BERUNです。
5日目に入ります。
トビリシのホテルともお別れ。大使の奥様に勧めていただいたホテルでしたが、とてもモダンで洒落ていて、まさに都市部のホテル!というような空間でした。


レストランもあり、とても美味しかったです。


Artizan Hotel
実は今回の旅、ギリギリまで隣国アルメニアに行きたいねと話していまして、ホテルを検索したり、ルートを考えたりしていました。(ジョージアに着いてもなお考えてました。ギリギリ笑)
ですが、日本が取れる国際免許証では、ジョージアは運転できても、アルメニアには入国できないそうで、もしアルメニアに行くなら鉄道か飛行機になるそうです。
鉄道で行けば田舎を周ることは難しくなる。そしてアルメニアに行っても3日間しか時間がないため、弾丸になってしまい、あまり楽しめないだろうと思い、今回はジョージアだけを周ろうと決めたのです。
当たり前ですが、今回でジョージアを周り切れたはずがありません。
まだ行ってみたかった遠い村なんかもありましたので、それはまたの楽しみにとっておこうと思います。
アルメニアはそのときにでも合わせて行きます。
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5日目 ゴリ⇨ボルジョミ
5日目は朝に出発をして、本日の目的地であるボルジョミという街へ向かいます。

水の名産地であるボルジョミという街ですが、ここは特に目的としている街ではなく、6日目と7日目に向かいたい場所への中間地点になるとのことで、ドライバーの方におすすめされた街です。
ボルジョミへ向かう途中、ゴリという街で途中下車。
特に何かあるわけでもないのですが、かのスターリンが生まれた街とのことで、休憩も兼ねておりました。



街の真ん中にスターリンミュージアムがあります、竹内家は外観だけを拝見しました。
待っている間、子供たちと公園で木の実を拾ったり、のびのび。

それにしてもジョージア、街中で子供を見かける機会が少ない。
ゴリを出発すると、たびたび未舗装の道路が出てきます。
砂埃を巻き上げ、日本では煽り運転マックスと思われるとんでもないドライビングテクニックで平均時速90キロでぐいぐい進んでいきます。
トビリシからボルジョミへの移動時間は2時間なので、一見あっという間に感じるかもしれませんが、未舗装の地を駆け巡っていくため、疲労感が半端ではありません。笑
また、今回はキッズも同行するため、あまり無理のない方が良いということで、1日の移動距離がなるべく短い計画をいたしました。
14時頃、ボルジョミへ到着。
毎回大体この時間からランチが始まるので、晩御飯の時間も必然的に遅くなります。笑
ジョージアタイムですね。

ここでジョージアの伝統料理シュクメルリをいただきました。
うむ、これはおいしい!!!
じっくり煮込まれたスープにガーリックが効いていて、これは非常に日本人好みな味です。
これはこの後のお店でも欠かさず頼みました。
それぞれの店によって味がかなり変わるのも楽しかったです。
ボルジョミは水の美味しい街というバリューのみなので、特に観光資源があるわけではありません。
それにしても、乾燥地帯が続いた道中から、途中どんどんと緑が深くなってきて、段々日本的な風景になってきました。
しかも山あいの街なので、わたしが住んでいる藤野のような街並みです。
ここはジョージアなのか?と錯覚に陥るくらい、今までの街と雰囲気がかなり異なりました。

ボルジョミウォーターをいただく。
ミネラルたっぷりでわたしはとても好み!
調べてみると、今のところ日本で買えないそうで、残念です。


山のてっぺんの宿に泊まり、みな好き勝手にくつろぎました。
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6日目 ヴァルジア遺跡
6日目はヴァルジア遺跡という場所に行きました。

ボルジョミから遺跡までは2時間。
ですが、ここはもっと悪路が続きます。
途中立ち寄るアハルツィヘという街は、帰り道に寄ることに。
昼前にヴァルジア遺跡に到着。


岩の壁を削って居住空間にしていた場所で、何百もの部屋があり、その規模に圧倒されました。
下から見ると、
「あんな上まで登るの?」
と現実逃避したくなりますが、ここはキッズ受けが非常によく、「洞窟探検だ!」とみな足早に進んで行きました。



もう言葉はいりません。
これは来てよかった。
写真では収まりきらない絶景。本当に素晴らしい場所でした。

このヴァルジア遺跡はアルメニア国境に程近い場所にあります。
そのため、この遺跡に行ってから南下してアルメニアに入ろうという計画もあったわけです。
そして都市部ではなく、田舎に行きたい我々の旅で言いますと、アルメニアの首都エレバンまで行かなくとも、こじんまりとした素敵な街に滞在してゆっくり過ごそうという思いでしたので、アルメニアの北側をのんびりというプランBもありました。
まぁそれはまたの機会で。

頂上付近にある土産物屋。媚びてないこの雰囲気、格好いいですね。

ラフに削られている洞穴がほとんどですが、

このようにしっかりと線を作って掘られているものもありました。
とにかく洞穴一つ一つの大きさがすごいです。
この遺跡の中には教会もありました。

ほとんどの教会や修道院、大聖堂はないものから積み上げてあるものにしていきますが、この遺跡の中にある教会はなんと、岩をくり抜いて作り出していました。
あいにく写真を撮れる雰囲気ではなかったので撮影はしていませんでしたが、岩の中だとは思えないものすごい大きな室内で、天井も高く、壁画もびっしりと描かれており、人の信仰心の強さを感じました。

この遺跡には教会関係の方が住んでいるようでしたが、こんな不便な場所で生活をするというのも、それはそれで修行に近い生き方なのだと思います。

昔から使われているであろう、ロープで荷物を運んでいるのでしょうか。長いロープがありました。
周りには何もない、ここに来るためだけのドライブが長かったですが、来てよかったと思える場所でした。
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アハルツィヘ
帰り道、アハルツィヘという街へ向かいます。
ここはラバティ要塞という、まさに要塞という名前が相応しい規模の建築物がある場所。
入り口付近にはレストランもあり、中はとてつもなく広いです。
ここも来てよかったと思える場所でした。

9世紀から何度も再建と改築が行われたため、中の雰囲気は非常に斬新で、さまざまな世界観が入り混じった空間でした。










中にはモスク、教会、城、中で働く人たちの居住空間、作り込まれた庭など、カオティックな雰囲気が漂いながらも、なぜか調和を感じるところでした。
ここからお城の中へ。


調理場だったのでしょうか。木の使い方がとても綺麗です。

手すりのデザインも秀逸。



なぜ人は登るのか。そこに山があるから。笑

お城のてっぺんからの景色は要塞を一望できました。
すごい規模と、これだけ色々と詰め込んでいるのに、ごちゃごちゃしていないというのが素晴らしいです。

センスを磨くのには色々な方法があります。
その道をただシンプルに突き進むこと。
その道のセンスを磨くのか、人間としてのセンスを磨くのかによって、やり方は変わってきます。
前者であれば、その道に関わる物だけを磨いていけばいいのです。
後者であれば、美しいというもの全てにアンテナを張り、あらゆる方面からセンスを磨く。
わたしは今のテーラードの世界に携わり始めたのが21歳でしたが、最初の頃はひたすらテーラードの洋服の分野の勉強をしてきました。その頃に蓄えた知識が今のTHE BOOKとなっています。
そしてある程度勉強をしていると、ただ洋服のことを愚直に突き進めるより、もっと広い視野で美しいものを捉えた方が、最終的により美しい洋服を作ることができるのではないか、と思い始めました。
言われてみると、22歳の頃、私の師匠と話していたとき、百科事典のような本を読んでめちゃくちゃ勉強していたら、勉強しすぎだよ。と言われたことがありました。
まぁ、初めの頃は勉強をしなくては何も知らないので必要な努力だったとは思いますが、私の師が伝えたかったのは、後者の方のセンス磨きの方法だったのでしょう。
今になってわかります。なので、ヨーロッパのようなファッション先進国に行くことだけが勉強ではありません。
全ての物事からセンスを磨くことができるのです。
私の好きなお笑い芸人の方で、ベテランのその人と若手の売れてない芸人たちとで旅行に行ったとき、旅行の最後にベテランの人はおもろい話むちゃくちゃあったと話しますが、売れてない若手は、何もなかったです。というリアクションだったという話を思い出しました。
24時間、あらゆるところから発見があり、それを取りこぼすのか、多くを受け取るのかはその人のアンテナにかかっています。
私は多くをできているとは思えませんが、より多くのことを吸収して、人生に活かしていきたいと思っています。
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アハルツィヘを後にし、ボルジョミへ戻ります。
明日はボルジョミを後にし、北部へ向かいます。
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7日目 グダウリ
この日はボルジョミから北上し、ロシア国境近くの街まで向かいます。
本当はカズベキという街まで行きたかったのですが、ドライバーの方が、この時期のカズベキは天候が安定しなく、しかもかなり寒い。カズベキの25km南にあるグダウリという街は、景観もカズベキと変わらず、涼しいくらいの気候なのでそちらがおすすめ。
と言われました。
そう言われましても、カズベキに行ったことのある人は口を揃えて「カズベキは良かった!!」と言っていたので、なんとしてでも行きたいなぁと思ってました。
しかし滞在も短いことを考えて、今回の旅ではおすすめに従い、グダウリという街で泊まることに。

宿泊をするのはこの日が最後です。
途中お昼休憩を挟み、夕方頃にグダウリに到着。
近くにあるロシアとジョージアの友好のモニュメントに立ち寄ります。


ジョージア北部の自然は、日本ではまず体験することのできない景色でした。



ジョージアの土産屋で子供用の帽子を購入しました。
手編みで作られており、民族的な柄で、とても可愛いかったので、つい全員分買ってしまいました。

これを被っているとすれ違う人からとてもちやほやされます。笑
グダウリに来て、ジョージアの北部の山々の美しい景色に圧倒されました。
選んだホテルは、周りに店や観光地が何もない場所。
「何もない場所だぞ?もっと街中で選んだ方がいいと思うぞ」
と言われましたが、何もない方がいいじゃないか!と私は思っておりますので、そこでいい。と伝えました。




結果、最高のロケーションでした。
旅に来たら必ず見たいもの、それが夕日と朝日です。
都市部ではなかなか見ることができませんでしたが、ここならできる。



毎日当たり前に沈んでは上がってきているもの。
当たり前のものですが、見るだけでとても力をもらいます。
私が泊まった部屋がたまたま角部屋だったため、朝日を見ることもできました。



山が目を覚まし出しています。
時間が分刻みで景色が変わっていきます。

ホテルに飾っていたこちらのものにとても魅力を感じました。
他にも、鳥や色々な模様の作品が飾ってあり、刺繍で作られたこちらの作品がぜひ欲しいと思い、ホテルの人に詳細を尋ねてみたのですが、トビリシで買ったという情報だけで、有力な情報は得られませんでした。
まだまだ眠っている良きものがたくさんありそうです。ジョージア。
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帰りは昼発の飛行機でしたので、最終日は朝早くに出発し、空港に予定通り到着しました。
もっと色々書きたいこともありますが、洋服のことも書くことが溜まりまくっているので、この辺にしたいと思います!
ジョージアでは、歴史、圧倒的な自然、文化遺産に数多く触れることができました。
これから秋冬物が本格的に始まっていきます。
生地も魅力的なものがとても入ってきておりますので、またブログでご紹介できればと思っております。
いつもご覧いただき、ありがとうございます!
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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途