BERUNです。
年を重ねるということは、別の切り口からの言い方だと、何かから卒業することだと思います。
学生時代は明確に卒業と入学がありました。
しかし、大人になると卒業をするということがほとんどなくなります。
20歳過ぎたらあとは自分で道をつくるんだ!ということですね。
大人になってから、自分は何を卒業して、何に入学したんだろう。と考えてみると、自分だけが見る脳内履歴書が綴られていくと思います。
わたしのことでいいますと、TVゲームは子供のときに”やり切った”ので、卒業しました。
ゲームの面白さは子供の頃にたくさん感じましたが、大人になった今、もっと楽しいことが世の中にあると感じましたので、今は1ミリもやりたいと思いません。
そして、入学で言いますと、来月から書道を習うことにいたしました。
字が下手で、書くたびに悔しくなっていたわたしですが、長い人生を考えたとき、今からでも習えばいいじゃないかと思い、習うことを決めました。
もう一つ、最近のことでわたしにとって大きな変化は、砂糖菓子を卒業したこと。
これは小さな頃、鍵っ子だったわたしは家に帰るとたくさんのお菓子がありまして、お菓子でお腹をいっぱいにしていました。
白砂糖はマイルドドラッグと呼ばれているように、大人になってもこの習慣はなくすことはできなかったのですが、今年の夏にあるきっかけで、パタっと断つことができるようになりました。
それ以降、舌の感度が高まり、頭もスッキリしています。
まぁ、なんだかくだらないと思えるかもしれませんが、例えばでいいますとこんな感じです。
そして洋服のことで言いますと、あらゆるファッションのジャンルも卒業してきました。
中学生のときからのB-BOYファッションに始まり、パンク、ストリート、モッズ、ゴシック(この頃はスカート履いてました笑)、モード、アメカジ、アメトラ、フレンチヴィンテージ、イタリアクラシコ、、、
今でも定時制(笑)で通っているジャンルはいくつかありますが、ほとんどは経験をして、自分の中で他に関心があるジャンルを見つけると卒業をし、新たな世界に入学してきました。
このように、一つの世界に固執するのではなく、常に自分が興味を持つもの、自分を高めてくれそうなものに飛び込んでみることで、様々な出会いが起こり、人生が大きく変化していくことがあります。
わたしがこのクラシックスタイルに行き着いたとき、この世界には卒業はないのだと感じました。
まぁ、言ってしまえばどの世界にも卒業なんてないと言えますので、これもわたしのクラシックスタイル礼賛のポジショントークであることは事実です。
(ですが、昔キャップを斜め被りしてスニーカーのベロを出していたようなブランドオーナーのオトナたちが、こぞってテーラードのブランドを立ち上げているあたり、わたしの言っていることもただの戯言ではないと思います)
クラシック学校35年生、◯◯さん。
というように、この学校には終わりがありませんので、ぜひご自身の人生の一部分にしても間違いはないと思います。
自分は今年何を卒業して、何に入学をしたのだろう。
大人になってから、新たな世界に入学することは勇気がいると思いますが、とても楽しく豊かな人生になると思います。
ツイードジャケット
大変ありがたいことに、ツイードに関心を持たれている方が多く、嬉しい限りです。
流行に染められていない、なんの変哲もないツイードは、人生の長いパートナーになってくれます。
モスグリーンのハリスツイードの生地でお仕立てしたジャケット。
もう、何も書くことがないくらい普通で格好いいです。
このくらいシンプルで無口なものの方が、飽きずに長く使うことができます。
下に合わせたトラウザーズは、カーキのキャバルリーツイル。
ツイードジャケットは、中にニットを着込んでもいいように、ゆとりをもって仕立てた方が本来の着方に沿っているため、格好いいです。
ゆとりがありながら、綺麗な砂時計型のシルエットを出すこと。これが理想的なフィッティングです。
カントリージャケット
5,6年前の出会いから、いつもワクワクする洋服を頼んでいただいているH様。
今回は、ヴィンテージのハリスツイードの生地でお仕立てしたツイードのスポーツコート。
虹色に光るツイードジャケット。
ジャケットのコーディネートは、色を拾っていくことが理想ですが、これだけたくさんの色が入っていると、コーディネートも楽しいですね。
背中にはアクションプリーツ。
スポーツコートという名前の通り、元々は運動するときに着用されていたものでした。
今の時代を考えますと、旅行に行くときなんかに着たくなる1着です。
ツイードと旅というワードはとても相性がいいですね。
ふらっとどこかに行きたくなるような、旅をしたくなるのがツイードジャケット。
街から離れれば離れるほど、活きてきます。
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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途