BERUNです。
年末年始にコートをオーダーされた方のコートが完成しております。
時代、流行に左右されないからこそ、完成したときには着る時期が過ぎ去ろうとしていても許されるのがビスポークの良さです。
約30年前のヴィンテージ生地を使用してお仕立てしたカシミア100%のチェスターフィールドコート。
裏地は最高級のアセテートを使用しました。裏地自体も肉厚なため、暖かさもありながら、美しい光沢を存分に楽しむことができます。
力釦は貝釦を使用しております。細かな部分ですが、こういうところまでこだわるかどうかで、全体の仕上がりがグッと引き締まります。
180cm後半あり、体重もしっかりとある恰幅のいいK様。しっかりとゆとりを持たせ、着丈も膝下まで長くしてお仕立てしました。
これだけ生地をたっぷり使うと、持ったときの重みはズッシリときます。
しかし、着てみるととても軽いのがオーダーの凄みです。
身体全体で着るため、重さ自体はあるのですが、軽く感じます。
クラシックながら、肩のナチュラルな雰囲気が古臭さを感じさせません。
姿勢が良く恰幅がいい方は、お腹が前に出て、背中が反っているため、ヘタに合わせてしまうと背中が余ってしまい、前も余裕が生まれて身体がだらしなく見えてしまいます。
背中のラインをしっかりと出すことで、全体で曲線を描くように着ることができるため、大柄な方でもスタイリッシュに見せることができます。
男の服はやはり背中が肝ですね!
チェスターか!アルスターか!
W Billのヴィンテージの生地を使ってお仕立てしたアルスターコート。
ウール50/カシミア50という、優雅さと使いやすさを合わせ持った生地です。
色はダークグレー。
チェスターフィールドコートにしようか、アルスターコートにしようか。と悩みに悩んだ挙句、アルスターに決めていただきました。
このくらいシックな生地でのチェスターフィールドコートも間違いなく素敵だと思いますが、アルスターコートであればオンオフ使えるので着こなしの幅が広がりますね。
春はもうすぐそこ
春を感じるようになり、春物のオーダーをいただくことが増えました。
ありがたいことに、毎年季節の変わり目の切り替えが早くなっています。
冬の方が楽しいのは千も承知ですが、もう冬は終わります。
暑いのを我慢して、夏でも地厚な生地のスーツを着ている方を見ると、当の本人は我慢できるのは分かるんだけど、それじゃあ他人は辛いのですよ。。
と感じます。
過ぎゆく愉しかった時期に後ろ髪を引かれることなく、前を向き次の機会を清々しく楽しめる方にとても心を惹かれます。
夏は選択肢が少ないです。
モヘア、リネン。ザッツオール。
もはやこの2つの素材でいかに愉しむかを考えなくてはいけません。
わたしはそこにクリエイティブさがあると思います。
何もないところから、いかに愉しむか、それは人生全てに繋がることではないでしょうか。
ツイード、フランネル、カシミア、コート、、、
それが終わるなんて。。!
と悲しみに浸っていては、四季すべてを楽しむなんてできません。
夏が来る!
リネンが着られる!!
なんて楽しみだっ!!
というマインドが理想的です。
追伸: こんなブログを書いていた矢先、生地が本国から今日届きました。
これから(こころの中でウイスキーを飲みながら)じっくりと開けて、妄想に浸りたいと思います。
来週アップいたしますので、楽しみにしていてください!
-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途