BERUNです。
昨日、一昨日と、お休みをいただき栃木の日光金谷ホテルに行ってきました。
浅草から東武鉄道で一本。
愛車ポールで山道は厳しいため、今回は電車の旅です。
栃木を通り過ぎたとき、”栃木レザー”の看板が。
ここ数年、一段と有名になってきていますね。
ぼーっと窓の外を眺めていただけでしたが、しっかりと写真に収めていました。
ファッションに対する執着心は我ながらすごいです笑
今回、わたしはHolland & Shellyの鮮やかなブルーのコート(こう見えてかなり肉厚です)、妻はPaul Stuartのモスグリーンのツイードラグランコートを選びました。
できるかぎりの厚着をしていったつもりでしたが、まさかこれが後に行く標高1,200mなる奥日光では、全く通用しないとは思いもしませんでした。。
日光東照宮のすぐそばに金谷ホテルはあります。
なんとこちら、日本で現存する最古の西洋式ホテルだそうです。(創業明治6年)
昨年、箱根の富士屋ホテルに行ったことをきっかけに、日本のクラシックホテルをお洒落をして楽しみながら制覇しようと思い立ったわけです。
ロビーから重厚感漂ういい雰囲気です。
栃木の名産品である大谷石と赤いカーペット、そしてオーク色のドアや壁がとてもいいバランスでマッチしています。
来てから知ったのですが、なんとエドワード8世(後のウィンザー公)も来日の際、いらしたことがあるそうです。
訪問日は1922年4月20日。
Wikipediaによると、同年4月18日には靖国神社を参拝していたそうなので、その2日後にこの金谷ホテルに宿泊したということですね。
うーん。当時を思い浮かべるだけで胸が躍ります。
しかもその後、26年には弟であるジョージ6世、29年にはヘンリー王子も訪問されたそうです。
英国好きにはたまらないストーリー。
軽井沢の万平ホテルにジョンレノンが泊まった部屋がファンのメッカであるように、わたしも英国王室の方々が泊まったその部屋で、情景をただただ思い浮かべたかった。
そんな妄想は置いておき、自然と歴史が調和しているこのホテル内はとても素晴らしく、特に何もすることはありませんが、のんびりしているだけで心休まる空間でした。
しばらくして、早めの夕食に。
創業当時から変わらないトラディショナルフルコースがあるとのことで、もちろんそれを頼みました。
エビのサラダ、オニオングラタンスープと食事は進み、メインディッシュは虹鱒のソテー。
歴代、著名な方々もこの味を愉しんでいたのかぁと、色々な思いがこみ上げてきます。
デザート、紅茶をいただき、たっぷりと余韻を味わいました。
部屋へ戻るやいなや、朝からずっと動き回っていた疲労感と、ワインをボトルで開けたツケが同時にやってきて、瞬く間に眠りについてしまいました。
目が覚めると22時過ぎ。
予定では夕食後、20世紀のアメリカを代表する建築家”フランク・ロイド・ライト”が設計したと言われているホテル内のバーで一杯やろうと思っていたのですが、時すでに遅し。オーダーストップの時間でした。
まぁ、仕方ないと窓に目を向けたとたん、思わず目を疑いました。
少し眠りこけた2時間ほどで、この雪積です。夕食後でも雪の降る予兆すらなかったです。
ロビーには支配人らしき老紳士がいました。少し話をしていると、予報にもなく、久しぶりの積雪で現地人も驚きを隠せないと仰っていました。
ですが、「夜に降り積もった雪で、翌朝の晴れた日光はとても綺麗です。楽しみにしていてください」
とのこと。
楽しみに待つと共に、ポールで来なくて本当によかったと、胸を撫で下ろしたのは言うまでもありません。。
翌朝、いつもなら2度寝・3度寝は常習犯のわたしですが、この日ばかりは一度開けた目を閉じることはありませんでした。
部屋から見える景色が絶景で、ただ呆然と太陽が昇っていくのを眺めていました。
刻一刻と光の角度によって色が変わっていく外の景色。
早起きは三文の得。痛感した朝です。
そもそも起きる理由に愉しみがなくては、起きられないに決まっています。(自分を正当化しています笑)
雑多とした東京の朝で、快適な朝を迎えるのはどう考えても困難でしょう。
こうやって東京から離れるたびに、都会の無情さを痛感します。
やはりわたしの理想はカントリージェントルマン。
田舎紳士と呼ばれる人たちの生活スタイルです。田舎と都会の二重生活。
とは言いましても、わたしは本当の紳士ではありません。ただ紳士に憧れている男です。
思いきり深呼吸のできる場所。
自分が”無”になれる場所。
人にはそういう場所が必要だと思います。
日光東照宮へ行き、その後、中禅寺湖のほとりでランチをしてきました。
奥日光は生きていく気力を奪うほどの極寒でしたが、その分空気が透き通り、美しい景色に時間を忘れてしまいそうでした。
やはりたまに田舎に来て、人間軸を元に戻すのは大切ですね。
ずっと都内にいては、見えるものも見えなくなり、感じるものも感じられなくなっていってしまいます。
我々の仕事で最も重要なのは、技術ではなくセンスです。
ずっと工房や店に閉じこもっているより、外へ出て新しい感性を身につけてくることが大事だと改めて思いました。
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