進化なしの変化はするべからず

BERUNです。

すっかりコートが手放せない気候になりました。
日本は暑い暑いなんて夏は言いますが、冬はしっかり寒くなってくれるのでありがたいです。
これからがまさに本番!楽しい季節です。

色々と洋服が仕上がってきております。

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あえてのツーピーススーツ

BERUNはスリーピーススーツが基本のお店です。
ですが、ごくたまに、ツーピースでいきましょう!と私の方から勧めるようなケースもあります。
それは、その方の雰囲気であったり、生地の風合いを加味して考えます。

いつもお越しいただいているI様。台湾と日本を行き来する生活をされているため、年中夏物でokな台湾では、今でも夏生地が重宝します。

今回お作りしたのは、William Halsteadのライトグレーの強撚糸で仕上げたスーツ。
この軽やかな色合い、そしてI様の雰囲気を考え、スリーピースではなく、ツーピースでお仕立てしました。

ハリがありながら、上品さを感じる色。
なかなかこの色を上下で着こなせる方は少ないですが、ハマるととっても格好いいです。

I様はもう1着スーツをご注文いただいておりました。


こちらはスコットランド土産のLovatのキャバルリーツイルで仕立てたスーツ。
落ち着いたブルーカラーのキャバルリーツイル、、
なんて素敵な生地だ!!!
こちらはトラウザーズか、スプリングコートにもいいかななんて思っておりましたが、I様がスーツで射止められました。
ちょうどスーツ1着分のみでしたので、こういうのはご縁ですよね。

こういうスーツを軽やかに着てくれる人が街に増えると、もっと街が華やぎますね。

I様、いつもありがとうございます!

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フランネルとツイードと

夏にフレスコのスーツをお仕立てし、今回は秋冬物ということで、フランネルのスーツをお仕立ていたしました。
そちらと合わせて、ツイードジャケットとトラウザーズもご注文いただきました。

M様のお人柄、雰囲気、仕事環境を考え、とことんベーシックに、だが上質なものをというご提案をすることに。

フランネルはTaylor & Lodge社のSuper 120の生地を使いお仕立ていたしました。
300gmsという軽いフランネルは、日本の気候にとても合います。
あと、400gms〜となりますと、起毛感がガッツリ出ますので、あまりフォーマルな場面や、堅苦しいシーンでは着るときを選ぶようなオーラになります。
ですが、軽めのフランネルは、
「少し起毛してる生地、秋冬物ダネ」
くらいに思われる程度ですので、とても着やすいです。
あまり洒落っ気付いてると思われたくない。
だけどしっかりとした良い仕立ての洋服がいい。
というお考えの方にぴったりです。

お色はチャコールグレー。これが1着あれば、秋冬のチャコールグレースーツ問題はひとまず、クリアーですね。
あとは自己管理を徹底して、体型維持を楽しむだけ!です。

ベーシック派のM様に初ジャケット&トラウザーズをご提案いたしました。
ツイードはネイビーの無地。
トラウザーズは先ほどのフランネルの下と見紛うくらいのチャコールグレーのトラウザーズ。
ですが、起毛感はこちらの方が少なく、すっきりとした印象になります。

ツイードはカントリーに着てこそ!
なんて私はどこかでやんややんやと言ってはいますが、それもその人によります。
ツイードらしさをあえて消した方が似合う方もいます。
都会的にツイードを着る。
靴は黒靴で。

それも素敵じゃないですか。

そのスタイルが似合う方は羨ましいです。

そしてM様は見事に素敵に着こなしてくださいました。

M様、いつもありがとうございます!

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ダブルのスーツとグレージャケット

今夏初めてお越しいただきましたU様。
今年たくさん使いました、ドーメルのヴィンテージスポーテックスのグレー。
先日ご紹介したオリジナルブルゾンの生地はこちらのものです。
とても気に入っていたのですが、ブルゾンに使う分でほぼ生地はなくなってしまいました。

ダブルブレストのスリーピース。
ブレイシーズでしっかりと吊り上げます。
股上をぐっと深く作り、ベストの丈は短く。
ご試着した途端、U様は、
「足長く見えるねー!」
と大喜び。

お腹周りがしっかりとある方は、なるべくウエスト周りのゆとりはなくし、スッキリと仕上げます。
その分、肩や胸周り、着丈はしっかりと出す。
そうすることで、スーツの形にメリハリが生まれます。
このメリハリが人により異なりますので、最大公約数の既成服はメリハリが作れないのです。
オーダーをするなら、既成服っぽいシルエットで作る意味は全くありません。
せっかくなら自分の身体をより良く見せてくれるスーツの方がいい。
そう考えますと、メリで見せたくないところを隠し、ハリで活かしたいところを活かす!
というメリハリがあるといいのです。(メリハリの使い方絶対に違う)

そうすることで、唯一無二のフィット感が生まれます。

ネクタイはBERUNのパープルのヘリンボーンタイを選びました。

グレーとパープルの組み合わせは最高に美しい。この色気と渋みが同居しているのがたまらなく格好いいです。

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U様はもう1着、ジャケット&トラウザーズをご注文いただきました。

ジャケットの生地は、セミヴィンテージのCarlo Barbera社のもの。一昔前のイタリア生地は格別の上質さがあります。
グレーにブルーのウインドウペーンという上品な柄。
グレーのジャケットは使いづらい?というイメージがありますが、生地の表情と、柄の出方を押さえればとても使いやすく、格好良いジャケットになります。

冬の生地が最高にいいのは、何より起毛感があること。
起毛感があることで、使いづらい色合いのジャケットも難なく合わせやすくなってしまうのです。
なので、ネイビーばかり選んでしまう、そこのあなた。
冬こそ、ネイビーから脱皮するチャンスですよ!笑

グレーのジャケットの下に1番合わせられる色と言えば、ネイビーです。
こちらのトラウザーズは、BERUNでまたかと思われる定番のキャバルリーツイル。

「あのー、BERUNさん、このキャバルリーツイルって生地、BERUNさんのとこでしか聞かないんですが」
と聞きたい方もいるかもしれません。
世の中的には、少々マニアックな生地です。
英国スタイルを重んじているお店はしっかり押さえているとは思いますが、今時のスーツスタイルを打ち出しているお店にはあまりないかもしれません。

硬くてしなやかで光沢感があり、耐久性がある生地、それがキャバルリーツイルです。
こんな良い生地、布教しないわけにはいきません!笑

グレーにブルーのウインドウペーン柄のジャケットに、ネイビーカラーのキャバルリーツイルのトラウザーズ。
とてもシンプルで、間違いのないコーディネートです。


U様にはグレーの長袖ニットポロを着てジャケットを合わせたコーディネートもやってみていただきましたが、とても素敵でした!
手前味噌で誠に申し訳ありませんが、BERUNの長袖ニットポロ、めちゃくちゃいい出来です。笑

今、在庫がかなり少なくなってきてしまっておりますが、12月にまた完成してまいります。

U様、ぜひたくさんご活用下さいませ!

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日本のカントリーで着るツイード

岡山からお越しいただいたU様。
ツイードジャケットと、それに合うオッドベストとトラウザーズをご注文いただきました。
U様の要望は、頼んだものが、すべて何を合わせても合うようなものを選んでいただきたいということ。
シャツやネクタイもそれに含まれます。
後は、もう一つ、地方でわる目立ちせずに、だけど、真っ当なものを着ているという雰囲気の洋服が欲しい。
地方にお住まいの方はこのようなリクエストが結構多いです。

そういった要望は私のホームです。

言ってしまえば、なんとなく洒落っぽく表面的に格好よく作り上げるのは、そんなに難しいことではありません。
化学調味料の味を借りてしまえば、それなりに大衆の舌を掴むことはできます。
ですが、出汁からこだわり、時間をかけて、ゆっくり丁寧に作られるものに人は心から震える体験をします。
最近の音楽業界の話を聞きますと、オリコントップ10に入っている曲のほとんどが、イントロドンでサビから始まるものばかりになっているそう。
そして、間奏のギターソロというのも、もはや過去のものになっているそうです。
ドラムはpcの打ち込みで完璧にできるようになりました。
もはや、時間をかけて腕を磨くということが必要ないのではないか?と思えてしまうような世の中です。

◯リエモン氏も、寿司屋で修行をする必要なんかない。
3ヶ月学校に行けば十分なんていうことを昔話していて物議を醸しましたが、確かに、短期的にある程度の結果を出すということでは当たっていると思います。

ですが、人生は長いです。今すぐ結果を出すことが全てでしょうか。
紆余曲折、寄り道をしてつまづいて、それらの”含み”がその人らしさになるとわたしは思うのです。

なので、今この時代に必要とされていないものを思いっきりやりこめる、楽しめる人は最高に贅沢だと思います。
一日中ギターを弾いている。一日中何かに没頭している。
受動的なものではなく、能動的なものに限りますが。

そのようにやり続けることで、時代が変わっても生き残り続ける人間になるのだと思います。

さて、また脱線してしまいましたが、お作りしたジャケットはスコットランドのLovatのグリーンカラーのヘリンボーン。
オッドベストはBower Roebuck社のカバートクロスをベストにいたしました。

トラウザーズは、ウールにすると上品な雰囲気がするため、肉厚なコットン素材にいたしました。
ジャケットというものを着ているだけで、
「あら?今日はどこに行くのかしら?」
と言われてしまうのが地方ですから、なるべくカジュアルな雰囲気を出した方がいいです。

ブレスの厚めの時計をされるため、左袖はゆとりを持たせております。
当日は着けてこられなかったため、左袖が少し落ちていますが、時計を着けるとピタッと止まります。

わたしは、「時計は有るか無し」か、という2択だけではなく、「ブレスか革ベルト」か、という項目も、「文字盤は大きめか小さめ」か、「時計の厚みはどのくらいか」
というところも踏まえて、シャツのカフス周りは決めていきます。

ベストの生地は裏起毛のカバートクロスという肉厚な生地。本来コートにする生地なのですが、ベストでお作りしても非常に相性が良さそうでしたので、こちらの生地にいたしました。
ぱっと見ブラウンなのですが、よく見るとベージュ、グリーン、イエロー、ボルドーなど、たくさんの色が入っている、とても魅力的な生地です。

トラウザーズはBrisbane mossの500gmsオーバーの秋冬向けの肉厚なコットントラウザーズ。
もう一本、ダークブラウンのコーデュロイもお作りいたしました。
コットンは履き込んでいくうちにシワが入るのと、空気中の水分に触れているだけで、年々目が詰まってくるため、予め長めにお作りしておきます。

靴はダークブラウンのスウェード。
程よくカジュアルな雰囲気のするUチップはわたしの大好きなデザインです。
格好良すぎず、でも的はしっかりと捉えている。良い塩梅のコーディネートに仕上がったと思います。

U様、この度はありがとうございました!

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生きるカントリージェントルマン

いつも北海道からお越しのN様。
昨年からお越しいただき、装いがガラッと変わり、札幌をざわつかせているという噂を耳にします。笑

スタイルの変化を楽しめる方には、わたしは思いっきり濃厚エキスたっぷりのスタイルをご提案します。
いつも言っていることですが、似合う似合わないではなく、その方が着たい、着こなせる!という自信があるかどうかが最も大切なんです。

今回N様には、スコットランド土産のカントリーツイードジャケットをお仕立ていたしました。
このカントリーな柄。もう、都市では着てはいけないレベルのカントリーさです。笑

これだから地方暮らしの方は羨ましい。!

格好いいですねぇ。
クラシックスタイルには、歳を重ねないと似合わない洋服というのがあります。
歳をとるのが楽しみになりますね。
一般的には娑婆ではR20を超えたら、あとは好きにしてねーですが、クラシックスタイルには段階的に、R80までありますから。
80歳まで楽しみがあるなんて!
まさに人生を全うするという言葉にふさわしい生き方になると思います。

N様にはもう1着、スペシャルなコートをお仕立ていたしました。


Fox Brothersの800gms超えのスーパーヘビーなアルスターコート。

グレージュカラーのマフラーがとても合うコートです。


Fox Brothersは元々ミリタリーの生地を得意としている会社ですが、新体制になり、より洗練されたものづくりに方向転換いたしました。
ですが、私としてはやはりこのヘビーな肉感が大好きなのです!
筋肉隆々としたマッチョブチじゃなく、痩せてたときのチンピラみたいな長渕が好きだった!
みたいなやつです。笑(この例えわかりますか?笑)

時代は変わるため、生き残っていくためには変化はつきものですが、そのために切り離していかなければいけないものも数多くあります。
昔のものづくりを知っている人からすると、その中でも、これは切り離して欲しくなかった。というようなものもあったりします。
そういう観点で私は物を見ているので、現行品を見るときは、そのブランドの思想がなるべく残っているものを選ぶようにしています。

なので、長年トランクやアタッシュケースしか作ってこなかったブランドが、突然革のビジネスバッグを作ったりすると、私は非常に残念なのです。
スターバックスがラーメンを発売する位、私からすると「何やってんの?笑」
と、聞きたくなるような話です。
正統進化していくための変化なのか、はたまたただ売り上げを伸ばすためだけに計画されたものづくりなのか。
昔からのものづくりを見ていれば、そういったところがしっかりと見えてきますので、やはり過去から学ぶものは多いと思います。

N様、いつもありがとうございます!

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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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