BERUNです。
秋晴れが気持ちいいですね!宣言が解除されてから、天気は私たちの味方をしてくれています。
この時期になるとわたしは、ツイード、フランネル。この2つのワードを乱用します。
先週のフランネルに続き、今回はツイードをご紹介いたします。
わたしが愛してやまない生地です。
モダン派ツイード
先日、初めてお越しいただいたO様。
わたしの自宅とほど近いところでお店を営んでおられるため、相模原トークに華が咲きました。
O様が求めていたものは、長く着られるもの。素敵なお考えです。
わたしの生地棚の4割を占めるツイード生地の中から、間違いないものを選びました。
クリアな顔立ちで、小柄なO様には、質実剛健でクラシックなツイードではなく、限りなくモダンなものを選びました。
Porter & Hardingのネイビーブルーのホームスパン。ホームスパンと言っても、あまり色が散りばめられていない、無地に近い柄。
こういったクリアな生地は、意外とありそうでありません。
トラウザーズはEdwin woodhouseのヴィンテージツイスト、300gmsの軽めのフランネル。スーツでもトラウザーズでも使える便利な生地です。
ツイードとコーデュロイの出会い
H様には2着目のツイードジャケットを作らせていただきました。
1着目は、モスグリーンに青いウィンドーペーンが入った渋いツイードジャケット。
2着目は、柄の雰囲気を踏まえて、少しカントリーなイメージにしました。
3つボタンの2つ掛け、そしてアウトポケットに背ベルトを付けた仕様です。
街で着るならこのくらいの塩梅がちょうどいいかと思います。
このマスタードとグリーンが混じったような色合いが素敵ですね。
タイはベージュのカシミアシルクのニットタイ。
ツイードジャケットにカシミアのニットという組み合わせもとてもいいです。
色合いも柄もカジュアルな雰囲気ですが、カジュアルになり過ぎないのは、ラムウールの独特の柔らかさによって、上品さが出ているからでしょう。
ツイード×コーデュロイの相性は完璧ですね。
ツイードコート
T様にお作りしたものはツイードを使ったチェスターフィールドコート。
私の中ではマストアイテムというくらい、とても便利でお勧めしているコートです。
W Billのドネガル(Donegal=ドニゴール)ツイードの生地を使ってお仕立てしました。
太畝のヘリンボーンが存在感があり、カジュアルで粗野な雰囲気を醸し出しています。
これでカジュアルなコートを仕立てたらとことん土臭くなるのですが、シンプルなチェスターフィールドコートにすることで、土臭さと上品さのバランスを保っています。
よく、ツイードジャケットの上にツイードのコートを合わせてもいいものか、着膨れしないものか、というように言われる方がいらっしゃいますが、私は大丈夫ですよ、とお答えしています。
こちらのコーディネートも、下はツイードジャケットを着ています。サイズをぴったり合わせていれば、中に厚手の洋服を着ているかわからないほど綺麗なシルエットが生まれます。
今は巷でチェスターコートなんて言われていますが、それは日本人特有のなんでも略したがる癖です。
元々チェスターフィールド伯爵が好んで着ていたコートから、その名が付けられています。
今チェスターコートと呼ばれているものは、正しくはセミチェスターフィールドコートです。
チェスターフィールドコートはよりフォーマル度が高いコートです。上襟がベルベットになっていて、前立ては比翼仕立て。色も黒かダークネイビーのようなシックな色です。
チェスターコートなんて伯爵が聞いたものなら、成田さんを成ちゃんなんて気安く呼んでいるようなものです。
まぁそこまでかたく考える必要はありませんが笑
何事も、その言葉が生まれた始まりを知ることは、とても大切なことだと思います。
-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー