑い国なので、今まで作ってきたツイードやモールスキン、フランネルはしばらくお預けかな、と寂しそう。
その代わり、春夏秋に活躍する洋服をお仕立てさせていただきました。

HarrisonsのINDIGO、ブルーの霜降りがかった生地です。
実はこの生地のこの色、ムラが多すぎて、エラーになってしまい、受注ストップしています。
この生地はわたしが1着だけ仕入れていたものでしたが、こちらは問題ありませんでした。今となってはレアな1着なわけです。

ウール80%、リネン20%、230gmsという、真夏でも大丈夫!というくらいの軽い生地です。

こちらはHarrisonsのlabyrinth。すでに廃藩になってしまった生地です。四者混の生地で、風合いがとてもいいので、廃盤が残念でした。

グレージュのヘリンボーン、日本ではオールシーズンくらいで着られてしまうくらい快適な生地です。
色味もこの色でしたら、春秋冬と季節を意識せずに着られますからとても便利です。

-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー

東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301

http://berun.jp/
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