夏服地が入荷

BERUNです。

気が付くと4月も終わりに差し掛かり,すっかりご無沙汰になってしまいました。
GWを前にしてすでに,夏を感じる日が多くなってきたように思います。

BERUNでは季節を先取りする紳士たちが,2,3月に夏物をオーダーしていただいた方が多くいらっしゃいました。
毎シーズン言っているようですが,やはり季節を取り入れるのは早いに越したことはありません。
夏に入ってしまうと,ベーシックな生地は在庫切れになってしまうものも多くなります。また,ようやく着る頃には真夏になってしまい,心地よい風を感じることができません。双方にとっていいことがないように思います。生地屋も入れると三方ですね。

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相変わらず良品を見つけては生地を買い付けておりますが,店内の棚には夏物がどんどん入ってきています。
おそらく夏物は今が一番多いのではないでしょうか。

EDWIN WOODHOUSE,Harrisons of Edinburgh,H Lesser & Sons.,Scabal…etc

在庫切れのおそれや,舶来の生地であれば発注してから届くまでの1週間(お急ぎの方であればこの1週間が大きい)。そういったリスクを考えてこのようにコツコツ増やしています。

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それにしても増えました。
1年前と比べて倍はあるのではないでしょうか。
ここに入りきらない生地はバックにまだ積まれています。

わたしがすべて直接目で見て触って選んだ生地です。95%英国生地で,どれも一級品のクオリティです。
夏の定番,モヘア混のものもたくさんあります。
もう廃盤になってしまったものや,日本ではなかなか手に入らないもの,そういったものの”徹底的にベーシック”な生地を集めます。

わたしのお客様で、夏物の定番英国生地はだいたいそろえた方がおりまして,その方がこのような事をおっしゃっていました。

「夏物の生地を色々着たけど、Summer Cape kidが一番涼しい」

このSummer Cape kidとはハリソンズ(Harrisons of Edinburgh)の盛夏向けの生地で,キッドモヘア60%/ウール40%といった”シャリ感”とサラッとした肌触りが気持ちいいクオリティ。
清涼感のあるモヘアは夏にうってつけなのです。
しかしこのモヘアは独特の光沢感やハリなどの触り心地から,好みも分かれる素材でもあります。
ここ1,2年の英国はイタリアに何手も遅れ,ようやくウール100%でも表面の保温性を下げる加工を施した生地が続々と出てきています。この加工というのは決して化繊などといった人工的な”ナニカ”ではなく,生地の最後に行う「フィニッシュ」という工程で,生地本来のもつ保温性を下げる技術を使っています。

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<Cool Breeze,Cool Guardといった盛夏向けのWool100%のスーツ地>

素材にはそれぞれの保温性があり,前述していたモヘアはそれがウールよりも低いのです。
春夏秋冬すべてに順応できる唯一の素材といっていいウールですが,より盛夏に対応できるウール100%の生地が出てきてくれたのは,日本人にとってはうれしい話です。

少し今回は生地の話に浸かりすぎてしまいましたが,普段着る洋服の生地が,このような努力によってしっかりと作られているということを知るのは,とてもいいことだと思います。

高いものにはそれなりの理由があります。だからこそ、その理由を大枠だけでも知っておけば装うことがより楽しめるのではないでしょうか。

 


Atelier BERUN

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