BERUNです。
先週金曜日をもちまして、路面店での営業を終了いたしました。5年3ヶ月の間に、本当にたくさんの方にお越しいただきました。皆様、本当にありがとうございました。
先週末まで路面店での営業をする予定でしたが、思いのほか片付けが進みましたため、3日の土曜日は新しい場所にお客様を招かせていただきました。
赤坂時代からのお付き合いの方はもう6年のお付き合いになります。それより前の方は8,9年と、かなり濃密な方も増えてきていてありがたい限りです。
狭くはなりましたが、より濃度が高まったような気がします。わたし個人的には、大っぴらに見えているより、ひっそりとした空間の方が好みなので、こちらの方が雰囲気は合っているかもしれません。
(神楽坂の前は赤坂のマンションの一室でしたから)
ですが、今までご家族で来られていた方々にとっては、少し窮屈さを感じさせてしまうかもしれません。
店というより、部屋という方が近いでしょう。そのくらいこじんまりとしたアットホームな印象です。
賃貸としてできるだけの(範囲は超えていないだろうか。。汗)内装を手掛けました。
照明や家具、備品は全国各地のアンティークショップにて購入してきたものです。
この辺りは話し出したら止まりません笑
サンプルという名の私物も、自宅からたくさんかけられるラックを持ってきました。コートも数多く持ってきております。
これで完成形のイメージはよりしやすくなるでしょう。
新たに揃えた生地棚、テーブル、デスク、ランプなど、、
今までの物をそのまま引き継いでもなにも支障はなかったのですが、わたしもこの5年間で感覚もかなり変わっているので、そうはいきませんでした。(というより、欲しいという欲求を抑えられなかっただけです笑)
一つの場所で長く続けるというスタイルもストイックで格好いいですが、わたしのような生粋のジプシー(笑)は、自身の変化と共に移り変わっていく今のようなスタイルは性に合っているのかもしれません。
久しぶりに見た老舗フレンチ「コート・ドール」のオーナーが書かれた本、「十皿の料理」にはこのようなことが書かれていました。
料理にはその人そのものが表れる。つまり、わたし(作者)が今まで出会ってきた人々、その中で特に影響を受けた人の理念がわたしの作る料理に投影されている。
フランスに修行に行ったときの2人のシェフは特にわたしに多大な影響をくれた。
と。(全く同文ではありません。あしからず)
並べて失礼なのは重々承知ですが、わたしという人間も、わたし自身が今まで出会って来た人によって作られています。
師として仰いだ人たちの教え、何気なく出会った人や自然から感じたこと。
わたしの作る洋服も、その出会った人や感じたものからできた結晶です。
現代は、何もかもが簡素化されて、インスタントでコンビニエントな物が溢れています。
マシーンの作った均一化されたものが立ち並ぶ世の中だからこそ、わたしは人の香りがするもの、最終的には土の香りがするものに囲まれていきたいと思っています。
東京にいては、人や土の気を感じなくなっていきます。
(ヨーロッパは都心でも計画的に広大な公園や緑を残しているので本当に素晴らしいと思います)
洗練された計画的に作られた人工的な緑よりも、無造作に置かれて咲いた緑に価値を感じるのが、本来の人間の感性だと思います。
机の上で学ぶものではない、偶然の産物から生まれるものづくり。
世の中の風潮よりも、自分自身の感覚を大切にしていくことが大切だと思っています。
これから洋服が本当に楽しくなっていく季節です。
先日、今年の夏に初めてお越しいただいたお客様より、最近お仕立てしたツイードジャケットを着て出かけたら、男女問わず色々な方から声をかけていただいた、と連絡をくださいました。
素直にコミュニケーションをするのが憚られるご時世で、とても嬉しいお話です。
新しい店内、まだ完成形とはほど遠いですが、じっくり手掛けていきたいと思います。
ぜひ、遊びに来て下さい。
引き続き、よろしくお願いいたします。
Atelier BERUN
東京神楽坂のビスポークテーラー
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