サマースタイル

BERUNです。

暑くなったと思いきや、先週はグッと冷え込みましたね。
雨が降る寒い1日、GW明けにバブアーを着れるとは思いもしませんでした。

そしてこのブログを書いている今日は32度。今年の気候は例年通りいかなそうですね。体調管理にお気をつけください。

王道ネイビーブレザースタイル

BERUNの王道コースの一つに、ブレザースタイルがあります。

一般的にブレザーといえばアメトラのスタイルですが、私が提案しているのはブリティッシュスタイルのブレザー。

思い描くようなThe Blazerというようなイメージは極力抑えて、とことんシンプルに仕上げます。

こういうシンプルで、普通で、時代を超えていけるスタンダードなブレザーはなかなか街で探しても見つからないと思います。

ネイビーブレザーにコットントラウザーズ。ジャケットはFOX BROTHERSの生地を使いました。

こんなにもベーシックで格好いい組み合わせはないでしょう。

ジャケットもトラウザーズも、しっかりゆとりを持たせています。このゆとりが、既製服慣れしている人ははじめのうちはなかなか慣れません。

メンズクロージングに至っては、今や細身のものしか見かけない時代です。当たり前のように細身のものばかり身につけている方にとっては、このゆとりがどうしても違和感になってしまいます。

世の中の普通が細身ですので、このサイズ感は世の中からすると普通ではないのです。

ですが、本来のメンズクロージングを辿ると、細身になったのなんて2000年以降、歴史から考えると瞬きくらいの時間です。

その一時的な”普通”の流れに身を任せるのかどうかが、センスの分かれ目です。

世の中の普通が変わりつつある昨今。わたしはもはや普通に合わせる必要は全くないと思っています。

(ひと昔前は、トラッドスタイルが普通でしたので、時代の普通が格好よかったのです。普通は常に変化し続けています)

私のお客様で、ツルツルピタピタイタリー系スーツに身を包んでいた方が、いきなり質実剛健スタイルに変化したとき、家族から大バッシングを受けたという話を聞きました。

「ブカブカ、おじさんくさい、野暮ったい、なんか変、etc…」

これはクラシックスタイルに入門したとき、必ず降りかかる洗礼です。笑

周りの人はそういう洋服に見慣れていないため、いきなり大きく変化することで自然に反発が生まれてしまうのです。

しかしその洗礼を浴び続けること数ヶ月。

その先には、いつの間にか賞賛の声に変わる日が来ます。

「見慣れてきたら、そのくらいのゆとりがある方がカッコいいね」

そして、過去のスーツの久しぶりに着ると、

「苦しそう、スパッツみたい笑」

と言われるそうです。笑

その先からは、会う人会う人から褒められて、褒められ貯金が始まります。

これが10年後も続くから、クラシックは複利だと私は思うのです。

まぁ、これはあくまでブリティッシュクラシック側のポジショントークです。何度も言いますが流派の違いです。

サマースリーピーススーツ

春から着られるスーツも完成してきております。

こちらはヴィンテージのホーランドシェリーの生地。ウール・モヘア・リネンというとても珍しい組み合わせです。

体格がしっかりとしているS様。今まで自分であらゆるものを選んで決めてきたようで、1着オーダーすると3,4時間を要していたようです。

当店では、選んでもらうものはほとんどありません。なぜかと言いますと、それはお医者さんが患者さんに薬を選んでもらうようなものだと思うからです。

お客様には、どういうものが欲しいか、どういった場面で着ていきたいのか、どういう人と会うのか。

そういったことを教えていただきたいのです。(まさに患者さんが症状を伝えるようですね)

そしてわたしが、その話を聞いた上で、2,3個ベストアンサーを出す。そこからお互い話し合っていき、お互いにコレ!!というものを決める。

それがビスポークです。

そこからは、裏地やボタンやディテールを選ぶというのはこちら側がやります。それをお客様に選んでもらうというのは、私はプロの仕事ではないと思います。

いつも決めていたお客様からすると、不安です。笑

どんなものができるんだろう。とワクワクとドキドキが同居します。

しかし何事にも言えることですが、ドキドキがない買い物なんて楽しくないのではないでしょうか?

すべて想定内で、あーこういうのが欲しかったんです!

というお買い物。きっとすぐに飽きてしまうと思います。

ビスポークはスルメの如く、はじめは薄味かもしれませんが、ゆっくりしがんでいくうちに、味が口の中にどんどん広がっていく。

長く楽しむものは、最大瞬間風速を競うものではありません。

じっくりゆっくり、楽しむことができるのが、良い買い物だとわたしは思います。

スーツと同じ生地でブレイシーズもお作りいたしました。

ブレイシーズで吊り上げることと、トラウザーズにゆとりをもたせることで、ヒップラインから綺麗な縦のラインが生まれます。

これは細身のスラックスでは横にシワが入ってしまうため、このラインは出ないのです。

そして理想的な着丈、ヒップのゆとり、スラックスのゆとりが合うと、上着の裾とスラックスが一体に繋がるように見えます。

これはどこも違和感がなく身体に合ったときに生まれるラインです。

インのツータック。そしてベストからトラウザーズへと、一体に見えるように流れが生まれます。

S様、この度はありがとうございました。

リネンスリーピーススーツ

もはやこの夏、紳士(予備軍)の制服になりつつあるリネンのスーツ。

誠に高尚な遊びです。

若干23歳の若きホープ、Y様。代々受け継ぐトラッドの血を背負い、正統派の装いを楽しんでおられます。

細身のY様ですが、トラウザーズはしっかりワイド。リネンはストレスがかかると破れる可能性もあるので、ゆとりがある方が長く着られます。

シャツの袖はタックではなくギャザーにしてあります。こうすることで、シャツのたわみが均一に出て、とてもエレガントな袖先になります。

股上は深く、ベストは短く

これがBERUNのレシピの一文に記されています。

「私は足が短いんです!」

と嘆いている方、ぜひこのレシピ通り料理してみてください。きっと長くなりますよ。笑

話は少しされますが、足が短いと行っているほとんどの方が、実際に測ってみるとそんなに短くなかったりします。

これは、過去になんだかの出来事で作った思い込みであって、それによって人生が振り回されてしまうという、もったいない思考だと思います。

また、もし短いのなら、どうすれば長く見えるかを考える方が、よっぽど健康的だと私は思います。

リネンのダブルのスリーピーススーツ。

かなりハリのある生地のため、まだ身体のラインに沿っていないですが、着込めばどんどん自分のものになっていきます。

細身でなで肩のY様。首から肩へのラインがとても綺麗です。

ブラウンの独特な風合いのリネンです。

着込んだ先の10年後が楽しみですね。

冬はツイード、夏はリネン。

これ、テストに出ますよ笑

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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

03-6434-0887

https://berun.jp/

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