ベルンです。
昨日はタキシードを作られた新郎さんの結婚披露宴ということだったので、知り合いがほとんどいない中とびこんできました。
日本の20代の会社員がどのような着こなしをされているのかを見るためにも、こういう機会はとても貴重です。
ましてやわたくし、地元は青森、大学にも行かず、会社員歴もない手前、
結婚式に呼ばれるようなことは滅多にないのです。
人と変わった道を歩いてきてしまった人生なので致し方ないのですが、やはりフォーマルウェアを着られる機会が少ないのは寂しいもの。
フォーマルウェアとは、普段はジャージにスウェットを着ているような人も、1年のうち片手で数えられるくらいの日は、とびっきりオシャレをめかしこんで街に繰り出す。
そんな洋服です。
自分という人をリセットし、普段とは違う自分になるための「シンデレラタイム」でもあります。
そんな素晴らしい洋装文化があるにもかかわらず、日本の若者は本当に着衣の乱れが目立ちます。
そして普段たまっているうっぷんを吐きだすかのようなあの場だけの狂乱ぶり。
決していけないわけではありませんが、その日だけは、せっかくめかしこんだ衣装を崩さないためにも、ほんの少しだけでも背伸びをして、着飾ってみませんか。
いえ、めかしこんでいるわけではないので、ネジを外して騒げるんですね。
しかし今の日本、フォーマルウェアでめかしこむという発想がある人がほとんどおりません。
これはアジアを代表する先進国としては本当に恥ずべきことです。
1年に数回しかない催し物であるフォーマルウェアを着る機会の服装。
ここを気取らずに、いったいいつ気取るのでしょうか。
せっかく服装を楽しめる唯一の生き物である人間に生まれたからこそ、
せっかく体型を維持し、まだ二本足で立てる年であるからこそ、
もっと、着るものに着目してもよろしいのではないでしょうか。
美しい服を着るものは、その人を素敵な場所へ導いてくれます。
周りの空間も、凛とした空気に作りだしていってくれるのです。
アメリカナイズされたアンファッショナブルであることが正義とされる今の時代のもっと前の戦前の人たちは、
ヨーロッパから直に文化が伝来してきていたので、誰よりも服装の大切さを分かっている時代の人たちでした。
軽率なものなら、とっくに淘汰されているはずでしょう。
しかし何千年も続いている服装文化。
本質的な文化は受け継いでいくのです。
それがわれわれの使命かと思います。
普段着ないものだからこそ、礼服はしっかりとしたものを一着もっておけば一生着られるのです。
ベルンでした!
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