BERUNです。
4日目、湖水地方を後にし、今日の目的地、エディンバラへ向かいます。
朝食後、街を少し散策することに。
全て木製のボートです。世界観を壊さないとする姿勢が素晴らしい。
森の向こうにケスウィックの街並みが見えます。
ケスウィックから少し車を走らせ、丘の上に石が並んでいるキャッスルリッグ・ストーン・サークルという場所に行きます。
しかし我々はそんな石にはあまり関心は示さず、羊さんや牛さんと仲良くなろうと必死にアプローチをします。(願い叶わず)
少し晴れ間が覗いたとき、山の色がとても綺麗に輝き出しました。これは写真では伝えきれません。
このなんと言えばいいのだろう、という絶妙な色。日本の山と違い、緑が濃くなく、柔らかさを感じる色合いです。
高見氏があまりにも世界観に溶け込みすぎていたため、隠し撮りしました。
途中立ち寄った別の湖では、老夫婦とその子供らしき家族4人が楽しそうに泳いで遊んでいました。湖沿いに別荘があるご家族なのでしょう。
こちらの人たちは楽しみ方がアグレッシブです。笑
湖水地方のアンティークの家具や調度品に心を奪われてしまった私は、あろうことか近辺のアンティークショップを探し始めます。
こういうことをするから、予定が狂っていくのです。笑
途中、カーライルという街により、アンティークショップへ向かうことに。
赤茶色でまとめられたカーライルの街並みが綺麗です。
せっかく来たので、カーライル大聖堂へ立ち寄ることに。
朝もかなりゆっくり過ごしたため、すでにエディンバラに到着する予定時刻がだいぶ過ぎているというのに、通り道にあるホーウィックに行きたいとわたしが言い出しましたよ。
ホーウィックとは、ジョンストンズやHawico、ウィリアムロッキー、ラバットなど、英国を代表するニットメーカーや生地メーカーが立ち並ぶ街。
街全体がカシミヤを推しており、
「カシミヤの街ホーウィックへようこそ」
という文言がお出迎え。
さすがカシミヤを誇りに持っている街だけあり、入った瞬間の街の空気が変わります。
歩いている人もオシャレで、そのような街にいることを誇りに思っているように思います。
ホーウィックの街は過去にも来たことがあり、その時はLOVAT(ラバット)の工場内を見学させてもらいました。
ですが、今回はノーアポイントメント。
それぞれの工場の入り口には、工場の生地で作った小物が売っており、それをさらっと見る程度にしましょうかと話していました。
ラバットの中に入ると、少し奥まったところに生地のロールが置いてありました。
おやおやと見てみると、ラストストックということで、残り少ない長さの生地が立てかけられていたのです。
その生地の雰囲気がとてもよく、私はスイッチが入ってしまいました。
だって、2日目、生地屋さん行けなかったじゃない・・!!!
(ここで回収されるのか、、さすが高見氏、、)
どんどんピックアップしていき、これもこれもとテーブルに並べていきます。
ラバットはツイードを得意としている生地メーカーです。
ラバットのツイードは個人的にとても大好きで、お客様にいつもご提案をしています。
生地がどんどん積み上がっていくと、奥からマネージャーらしき方がやってきました。
手にはカットされた生地を持っています。
「これもラストストックなんだけど、よかったら見るかい?」
どうやら、やばい日本人が来たぞ。と裏に話がまわったのでしょう。笑
その生地のラインナップがとっても魅力的で、思わず時間を忘れて見漁ってしまいました。
約40種類くらいある中から、16種類ほど選びました。
気がつけば、とんでもない量を買ってしまいました。
(どのくらい買ったかは生地が日本に着いてからのお楽しみに笑)
これは、、ハダースフィールドで生地が買えなかったのが伏線みたいじゃないか。。笑
気がつけばもう時刻は18:00。これからエディンバラに向かうと20時着の予定。
途中ツイード川沿いを走っていたのですが、雨が強く、撮影を断念しました。(もし寄っていたら更なる遅刻が待ってました)
当初、友人にはエディンバラに着くのは16時くらいと伝えていたので、大誤算です。笑
エディンバラに向かい、友人と会い、食事に行くことに。
彼は日本のボートレースでコックス(指揮をする役割)をしていて、日本一にもなったことがある人。
さらなる高みを目指すために、エディンバラ大学に修士で入学し、ボート部に入っているというとてもアグレッシブな人。
彼の部屋のロッカーにはエディンバラ大学のボート部だけが渡されるスクールジャケットがかかっていました。
これから街に行くなら、これ着ていきましょうよ!となり、中ば強引に彼に着せ、街へ繰り出しました。この選択が正解でした。
久しぶりのエディンバラ。いい意味で変わらないヨーロッパの街並み。
昔私が20代前半だった頃、当時会っていたとある経営者の方が、
「ヨーロッパは今行っても50年後に行っても街並みは変わらない。若いうちは常に変わり続けるアジアに行って、エネルギーをもらう方がいい」
と言っていた方がいました。
これは言いたいことはわかるのですが、すべてが合っているわけではないと感じました。
確かにヨーロッパの街並みはあまり大きな変化はしないでしょう。ですが、変わらない街だからこそ、来るたびに自分の気持ちの変化を受け取ることができます。
同じ建物を見て、20代の時に受け取った気持ちと、30代だときっと変わっているはずです。
私はエディンバラに来たのが今回で3回目くらいですが、来るたびに見え方が違います。
エディンバラは私が一番好きな街。きっとこれからも何度も来ることでしょう。
8月のエディンバラはミリタリータトゥーという大きなイベントを3週間かけて行っており、街全体がお祭り騒ぎの状態です。
ミリタリータトゥーを見ないのであれば、8月にエディンバラに来ることはおすすめしません。笑
エディンバラといえばムール貝。ということで、ムール貝で有名な店に行くことに。
数分待ち、中に入ると、スクールジャケットを着た私の友人が、後ろの席にいた家族連れの女性(ママ)に声をかけられました。
なんと、その方は昔エディンバラ大学のボート部で、コックスをしていたというのです。
たまたま座った席、そしてノリで着てもらったスクールジャケット、そしてわたしの暴走による遅刻(笑)がなければ、この偶然の出会いはありませんでした。
食事中も他のお客さんから、そのジャケット最高に素敵だから、一緒に写真撮ってよ!と声をかけられていて、洋服の持つ力はすごいと改めて実感しました。
私が洋服関係の仕事だと知ると、その女性が、ホーウィックのジョンストンズのCEOと友人だというのです。
そしてさらに驚いたのは、私たちがこれから向かうハリス島に、祖父母が住んでいて、ハリスツイードの洋服屋を営んでいるとのこと。
なんと偶然。
ハリス島は本当に素晴らしい島だから、楽しみにしていて。と言われ、家族全員に別れを告げました。
ハリス島に行く楽しみが湧き上がります。
事前に、
「波が高いと欠航することも多いから、行けるといいね」
ということも言われていたので、これはもう神に祈るしかありません。
食事の後は私が行きたかったパブ、カフェロイヤルへ。
ここは伝説の映画「炎のランナー」で、主人公のエイブラハムとシビルが初めて食事をしたお店。
店に入り、どの席だったろうと探し回ってみるも見つからず。店の方に聞くと、親切に教えてくれました。
なんと、プレートが貼ってあるじゃないですか!
これはなんとも感慨深い。。
私のような人たちが来続けているんですね。
人生初の聖地巡礼でした。笑
2、3日と静かな湖水地方にいたので、賑やかなエディンバラの街を味わいます。
-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途