BERUNです。
最近、月曜日にブログを挙げられていません。
大変ありがたいことに、なかなか忙しくさせていただいておりますが、来週からはきっと!帯を締め直してやっていきますよ。
先日、旧旧チャーチを購入しました。
(こんなことを報告するまでもなく、日々靴は増殖しているのですが笑)
3都市の旧チャーチは持っているのですが、2都市のものは持っておらず。
箱付きで、ほんの数回しか履いていないであろう極美品のものをゲットしました。旧旧チャーチでこのコンディションはそうそう見つからないでしょう。(この宝探し感がやめられないんです。。笑)
こちらの2都市のモデルは1960年から70年まで作られていたものです。
新人でありながら、私の持っている靴で最年長です。
何より、スウェードの革質が本当に抜群です。素晴らしいの一言。
傷ひとつありません。大切に、ガツガツ履いていきたいと思います。
2000年にはプラダに買収され、2013(2014?)年以降はTOKYOもロゴ入りしまして、今のチャーチは5都市になりました。
洋服ブランドというのは、ロゴが変わるタイミングで大きく経営を変革していることが多くあります。
エドワードグリーンやジョンロブ然り。ロゴが変わることはブランドイメージを一新することと同様なのです。
そのため、(私以上の)靴マニアの方々は、90年代の云々で作られていた頃のエドワードグリーンは素晴らしかった。というような、年代の話をします。
その当時に存在していたタンナーの革がどこぞのブランドである年代に使われていて、それが本当に素晴らしかった。などなど。
もはや、たまたま好きになったのが革靴であって、その対象が鉄道なのかフィギュアなのかどれでもよかったのでは?というくらいのめり込む方もいるのが、革靴の世界なのです。
物作りの変化は一目見ただけでわかるほどで、本当に同じブランドなの?というレベルで変わっています。
物作りがまだ豊かだった頃の革靴というのは本当に美しく、まさに履ける芸術でした。
洋服業界全体を通して、2000年を境に大きく変わったと思います。
こちらの旧旧チャーチを購入したのにはきっかけがありまして、仲の良い靴屋さんと話していた時、ふと彼が、
「竹内さん、旧チャーチ似合いそうですよね」
と話してくれたことです。
靴を好きになって10年も経つと、ある程度自分の中で、自分が履くならこのブランドがいいな、という好みが出てくるもので、その中では、チャーチは新たに購入するラインナップには入っていませんでした。
しかし、そのブランドがブランドらしかった時代のものというものはやはり思想が深く根付いているもので、そういったものには金額関係なくその当時の職人の魂と言うものが込められているもので、私はそういうものに触れていたいと思う人間です。
何を言いたいのかと言いますと、常に自分自身を引き上げてくれるものは周りであるということです。
自分自身で生み出せるものなんて砂粒以下のちっぽけなもので、それを頼りに、自分の腕力だけで全ての物事を成し遂げられることなど、本当に小さなものです。
エベレストを登ろうと思ったとき、自分1人きりで登り切れる人が、果たして世界中を探してどれだけいるでしょうか。
途中にベースキャンプを設営し、その中から指令を出す人、山のコンディションを見る人、登山家の体調を診る人。それによって止めることができる人。
全ての世界のプロフェッショナルがいて、はじめて登れるか否か、という世界です。
「おれは自分ひとりの力で登るんだゼ!!うおおおーすごいだろー!!」
という方の、登れる山はたかが知れていると思います。
洋服の話に戻しますと、日頃洋服のお話をし、ご提案をしていますと、
「いやぁ、私こういう色は似合わないんですよ」
と仰る方がいます。
でも周り(私)から見ると、
「絶対似合うんだけどなぁ」
というときがあります。
何度かじっくり話をしてみて、その意見を試着する方とそうでない方。
もちろんどちらがいいわるいではないのですが、どちらの方がより開いた人生になっていくでしょう。
これは洋服に限ったお話ではなく、人生のあらゆる場面での選択だと思います。
私自身、信頼のできる人の意見を至極真っ当に受け入れ続け、今の私を築いてきたと思っています。
周りの方が見た自分がどういう風に見えているのか。そしてそれを信じて試着してみる。
今までの自分を超えていくためには、周りの人を信じて委ねてみる、という行動はとても大切だと思います。
The Book新作
今回、3つ新しい項目を足しました。
The Bookを書きはじめたのがもう10年前になると思います。その頃から考えると、書く内容が年々濃くなっているので、これからThe Bookはどうなっていくのか、ヒヤヒヤしています。笑
いつもありがとうございます。
-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途