シガツ

BERUNです。

春物のお渡しが続いております。

オリジナルニットタイ

この度、構想6年、妄想10年、長年悶々と思い描いていたオリジナルのニットタイが現実のものになります。
私が作りたいと思っていたニットタイの形は決まっていたのですが、なかなかその形を叶えてくれる場所がありませんでした。
剣先のニットタイ、形、織り方、全てこのイメージでいきたい。という形が明確にあったのですが、この度、完璧に理想通りに仕上がってまいりまして、歓喜が沸きました(1人です笑)


ニットタイの剣先の形は、手作業で剣の形を作るそうです。
生地を形成してからはほとんどが手作業とのこと。

この剣の長さを表現したかったのです。
剣先ニットタイでも、剣が短いものがあるのですが、それはなんだか中途半端な雰囲気がしまして、やはりこのくらいエッジの効いた剣先の方が格好いいと思います。

まさか、オリジナルで理想通りのニットタイができるなんて。。!
感動です。
色はネイビー、ベージュ、オリーブ、ブラウン、グレーの5色をお作りする予定です。

工場の方が最後に、
「勉強になりました。こんなネクタイ作ったことありません」
と言ってくださいました。笑

完成は6月を予定しております。
6月は色々と完成してくる月です。
ぜひ、楽しみにしていてください。

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ヴィンテージ生地で仕立てるネイビースーツ

いつもお越しいただいておりますN様。
「わたしのスーツがブログに掲載されないんですよね」
と笑いながら直談判してくださいました。笑

たまたまです!笑 
全部載せているわけではなく、たくさんの写真からスルスルっと漏れているものも結構あります。

実はN様、BERUNに足を運んでいただくまでに紆余曲折あったそうです。
私の動画で学び、他の安価なお店でその知識をアウトプットすることで、それに近しいものができるのではないか?というお考えでした。

それ、気持ちはわかります。笑
やりたくなる気持ちもなんとなくわかります。
ですが、そのような行動によって理想的なものが出来上がってくることって洋服問わず、ほとんどないんですよね。

私も色々なところで日々宝探しをしています。
気に入っているお店で買うこともあれば、そこで学んだ知識を糧に自分で探してみることも多いです。
ですが、やはり自分で探したものよりも、高いお金を払ってプロの目で選んでいただいたものの方が、はるかに良いんです。
自分で探しても、80点はあるかもしれないけれど、100点は取れない。
そこがプロとそうでない人との差なのかもしれません。

70,80点取れればいいじゃない。というお方は、それでもいいかもしれません。
ですが、自分の人生を100%生きていきたいと思われた場合は、思い切ってプロにお願いしてみるのが良いと思います。

N様は色々と試行錯誤を繰り返し、結果、BERUNで1着スーツを仕立てられるくらいの勉強代を払われたそうです。笑
高い勉強代にはなりましたが、気づいていただけて何よりです!

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体格の良いN様は、今まで体格に本当に合ったものは着たことがないようでした。
肩や胸周りを重視するあまり、ウエストがブカブカになったもの。
反対に、ピッタリとした洋服を着られていました。

既製服はその方一人一人の適切なゆとりを出せる洋服ではありません。
多くが、オーバーサイズかピッタリジャストのどちらかになります。
テーラードでオーバーサイズというのは、モードブランドのような洋服に限りますので、大概はピッタリジャストの洋服を着ることになります。

そのため、BERUNでまず初めにトラウザーズをご試着されたときには、ほとんどの方が困惑した面持ちで試着してから出てこられます。
そしてブレイシーズで吊り上げると、

「ここまで股上がくるんですね!」

と驚かれます。
そしてはじめのうちは慣れないゆとりでしたが、履いているうちにそのゆとりに見慣れてきます。

40年前の洋服の本には、
「ブレイシイズは男の必需品。これは近い将来スーツに必ず付いてくるものになるだろう」
とポジティブな未来予想をしている本がありましたが、現実はその真逆で、多くの方が「小学生以来です」というお声をいただきます。

そもそも人間の身体の構造からいきますと、腰で締めてズボンを留めるというのは、あまり適していないことがわかります。
もし我々人間が、ひょうたんや、落花生のような形で生まれた生物でしたら、腰で勝手に止まるのですが、我々人間は大小ありますが、大枠は寸胴な形です。
寸胴な形のものに下を履かせる場合、落ちないようにするためには2つの方法しかありません。

一つは、全体的にピタッとしたものを履かせて、下半身全体で止めるようにして落とさなくする。

もう一つは、上を通して吊り上げる。

この二つは全く考え方が異なることがわかるかと思います。
そしてどちらの方がより綺麗なシルエットになるのかは明確です。

洋服というのは、自分の身体を実物以上に良く見せることができるものというのは、いつもお話ししておりますが、その理屈は、隠すことから始まっています。
自分の身体に自信があれば、ピッタリとした洋服を着てもいいのですが、そもそも我々日本人は、洋服が似合う体格ではありません。
ではそのハンディキャップをどう埋めるのかと言えば、いかに上手に隠して、洋服のシルエットに身を任せるかということです。

洋服を信頼すること、自分を高めてくれる洋服との出会いはそこからだと思います。

相変わらず話が脱線しておりますが、N様のお仕立てしたこちらの生地は、70年代後半頃のヴィンテージのウールモヘアの生地。
無名で今はなき生地メーカーのものなのですが、生地の表情がTONIKAKU素晴らしいのです。

現代作られているウールモヘアもクオリティが高いものは色々ありますが、この時代の生地は、より生き物らしいといいますか、立体感を非常に感じます。
特に光が当たった時の陰影の出方は、現代の生地では表現ができないほどです。
こちらの生地も2年ほど前までは結構長さがあったのですが、残りジャケット1着分となってしまいました。
ネイビーブレザーにはうってつけでしょう。

N様、いつもありがとうございます!

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男は黙ってダブルのリネンスーツ

「夏が暑いからって、Tシャツに短パン姿の男がいたんですよ〜。」

「なぁにぃー?やっちまったな!」

「男は黙って」

「リネンのダブル」

「そりゃかっこよすぎますよ〜」

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暑い夏はリネンに限ります。
そして、暑い夏こそリネンのスーツを勧めたいです。

いつもお越しいただいておりますN様。
奥様と、生まれたばかりのお子様とお越しいただきました。

スペンスブライソンの380gmのリネンでお仕立ていたしました。
リネンのスーツはシングルも格好いいですが、ダブルも最高に格好いいです。

もう、その半径2mだけ時空が歪むといいますか、そんなストイックな格好良さです。でも、コテコテクラシックにはしておりません。

お色はトープ。ボタンホールは全て手縫いで仕上げております。

リネンというカジュアルな素材をとことん上質に仕上げた一着です。

目の保養になります。
こんな若者が増えてくれたら、もっといい国になるのになぁと日々妄想しております。
N様、いつもありがとうございます。

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イタリア生地で仕立てるジャケット

スーツ、スーツと続きましたので、お次はジャケットスタイルをご紹介いたします。
いつも大阪からお越しいただいております。H様。
今回は、春秋物のジャケットスタイルをお仕立ていたしました。


選んだ生地は、個人的に非常に好みで、数多くストックしている英H Lesser & Sons.が、伊Carlo Barberaに別注をしている生地。
英国らしいシックな色柄に、カルロバルベラ社のトロッとした上品な質感が非常にマッチしていて、華がありながらも、落ち着いた大人のスタイルに仕上がります。

ジャケットはグレーにブルーカラーのチェック柄のもの。
グレーベースのジャケットというのも上手に合わせられるととても格好いいです。

トラウザーズも同じ生地で、ライトグレーのものを選びました。
トロッとした生地には、トロッとした生地が合います。

H様、ぜひたくさんご活用ください。

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ネイビー&ベージュ

いつもお越しいただいておりますT様。
T様にも、同様の生地の違う色柄のもので、ジャケットをお仕立ていたしました。


トラウザーズは、何度かご紹介しておりますが、Smith Woolens社のウール100%のオフホワイト。
370gmと重さはあるのですが、質感が非常に軽く、下にストンと落ちてきれいなドレープが出ます。

こちらも、トロッと&トロッとの組み合わせです。(なんだそれ笑)

個人的に、冬は肉感のあるフランネルやツイードのようなゴリっとした生地を楽しめます。
または、カシミヤや軽めのフランネルというような、上品な雰囲気のものも楽しむことができます。

夏は、日本には湿度がありますので、あまり柔らかい生地を選んでしまいますと、糸が湿度に負けてヘタって見えてしまう。そのような理由から、私は夏は張りのある生地を選ぶことが多いです。

では、日本で最も魅力的である春と秋はといいますと、ハリのある生地を楽しんでももちろん良いのですが、少し軽くて繊細な生地を最も存分に楽しむことができる季節が今だと思います。

柔らかな生地で仕立てるジャケットに、中はニットポロを合わせる。
そして、下はコットントラウザーズ。
そんな大人の上品な休日スタイルが非常によくマッチする季節です。

春と秋は短いと思うからこそ、3月の終わり頃からは、思い切って春物に切り替えることで、年間通すと4ヶ月くらいは楽しめるんです。
短い短いと言っていますが、意外と長いですヨ。

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最後に、BERUNではこの度アシスタントスタッフを1名募集いたします。

勤務日数は週1~3日。
ご希望の方がいらっしゃいましたら、履歴書と共にメールをいただけたらと思います。

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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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