好きこそ全て

BERUNです。

今年は店の移転準備もあり、26日で年内&神楽坂での営業を終了させていただきました。
今日は店の片付け作業でした。
29,30日に来られたいという方が何名かいらっしゃいましたが、ご希望に沿うことができず申し訳ありませんでした。

先日、お客様から裏地の修理のご相談。

相当派手にやっていただきまして(笑)、見た瞬間、とても嬉しかったです。

2011年の2月なので、もう10年以上前にお仕立てしたドネガルツイードジャケットです。
この当時は今と違って、日暮里や東京近郊の生地屋街を自分の足で歩き回って、いいものはないか探していました。知識と経験とお金がなく、時間があった頃ですね笑

今のようにインポートの生地を、「お願いします」と簡単に頼めるくらいの余裕がなかったものですから。
あとはなぜ良い生地の価格がこのくらいするのか、というのも理屈では納得できない若さもありました。

そんな時から今もずっと愛用してくださっているのがとても嬉しいです。
こちらのドネガルツイード、表地の方はピンピンしております。

そのまま裏地を張り替えてしまうのもなんだか寂しいので、私が手縫いでパッチワークのように上から縫い付けていくような修理をしたいと思っております。

今年一年の変化

今年は色々な変化があった1年でした。
仕事、プライベート、どちらでも本当に沢山のことが起こり、神経をすり減らすことも多かった1年です。
しかし行動をしなくてはそんなことも起こりませんので、成長痛なのかな、とここ最近ようやく開き直れるようになってきました。

今年の秋には、まだ1,900人程だった地下youtuber(笑)でしたが、今現在は15,700人まで増えました。
マニアックかつ私見ばりばりな私の動画を、ここまで多くの方がご覧になっていただけるのが本当に嬉しく思います。
夏の終わり頃、妻と、
「2,000人いったらyoutube ライブしようか」
なんてたわけたことを言っていたのが懐かしいです。笑

お陰様で12月はたくさんの方に来ていただき、清々しく神楽坂を去ることができそうです。

The Heavy Flannel Suit

年内中にお渡しする洋服が完成してきまして、毎年恒例の年末納品が続きました。

ローテクスニーカーといえばコンバース。
オイルドコットンといえばバブアー。

そんなように、〇〇といえば何々。というものは世の中にたくさんあります。
そんな中、フランネルといえば、フォックスフランネル!という声が多いでしょう。
わたしはそんなフォックスに影を潜めて、虎視眈々
と真面目にいいものを作っているマーチンソンのフランネルをお勧めしたいです。

マーチンソンという生地メーカーはあまり有名ではありませんが、老舗で素晴らしい生地を作っています。

何を隠そう、夏の英国スーツ生地といえば、、、

「フレスコ!!」

ですが、そのフレスコを作っている生地会社です。
マーチンソンよりもフレスコの名の方が通っていますね。
そんなマーチンソンですが、夏生地フレスコではなく、冬のフランネルもとても上質な物を作っています。

今年の夏に初めてお越しいただいたH様。
ファーストスーツは夏用のフレスコ。
セカンドスーツはフォックスフランネル。
そして今回お作りしたのはマーチンソンのフランネル。
まさに英国の古き良き王道のセレクトです。

シャツはクレリックですが、襟のみです。こちらが英国式で、袖も白地になっているものはフランス式です。

そして、3着目の今回はよりクラシックなフィッティングを追求しました。
深い股上のトラウザーズ。ヒップから裾にかけてかなりゆとりを持たせたエレガントなシルエット。
サーティーズスタイル(1930年代に流行したトラウザーズがドカンのようなシルエット)を思わせる雰囲気ですが、裾はほどよくテーパードされています。
重苦しくさせすぎない、現代でもぎりぎりコスプレ感が出ない雰囲気を追求してお作りしました。

ウエストコート(ベスト)も、トラウザーズの股上が深くなることによって、より短くすることができ、自然とスタイルが綺麗に見えます。スリーピースーツでこのサイジングはいいことづくめです。

この上着の丈の長さと、ウエストコートの短さの差寸がよりビスポークらしさを醸し出してくれています。
H様、いつもありがとうございます。

Tweed Coats

相当ヘビーなツイードコートが2着完成してまいりました。

右のコートからご紹介いたします。

こちらはFOX TWEEDを使ってお仕立てしました、ツイードチェスターフィールドコート。
色はブルーとブラウンの綾織(ツイル)柄。とても洒落感のある、さすがFOXという雰囲気です。

写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、とても大柄なK様。自分がこのようなシルエットのコートを着ることができるとは、、と驚いておられました。

チェスターフィールドコートはよく、小柄な方、大柄な方は似合わないと言われたりしていますが、私はそうは思いません。
しっかりと身体に合わせることで、どんな体型の方にもピッタリ合わせることができます。

Johnstonsの赤いマフラーを合わせてみました。冬はこのくらい色があってもいいですね。

お次はこちらのツイードラグランコート。

イギリスマン島の手織ツイードの生地。私も初めて見ました。
柔らかさがありながら、程よい肉感があり、ラグランコートに打って付けの生地でした。

大柄なチェックが長めの丈のコートによく合います。

袖が一枚袖なので、立体的ではなく、リラックスした印象になります。

何十年後も着ることができそうな雰囲気のコートですね。

冬ならではの光景で、みているだけでとても気持ちがいいです。

最後に

今年、さまざまなことに取り組んでみて確信を得たこと。
それは、好きなことをするのが一番であるということ。何を能天気で甘っちょろいことを言っているんだ、と怒られてしまいそうですが、私はこれに尽きると思うのです。
人生は長いです。短いという方もいらっしゃると思いますが、私個人的には、じっくりと時計の針が進んでいるのを感じます。

その長い人生を走り続けていくためには、嫌なことはなるべく時間をかけずに、好きなことを磨いていくことが何よりも大切です。人生を拡張していくために短期的に取り組むことは大切かもしれませんが、時間をかけ過ぎない方がいいと私は思います。

マラソン嫌いの人が、フルマラソンを走ることが果たしてできるでしょうか。
そう考えると、それは極端だ!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実社会では、怪我をしながら、骨折しながら走り続けているような方がいらっしゃいます。

私自身が物を贖う時に、今年から心に決めたことは、過去のブログでも書いておりますが、人と物、どちらにも納得して初めて買う!というようにしました。
どちらも欠けてはならず、どちらも100%必要。
なぜそう決めたのかと言いますと、私が重きを置いているのは、長く付き合っていける人とものに囲まれていたいからです。
そのためには、妥協は禁物なのです。(そんなことを書いておきながら、毎度毎度一目惚れのような出会いをしてしまう私なのですが笑)

一見綺麗事のように聞こえる言葉こそ、人間の真理であり、人生にとって大切なことだと思うのです。

そのような言葉を信じ続けて、これからも人生を歩いていきたいと思っております。

2021年も大変お世話になりました。
2022年は1月7日から赤坂見附、元赤坂という場所で営業をいたします。
心機一転、2022年はより面白い1年にしていきたいと思っておりますので、皆様、来年もよろしくお願いいたします。

BERUNでした!!

旧神楽坂 2016/06〜2021/09
現神楽坂 2021/09〜2022/12

-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー

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