クラシックは複利

BERUNです。

12月は納品が続いております。

初ツイードを体験する方、セカンドツイードを愉しむ方、今季はカシミアでも作ってみようか、など。
様々な方のコーディネートに関わらせていただいております。
コートも素晴らしいクオリティのものが続々と仕上がってきています。

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こちらの方はツイード初デビューのI氏。今までパターンオーダーで何着か作っておられたようですが、選ぶ生地やサイジングの取り方など、まったく違う。と仰っておりました。162㎝と小柄ながらバスト100㎝を超える恰幅のいい方なので、サイジングでどう身体のラインを活かすかがとても肝になってきます。
英MOONのウインドーペーン柄のツイードに、440gmsの肉厚なグレイフランネルトラウザーズ。タイはBERUNのネイビーウールタイです。毎日着てもへこたれない、初めの1着はそういうのがいいと思います。

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シンプルなグレイヘリンボーンのツイードジャケット。サイジングもあえて細身に作らず、ニットの上から羽織るようなフィッティングで仕立てました。リゾルトのデニムにジョンロブの茶靴。この日のアウターはバーブアーという合わせ。
一時期あんなに街に溢れていたバーブアーも、最近見かけなくなりましたね。なんて流行談義を交わしていました。

破れれば紡いで直せるツイードには寿命はありません。寿命と言えば、サイズが合わなくなるか、飽きるかのいずれかでしょう。
そのためにもサイズはそこまでジャストにする必要はないと思います。ツイードはそもそもアンファッショナブルなものです。

 

BERUNもそろそろ丸8年目が経とうとし、創業当初に作られた方の見事に経年変化した洋服を見る機会も増えてきました。

お話をしていると、それを着た当時の話が出てきます。あのときはツイードなんて全く良さが分からなかっただの、ゴワゴワして着心地悪くて、本当に大変だっただの。でも今はたまらなくいい。オンもオフもこれを着ている、など。
お客様が洋服と作り上げてきた思い出が一気に舞い込んできます。それも永くものを愛用する愉しみの1つですね。

1年に1,2着作っていかれると、5年経てば5~10着程になります。
そのくらい持たれると、1着毎の着る回数が徐々に減ってきます。
四季を愉しむ生地をわたしは選びますので、1年で着られる時期は大体7ヶ月前後。
その着ない時期があるのがいいんです。季節がやってきたときに、久しぶりに再会をするから、喜びが倍加します。わたしがオールシーズンの生地を選ばない理由はそこにあります。

世に出回るオールシーズンの生地は、夏に合わせた生地になります。その分生地の厚みは求められないので、薄い生地を使います。薄いため耐久性がなく、365日毎日着用できるため、やはり2,3年着るとダメになってしまうものがほとんどです。

いいものは決して安くはありません。ときには決死の覚悟で買うものもあるでしょう。
しかしそれを大切に永く使い続けていくことができれば、それは消費ではなく投資だと思います。
ワードローブが年々増えていき、クローゼットに並ぶ全ての洋服がお気に入り。その生活は5年以上、じっくりと揃えていくことで必ず手に入ります。
しっかりとした生地で仕立て、ある程度のサイズ調整は融通がきくように作ると、10年は持ちます。
これは余談ですが、西洋の人たちは、男は腹が出てきてからはじめて一人前の大人になるんだ。ということを聞きます。
事実、彼らはハゲて太っているにも関わらず、カッコいいんです笑。 これは偏見ではないと思っています笑。

改めて最近感じたのが、彼らは顔立ちがはっきりしている民族なので、デザイン性のある洋服が似合います。フランス靴のコルテや伊ベルルッティなどのような”おしゃれな靴”は、元来地味な顔立ちの日本人のものではないのかもしれない、とわたしは再認識しました。(決してそれらの靴を否定しているわけではありません。日本人でもそれらを格好良く着こなす人はいますが、ごく少数です)
そういった点から見ても、素朴な顔立ちの日本人が時代や世間の目に流されずに、自分らしさも強く持ち続けられるスタイルといえば、やはり物静かなクラシックなのではないかとわたしは思います。

日本人の我々が似合う”洋服”とはどんなものだろうか、ということを探し続けてみるのもいいかもしれません。
Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

http://berun.jp/
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◆Tel : 03-3235-2225

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