違いのわかる男になるためには

BERUNです。
ここ最近、ブログを全然書けておらず、すみませんでした。
実は今回の内容も3週間前に書いていたものでしたが、撮影したはずのお客さまの写真が見つからず、文章だけ宙ぶらりんになっていたのでアップできずにいました。
結果、その後もたくさんの洋服が完成してまいりましたので、過去の文章と最新の内容をドッキングしてお届けいたします。
エリザベス女王の件からですので、かなりのタイムラグがあることをご了承ください。笑

エリザベス女王が崩御されました。
即位70年と人生を英国に捧げた人生。ご冥福をお祈りいたします。

イギリスに駐在していたお客様からいただいたフォートナム&メイソンの紅茶。
これはかなり貴重なものですね。と話していました。今も未開封です。開けることはないかもしれません。

好きなところに自由に行けて、自分とその周りの人だけを気にかける人生。対して国家を背負う人生。
同じ時間が過ぎているとは到底思えないですね。

人は責任を背負ったとき、本来の力を発揮する生き物だと思います。
例えば、親になる。上司になる。昇進する。

エリザベス女王も26歳で女王になられました。25歳のときと何か人間として変わったわけではなく、ただ役割が決まっただけです。

その瞬間から人の意識が変わります。
そのように、自分のハードルを常に超えていく人生とそうでない人生を比べたとき、外の皮は同じ人間だとしても、中で生きている世界は限りなく別の次元で生きていくことになります。

卓越すれば人は5mくらいになるという人間の構造であればわかりやすいのですが(アッこの人は卓越した人なんだな!と一目でわかる笑)、皮袋の大きさは変わらないわけで、だから面白さがありますね。

自分の人生をどこで生きることを選ぶのか。
私は今自宅でベタという観賞魚を飼っていますが、このベタちゃんは当たり前ですが、水槽の中で一生を終えます。
ベタちゃんには外に出るという選択肢はないわけで。

私たち人間も、人には水槽なんかないと思い込んでいるけれど、実際は見えない水槽があり、その中で一生を終えることがほとんどかと思います。

その水槽の大きさは水たまりくらいなのか、池くらいなのか、はたまた清流で川上から流れて海へと広がっていくのか。

自分の人生の水槽をどのくらいで生きるのかを考えることは、より自分らしい人生を生きるためのライフプランにつながっていくと思います。

違いのわかる男になるためには

なんだかコーヒーのCMにありそうなタイトルになりました。
これは先日MY箸を持ち歩いている方とお話をして、とても素晴らしい感性だと思った出来事です。

その形の端は八角形で、先端まで八角形できれいに削られているものでした。
とても使いやすいそうで、かつその箸で食べる食べ物はとても美味しく感じられるとおっしゃっていました。
箸で味が変わるなんて、と最初は思っていましたが、その箸と割り箸を使って食べ比べてみればわかると言われ、なるほどと思いました。

たしかに、割り箸の舌触りと、そのこだわって作られた先の細い端では、口に触ったときの感触も全く変わります。

紙コップで飲む水と、バカラのグラスで飲む水。中身は同じ水だとしても、感じ方は全く変わります。

人間の美意識や感覚というものは、細部に宿ると言われていますが、手先足先指の先、舌の先、その先の感覚を大切にするという事は、人間の本来持っている感覚を大事にする上で、とても大切なことではないでしょうか。

そのように考えると、一見同じように見えて、実は全く違うものというものが世の中にはごまんとあります。
繊細に感じ取るようになれれば、そういったものの違いも明確にわかるようになるでしょう。
こういった感覚を磨くことというのは、人によっては全く興味のないことかもしれません。

100円を払えば十分に用を満たすことができるコップに、なぜ10,000円も払う必要があるのか。
雨風をしのぐためだけの傘に、なぜフォックスアンブレラのような30,000円もするようなお金を払う必要があるのか。

美意識が高まってくると、良いものにはそれ相応の対価を払う必要性があるということを感じることができます。

私の中ではこれはより多くの人が感じるべきことだと思っています。
なぜかといいますと、良いもの悪いものの区別をしっかりと見極めることができるようになると、ブランド物や流行物に惑わされずに、ただ物の良さが価値になっている代物に目を向けることができるからです。

そうすることで、下手な買い物や、間違った買い物をすることが少なくなり、より自分の周りには良いものばかり集まるようになっていきます。

この美的感覚を磨くと言う事は、できることならば若いうちにやったほうがいいですが、何歳からでも遅くはないと思います。

そう考えると、スーツやジャケットであれこれ自分らしいおしゃれを楽しむという楽しみ方ももちろんありますが、毎日おんなじようなネイビーのスーツを着ている。という人を見ると、私はやはりグッときてしまいます。

そこまでいくのはわたしはまだ早いです。
まだまだ彷徨って、右往左往して、自問自答したいです。

夏の終わりのスリーピース

昭和の名曲のようなタイトルになりましたが、春夏向けの生地で仕立てたスリーピーススーツが上がってまいりました。

弊店では珍しい伊loro piana(ロロピアーナ)の生地を使って仕立てた1着。
色はブルーグレー。
イタリア生地では珍しい強撚糸を使ったものです。
しなやかさと強さがある生地で、これはいい雰囲気になるだろう。と思い買い付けた生地です。

生地が届いた当日に来られたS様に、見初められました。

小柄ながら体格がしっかりとしているS様。
身長とのバランスを考えますと、ガシッと強靭な生地よりは、しなやかさのある生地の方が合います。

夏よりの生地のため、ボタンは黒蝶貝を使用。
ぐっと洒落た雰囲気になります。

生地が長めにあったので、スーツと同生地でブレイシーズもお作りしました。
このスーツと共地で作るブレイシーズもBERUNでは定番になりつつあります。

ここまで揃うと4ピースになります。
また、カジュアル系の素材であればキャスケットを揃えることもできるため、そこまで揃えば5ピースになります。

これは2,3割ネタの要素も入っているかもしれませんが、完全なるオーダーでしか成し得ない世界です。(かつそれらの小物を作れる店というのもあります)

オーダーと自分の想像の限界を超えたいという方には、ぜひおすすめいたします。

ブラウングレーの秋冬スーツ

Martin & Sons.のブラウングレーの生地を使ってお仕立ていたしました。
マーチンソンといえば、フレスコで有名な生地メーカーですが、実は秋冬物も得意なのです。
380gmsという肉がしっかりとした厚みでありながら、程よい光沢感がある、とても上品なクオリティ。

色味もブラウンなのですが、うっすらグレーがかっており、ビジネスでも問題なく着用することができます。

合わせたネクタイはブラウンにブルーの小紋が入ったもの。

T様。この度はありがとうございました。

大人のジャケパンデビュー

今までおしゃれにそこまで気を遣ったことがない。という方も大勢来られます。
誰だって始まりははじめてですので、何も気にすることはないです。
むしろ、その時にBERUNを選んでいただいたのがとても嬉しいです。

たまに、BERUNに行くためにはしっかりとした洋服を着なくては、、と弊店に来るための洋服を揃えなくては、と思われている方がいらっしゃいますが、この場を借りて言います。

そんな必要ないですよ!笑

着のみ着のままお越しください。

話は逸れてしまいましたが、今回ジャケットスタイルをご提案させていただいたA様は188cmの高身長。
私の経験から言いますと、183cmを超えたあたりから、既製服で合うものがなく、ファッションを諦める方が多いように思います。

A様も今までジャストサイズの洋服というのに出会ったことがないと話しており、今回のフィッティングに大変喜んでいただきました。

選んだ生地はW Billの今はなき名作LAMLANA。
ラムウール75/アンゴラ22/カシミア3という贅沢な生地。

色もシンプルでとても使いやすいブルーのフランネルです。

これは1着あると洋服選びに困ることはありません。

美しい光沢感です。

トラウザーズは春秋の大定番、ベージュのコットントラウザーズ。

今回、ジャケットと2着お仕立てさせていただきました。

2着目に選んだものはFOX BROTHERSのフランネル生地でお仕立てしたもの。
軽めの生地のため、これからすぐ着用することができます。

柄は細かなギンガムチェック。

ブルーとブラウンのジャケットがあれば、着回しで困ることはないですね。

ようやくお洒落が楽しい季節になってきました。

日本の秋冬を思う存分楽しみましょう!

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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー

洋装士:竹内大途

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