BERUNです。
今回は書き溜めたブログを色々出していきます。
GWは2泊3日で家族で旅行に行っていました。
ちょうど陶器市をやっていたので、久しぶりの益子に行くことに。
益子からの日光という栃木巡業です。
益子は一時期は毎回足を運んでいましたが、かれこれ5年ぶりくらいになるでしょう。
この5年で物の見え方、足を運ぶ場所、アンテナもだいぶ変わりましたので、それも楽しみにして向かいました。
今回の目的は、店で出すピッチャーとガラスのコップが素敵なものが見つかるといいなと思っていました。
この度、昨年の8月からBERUNの仕事を手伝ってくれていた山木くんが、GWいっぱいで地元に帰ることになり、それに伴い、店内の空間作りもガラッと変えることにいたしました。
今まで裏はバックヤードという役割で、作業をする場にしていましたが、そこを思い切ってお客様がゆっくりできるスペースにしたいと思いました。
というわけで、バックヤードの物たちを出していきます。

さぁ、これが裏から出てきた生地たちですが、この大量の生地たちはどこへ。。?笑
ということですが、それは私の自宅の目の前にあるアパートを借りることができまして、そこに収納することにいたしました。
個人店でありながら、自宅&店舗(まぁまぁ大きい笑)&アパート(田舎だからここもまぁまぁ大きい笑)というとんでもない量を抱えてしまっております。
今もし私が4んでしまったら、家族に多大な迷惑をかけてしまうので、今世は長生きしないといけません。笑
というわけで、バックヤードにあった生地たちが青山からなくなることで、裏のスペースをもっと来ていただいた方に喜んでいただけるスペースにすることができます。
そこで、そこに置くピッチャーとガラスのコップが必要だと思ったわけです。
前置きというか本題というか、色々長くなりましたが、色々な目的を持って今回は旅行に向かいました。

私の愛車であるアルファを譲ってくださった方が日光に住んでいて、アルファをまた見たいと言ってくださっていたので、家族5人を乗せて、アルファで向かいました。(これが容易に想像ができますが大変でした笑)
益子の陶器市は相変わらず人が多かったので、メイン通りではなく、裏路地を主に散策。
裏路地で静岡の作家さんからピッチャーを購入しました。(写真は後日アップします)

陶器市から離れ、益子の名店であるペジテに。
ここでガラスのコップを発見&購入。
Starnetは昔から好きな世界観です。
ここでは生漆(きうるし)の器を購入。素朴ながら、力強さを感じます。

作家ものの器の好きなところは、その方の感性、人間性、全てがその物に投影されているということ。
作家さんの雰囲気、人柄を拝見し、あぁ、この方だからこういう作品が出来上がるんだなぁとしみじみ思うわけです。
これはものづくり全てに通じることですが、やはり物というのは、作った人に魅力を感じて贖うから大切にしようと思うものです。
益子という町は不思議な町だなと思います。
その周りの町はどちらかというと、鼻息荒めでオラついている人が多いエリアが多いのですが(地元の方がいたらごめんなさい笑。実際、昔ミニで益子に行ったとき、帰り道に隣り町の農道で、危険度マックスで煽られたので笑)、この益子は聖域というか、住んでいる人の作っている空気なのか、とても心地がいいのです。
元々持っている土地の気と、住んでいる人の気、どちらもいい気が集まることで、このような場所が生まれるのでしょう。
自分を高めてくれる場所に居を構えるというのは、人生を気高く生きる上で最も大切なことだと私は思います。
今回行ってとても良かった場所は、浜田庄司記念益子参考館。

浜田庄司さんという、陶芸家で人間国宝になられた方の工房を見学することができるのですが、そこの雰囲気がとても良かったです。
氏は世界中を旅し、世界中のものからインスピレーションを受け、それを作品に活かすということをやってこられた方。
全てのものから学び、それを自分の血と肉にするという、人間がやるべきことを真摯にやり続けたお方。




氏がものを所有する基準は、それから学ぶことができるもの、感じることができるものだそうです。
ただ所有欲を満たすわけではなく、そのものに触れることで自分を高めていってくれるものだけを持つ。そのような基準で自分の身の回りのものを選んでいけば、必然的に自分が高まっていくのは目に見えます。
私は氏のことを知ったのは今回は初めてでしたが、この全てから学ぶという姿勢が、人を大きくさせるのだと感じます。

かなり大きな茅葺の屋根。
中には氏が集めた世界中の家具や調度品が置いてあります。
色々な国のものが置いてあるのですが、不思議と何一つ違和感がありません。
「和」というもの、それは和えるという意味もあります。
色々なものを混ぜ合わせて、和える。それが和の文化なのだと思います。
そう考えますと、和をベースに、あらゆるものを知るということは、非常に良い世界観に仕上がります。

我々は日本人ですから、我々がすでに和える民族なのです。
我々が世界中から良いと思うものを選び手にする。それだけで和になります。
何が正解とかではありません。
わたしはこれがいいと思います。というものが正解なのです。
つまり、我々にできることは、良いと思うものを見極める目を養う。それにつきます。

取手も陶器でした。

他人に正解を求めてはいけない。
自分自身の正解の純度を高めていく。
ちょうどこの日、この場所でお茶会が開かれておりましたので、せっかくなので参加してまいりました。
氏が実際に作った陶器を使い、茶を点てられており、大変貴重な機会をいただきました。

翌日は益子を後にし、日光へ。
必ず足を運びたくなる、イタリア大使館別荘から中禅寺湖を眺める。

母屋の窓に佇んでいるのは鞄職人のKEIICHIRO氏。
ふた家族で日光に来ました。



飾りは自然。お金はかかりませんね。

久々の山のレストランへ。
日光も何度も来ていますが、毎回いい刺激をもらえます。
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器を愉しむ

益子ではなく、先日、骨董通りの器屋さんで、素敵な壁掛け式の一輪挿しを見つけました。
BERUNの店内は観葉植物はモサモサしておりますが、色のついた花はありません。
玄関にそっと季節の花を添えておきたいと思い、購入いたしました。
こちらは前に撮った八重桜。今は散ってしまいまして、次の花を探しております。
自宅の周りには今、藤がとてもたくさん綺麗に咲いているので、次は藤かな。
その次は紫陽花かしら。
また新たな楽しみができました。

私が住んでいる場所は、職人、作家が多く住む町です。
その地元の人が作った作品をちょこちょこ買っては店に持ってきて、お出ししております。
綺麗な白磁、お店に持ってきました。
どんどん器が増えていきます。笑
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BERUNオリジナルシューズ
さぁ、ようやく洋服のお話です。笑
今年のはじめに完成したBERUNのオリジナルの靴を、オンラインショップにアップいたしました!


先週のサブチャンネルの動画は、その靴の製作エピソードについてお話ししましたので、ぜひご覧ください。

トラウザーズにリネンのサファリジャケットを合わせたスタイル。
こんな感じで合わせるのもよし。普通にポロシャツでもよし。ジャケットでもよし。
なんにでも合わせられる、とても便利な靴です。
そしてシンプルながら格好いい。
靴棚に1足あると嬉しい、そんな靴です。
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ヴィンテージ生地で仕立てるスプリングコート
いつもお越しいただいております、M様。
いつもダンディで洒落心のあるM様は、独自のスタイルをお持ちです。
生地の好みは私とドンピシャですので、
私「これ私分にとっておいてる生地なんですけど、」
M様「これいいですねぇ〜」
となり、そのままでは作りましょうとなることもしばしば。
まぁ、私が作ってもクローゼットの中にしまわれて、年に数回着るだけですので、それを考えますとたくさん着ていただくお客様にお譲りした方がいいわけです。
つまり、私が作るのは、この生地では誰も作らないだろう〜!というような、少し難あり?癖あり?のようなものを私が仕立てるわけです。
まぁ、その方が着る側としましては面白みがあるので、それも含めて楽しんでおります。

今回お作りしたこちらは、Dormeuilの80年代のヴィンテージトニック。
ですが、ただのトニックではないのです。

全体がホームスパン柄のように、いろいろな色がうっすらと入っています。
トニックでこのようなシリーズをいつやっていたのかは定かではありませんが、かなり珍しい生地です。
トニックは通常モヘアウールですが、こちらはおそらくコットンも入っているのではないかと思います。
モヘアウールよりも少し柔らかさを感じる生地感で、これまたなんともいいタッチなのです。

非常にすてきです。

この日はハットも同じ色のものを被ってこられたので、全身ベージュトーンでコーディネートが出来上がりました。

袖口はターンナップ。

ラグランコートのベルト結びは似合う人、似合わない人が、はっきり分かれます。そもそも生地感で合う合わないもありますので一概には言えませんが。
似合わない方がそれをやってしまうと、ファッションではなく、ガウンを着ているような、なんだかしまりがない印象になってしまいます。
あと、ベルトで縛ることで起こる格好良さというのは、バストの膨らみからウエストの絞りの落差を作ることで生まれます。
そのためには現代のすっきりとしたシルエットでは、バストの余裕もないため、立体感のないのっぺりとしたコートになってしまいます。
その平面的なコートを絞っても、ウエストの絞りを効かせるベルトの結びの着こなしが活かされないのです。
洋服の着こなしのポイントは抑揚、メリハリです。これは洋服ではなくありとあらゆることに言えることですね。
M様、末長くご愛用ください!
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ウールリネン&アイリッシュリネン
いつもお越しいただいております、I様。
ネイビー、グレーとシンプルで上質なワードローブを揃えております。
今回は春夏向けのジャケット&トラウザーズのご依頼。

MOON社のウールリネンの生地を使い、ジャケットをお仕立ていたしました。
トラウザーズはスペンスブライソンのアイリッシュリネン。
ブルーとベージュの組み合わせはとても合いますね。



I様にはトラウザーズをもう一本お作りいたしました。

チャコールグレーのフレスコ。
ベージュのリネンでは程よくカジュアルなスタイルになり、カチッとした雰囲気を出したい時はグレーのウールトラウザーズを合わせる。
トラウザーズの雰囲気が変わるだけで、使えるシチュエーションが変わりますね。
ウールリネンのジャケットは便利です。下をウールにしてもよし。リネンでもよし。
どちらの素材も合わせることができますので、今の季節には非常に重宝すると思います。
I様、ぜひ、たくさんご着用ください!
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休日も仕事もいけるスタイル

いつもお越しいただいております、M様。
体格がまさにスーツを着るために生まれてきたかのようなM様ですが、仕事ではスーツは一切着ないため、休日にジャケットスタイルを楽しまれています。
先日お渡しした長袖ニットポロを着てきていただき、今回お渡ししたのは、ネイビージャケットと、オリーブカラーのトラウザーズ。
ウィップコードという、キャバルリーツイルの仲間のような組織で、丈夫ながらしなやかさがあります。

もう休日はこの組み合わせでいいですよね。というくらい、シンプルで上品さがある、素敵な装いだと思います。

ネイビージャケットはFox Sportという、ホップサックの生地を使用したものを使いました。
ニットポロの上にジャケットを羽織る、このコーディネートで休日も、仕事もカジュアルな場面であればいけるでしょう。
M様、いつもありがとうございます!
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リネン&フレスコ
いつもお越しいただいております、F様。
今回はこれからの季節に活躍するジャケットスタイルをお作りいたしました。

上はリネンシルクのグレンチェック柄のジャケット。
英国から届いたブランド不明の生地ですが、色柄、素材感が非常に珍しく、個人的にかなり気に入っておりました。
水色によく見ると、パープルのペーンが入っている、なんとも小粋な柄。
そしてトラウザーズはベージュのフレスコ。
ベージュのフレスコのトラウザーズはもう最強に便利です。
このように、リネンのジャケットにも合わせることができますし、ウール系のジャケットにも合わせられます。

これからの季節はノータイスタイルになる方も多いと思います。
その場合は、このくらいジャケットに柄があることで、華やかさも出るのでおすすめです。

F様、いつもありがとうございます!
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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途