BERUNです。
すっかりご無沙汰になってしまいました。
先日、誕生日を迎えまして30歳になりました。
21歳に立ち上げたBERUN。わたしの20代はBERUNと共
イギリスに行ったのが22歳。Free & Easyに載せていただいたのが25歳。そう考えると、月日が経ったものです。
これからの30代、変わらぬものも持ち続け、
先週はお客様から声をかけていただき、2泊3日で宮崎に行ってきました。
お客様のゴルフ仲間の方々に、洋服を用意するために行ってきました。
夜はお客様の自宅にお邪魔し、
何千枚と壁を埋め尽くすレコードに、中央に構える2つのスピーカ
レコードの針を刺した瞬間、
この音楽は、録音した時のものが流れているのではない。
晩御飯は宮崎県民のソウルフード、地鶏三昧でした。焼酎がうまい。
最後の1日は、
皆が早朝から真剣に洋服と向き合う、
機械と人のバランスがとてもよかったです。日本では手放しでハンドメイドがよいと評価されますが、一長一短だとわたしは思います。
真っ直ぐ縫いたい場合など、機械の方がよいこともあります。もちろん人ならではのゆがみや糸の縫いのテンションなど、人でしか表現できないことも多々あります。ですが、言ってしまえばそこまでのものを着る必要があるのか、というところが正直な意見です。
人の手が加わればよりコストがかかります。そのコストをかけてでも着るべき人というのは、世界中でかなり限られたごく少数の人たちだとわたしは思います。
わたしの知り合いが数年前にサヴィル・ロウでスーツを誂えたとき、彼は仕事で着たい、そして2ピースになることもあるからと、店のフィッターが強く止めたにも関わらず、ベルトループを付けたトラウザーズを注文したそうです。
ベルト仕様でいくのか、ブレイシーズ(サスペンダー)で吊るのかで、そのスーツの見せ方、サイズ感は全く変わっていきます。もちろん、ブレイシーズで吊った方が、圧倒的に全体のシルエットは綺麗に見えます。
作り手が最も気持ちが上がらない仕事は、自分の表現を100%作品に投影できないものではないでしょうか。
サヴィル・ロウで高価なスーツを作る人は、自分の仕事云々ではなく、職人にすべてを任せるという度合いがなくてはいけないのだと思います。
つまり、仕事で着たいのなら、ハンドよりも低コストででき、なおかつしっかりと強度のある機械で縫製されたもので、十二分に役目を果たしてくれます。
そう考えると、わたしのような一般人は、ハンドメイド云々という世界に行くには後2回くらい生まれ変わる必要があるのかもしれません。笑
もちろん晴れの日の舞台に1着、という考えもあるかもしれません。
ですがそれはわたしの思想とは違います。神棚に上げるスーツではなく、日常にビスポークを持ち込んで生きたい。というのがBERUNの願いです。
川上である作り手(縫い手や、機織り工場、羊飼いまで含めて)
こちらの工場では、私が長年作りたいと思っていたデザインにも応えてくれるとのことで、
宮崎での最後の食事は、名物うなぎをいただきました。
米の味を堪能できるように、うな丼ではなく定食にするという長のこだわり。
すべてに大満足でした。
宮崎も、桜がきれいです。
地方に生きる人たちの力強さ、郷土愛を感じた、素晴らしい3日間でした。
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