太陽とつながる色

BERUNです。

GWですね。
私はGWが明けると、シャツの素材を綿から麻に切り替えます。
日本が春から夏の入り口に差し掛かる季節で、気持ちとしてもちょうどいいのです。

夏に着るネイビーとグレー

そしてこれからの季節、着る洋服の色を意識します。
なぜなら、30度を超えた辺りから、世の中の”目”で、”着てはいけない色”が突然増えてきます。
反対にいえば、許される色が限定されるのです。

アンチクールビズを謳い、30度を超えてもなおネイビー、グレーのスーツに身を包み、タイドアップをされる戦士方もいます。その方々には心から感謝を込めて敬礼したいところですが、世の人たちの目はスーツの中の熱とは相反して冷気を帯びてくるのがこれからの季節です。

周りの人に気を遣わせてしまうのは、おしゃれをする者として本末転倒です。

ネイビーであれば、ダークネイビーではなくロイヤルブルー、もしくは明るめのネイビーにしてみましょう。

こちらは最近完成したウール・リネンのジャケット。シックなブルーで、ビジネスで着用することも可能な程よい色合いです。

グレーであれば、ダークグレーではなくミディアムグレーがいいでしょう。ライトグレーは着る季節が限定されるため、私はあまりお勧めする色ではありません。ライトグレーでしたらトラウザーズに使うのがいいと思います。

ミディアムグレー

BEIGEという選択

私はこれからの季節に、ぜひ取り入れていただきたい色があります。
それがベージュです。

太陽の力が日に日に強くなってくるこれからの季節だからこそ、ベージュは街にとても映えます。

先週のブログでご紹介したコットンスーツをお召しになられたK様。
当初、5月末にご友人を連れて受け取りに来られるとのことでしたが、コットンスーツは今の時期が最高なんです!と言い、急遽受け取りに来ていただきました。笑

VENTILEコットンを使用してお仕立てしたコットンスーツ。撥水性のある生地のため、これからやってくる梅雨時でも着用することができます。

袖口のボタンは2つです。
話は脱線しますが、彼の名前にちなんで、以前鳥のカフスをプレゼントしました。カフスのような小物は、ルールにとらわれず、自分らしさを追求してもいいアイテムです。ぜひ、自分ならでは!というものを探してみてください。
自分のアイコンのようなもの、自分といえばこれ!というものが見つかると、装うことがより深まり、楽しくなります。

ベージュの奥深さ

今回は皆様にぜひベージュの洋服を考えていただきたく、少しばかし、ラインナップをご紹介します。

一言でベージュと言っても、本当に色々なベージュがあります。ぜひ、想像してみてください。

イギリスの強撚糸シリーズ。フレスコの3PLYとハリソンズのSPRING RAM(スプリングラム)。どちらもイギリスを代表するような最強の生地です。

フレスコはミル(機織工場)らしく、質実剛健でシックな仕上がりです。
ハリソンズはマーチャント(商社)のため、生地を見ただけでは一見代わり映えしなさそうな雰囲気ですが、仕立ててみると色気があります。

真面目なミルと、華があるマーチャント。どちらを選んでも間違いはないクオリティですので、あとは好みとご自身のキャラクターですね。

お次は左側、先週入ってきたアイリッシュリネン。これがなかなかいい生地です。
グレーがかったベージュで、何にでも使える程よい厚みです。トラウザーズのみでもよし。スーツを仕立ててもとても上品で素敵な仕上がりになります。

こちらもリネン100%ですが、厚みが500gmsある極厚のリネンです。これでワイドなトラウザーズを仕立てれば、あとは上はポロシャツを着るだけでとても上品なサマーリラックススタイルが完成します。(いつも言っていますが、これも私が作りたい、、笑)
足元はローファーかコンビシューズが粋ですね。

こちらはジャケット用の生地。ハリソンズのICARUSとLABYRINTH。
左は明るめなグレージュカラーで、夏の暑い日差しにちょうど合います。

右はベーシックなベージュのヘリンボーン。サファリジャケットを仕立てても格好いいですし、シンプルなジャケットでもとても綺麗です。

明るかったかな。。?と思うくらいでも、暑くなり日差しが強くなってくればちょうどよかったと感じるようになります。

絶滅危惧種トニック

先日、ずっと探していたトニックのベージュが入ったと連絡があり、しぼり出てきた1着分を買い付けました。生地が到着した30分後、ご来店されたお客様により、オーダーが入りました。笑(本当にありがとうございます。)
約40年前のドーメル、ヴィンテージトニック。ウールモヘアのスーツ地の礎を築いたシリーズです。時代を感じる柄物は出てきますが、今でも使える無地のものは珍しくなってきました。
BERUNでも無地や千鳥格子は出てくるたびに仕入れていますが、感度・嗅覚・タイミングの3拍子揃ったお客様が即決されます。
私自身でも仕立てたいのですが、全て一点限りのため、我慢です。。

本当に素晴らしい生地で仕立てた洋服は、何年経ってもオーラが無くなりません。むしろ、増していきます。
40年前の生地で今、新たに仕立てる。この時代を超えたものが現代に息を吹き返すというロマンがたまりません。

少し気取っているような気がする、自分にはお洒落すぎる、、と二の足を踏んでいる方も、改めてベージュという魅力的な色を再構築してみてください。そしてまだという方は、ぜひこの夏に挑戦してみていただきたいです。



-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー

東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301

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