BERUNです。
梅雨前の今の時期、日本が最も心地いい季節ですね。
日々キャンプに行きたくてうずうずしています。
この時期にふさわしいスーツたちが続々と仕上がってきております。
今回はカジュアルスーツの二大巨頭をご紹介致します。
コットンスーツ
日本ではあまり人気のないコットンスーツ。理由は明確。
日本人が最も苦手とする、ドレスとカジュアルの間だからです。
普段スーツをバシッと着ている人も、休日になると途端にTシャツにデニムになるのがこの日本。
コットンスーツはまさしく、その間の洋服です。
仕事では着る業種は限られます。だからと言って、休日にスーツを着るか、という脳内ハッピーなマインドの方も少数派なので、いつの時代も日の目を浴びることはありません。
だからこそ、格好いいじゃないですか。
着ることを選んだ人だけが着ることができるスーツ。(当たり前のこと言ってますね笑)
長いお付き合いになる、O様にお仕立て致しました。
ガチガチスーツは必要な分あるから良い。ジャケパンも揃ってきた。
よし、次は何にしよう。というときに提案するスーツです。
コットンスーツ、日本ではどうしても流行らない理由がもう一つあります。それは気候の問題。
日本の高温多湿な気候のせいで、夏はどうしても着ることができません。
そして冬はしっかりと冷え込むため、冬も難しい。
そう、コットンスーツは春と秋のみ活躍することができるスーツなのです。
春と秋だけと聞くと短く感じてしまいますが、3、4、5、6、9、10、11月、と7ヶ月着ることができると考えると、十分ではないか、と思います。
あと最後にもう一つ、日本にコットンスーツが普及しない理由。
それは、コットンスーツが主に着用されている国がフランスなのです。
フランスは気候がカラッとしているため、コットンスーツを長く着ることができます。
また、日本にはメンズファッションの文化が入ってきている主な国は、イギリス、イタリア、アメリカです。
その3カ国の文化はいろいろなブランドを通して入ってきていますが、ことフランスに至ってはあまり日本では情報がないのです。
フランスのセンスは独特ですよね。車で言っても、シトロエン、プジョー、ルノーetc…
現代車は残念ながらみな同じような顔付きばかりになりましたが、昔のシトロエンのデザインとか、宇宙にでもいくのか??と聞きたくなるようなエキセントリックなものもあったり。。日本人の保守的な考え方とは根本的に相反するセンスを持ち合わせている国です。(2CVはいつか乗りたい車です)
フランス映画も、日本人には到底理解できない内容ばかりです。なんでそこでキスするの??笑 とか。
映画「男と女」も、やはり何度見ても美しい映画ですが、同意をしきるところまではいけませんね。
アムールの国フランスは、いぶし銀な日本とはそもそも血質が違います。
はい、話が長くなりましたが、そのような我々日本人とは感性が全く異なるフランス人が愛するコットンスーツは、日本では今後も一般化することはないでしょう。
なので、
「少数派万歳!えっコットンスーツ、自分のライフスタイルにピッタリ!」
と思われた方、エスプリを感じて楽しみたい方にはぜひお勧めしたいです。
カジュアルなスーツのため、コットンスーツはスリーピースでは仕立てません。BERUNで私の方からツーピースで仕立てることを勧める唯一のスーツがコットンスーツです。
コットンスーツは、気の抜けた印象がある方が自然で格好いいので、カジュアルなネクタイでタイドアップするか、ニットポロなんかを中に合わせてラフに着るのも素敵です。
このような着こなしをする人は本当に日本では少ないので、楽しんだもの勝ちです。
リネンスーツ
お次はリネンスーツ。こちらも日本では着ている人が少ない稀有なスーツです。
カジュアルな素材で本格的なスーツを仕立てるという分野は、今も未来もブルーオーシャンであり続けるので、一人舞台で踊り明かしましょう。
先日、夏向けのスーツを2着お仕立て致しました、S様。
沖縄に仕事で行くため、リゾート感のあるスーツが欲しいとご要望をいただき、リネンスーツをお仕立てすることになりました。
その発想がとても豊かで感動しますね。
「沖縄、、!!! ハイサーイ!! 5月だけど、、Tシャツッ!! 短パンッ!!」
とはならず、そこでリネンスーツを決め込んでいく姿勢。美しいです。
私、もう10年くらい前になりますが、当時沖縄に行った時に同じくリネンスーツで上陸しました。
空港に降り立った途端、360度から来る視線を感じずにはいられませんでした。
そんな中、一人の男性が歩いてきて、2mくらいの距離で一言、
「有名人ですか??」
知らない人だけど、きっと有名な人なんじゃないか、という曖昧な空気感しか存在していませんでした。笑
そんなことがはじめにあり、行くところ行くところで可愛がられ、とても楽しい旅行だったことを覚えています。
せっかくお金を出して洋服を贖うのですから、大多数と同じものを着ていては面白味がありません。
「私はこういう人です」というのを前面に表すことができるのが洋服です。
それでいて、既製服、ブランド物ではなく、自分自身がブランドになるビスポークでしたら、なおさら自分らしさを出して行った方がいいと思います。
サイズも完璧です。リネンはここからシワが入り、柔らかくなっていき、どんどん自分のものになっていきます。
経年変化を楽しむことができるリネンスーツを、ぜひ多くの方に感じていただきたいです。
コットンスーツはフランスですが、リネンスーツを多く愛用している国は、隣国イタリアです。イタリアの気候とリネンスーツはとても相性がいいです。
暑くなるこれから、日本でも間違いなく活躍するリネンスーツ。
ぜひ多くの方に着ていただきたいです。それが日本の街を華やかにするのは間違いありませんから。
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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途