まだリネンです

BERUNです。

さぁ、お盆も開けて、秋冬シーズン本番です!

早速ですが、9月に欧州に行く予定を立てておりましたが、変更になりまして、年明けに行くことにいたしました。

なので、9月はずっと日本におりますので、ぜひお待ちいたしております。

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7月から、新たなアシスタントの方が入ってくれました。

H君は将来この仕事で独立意識のある人。

今や石を投げればスーツを作れる店に当たる位、多くの店が乱立していますが、個人商店として、自分の身の回りの人の装いを変えていき、それで家族を養う位の生活は、”適切な努力をすれば”送ることはできます。

私はこの仕事に興味のある方全員に言いたいのですが、こんな縮小していくのが目に見えているテーラーという仕事を選ぶのでしたら、やらされているという意識ではなく、寝ても覚めても洋服のことばかり考えてしまい、人の装いも気になって仕方がない。というマインドを持っているレベルの人しか続けていくことはできないと思っています。

あまりにも好きすぎて、自分の人生の最後には、木製の棺桶の周りに何か素敵な生地を貼ってもらいたいなぁなんて、そんなくだらないことを考えている。

魂がなくなり、皮袋だけになった自分の周りには、ツイードだとチクチクして痛いだろうから、最期くらいはカシミヤとか、ミンクとかにしてほしいなぁとか、そんなことを妄想して楽しんでいる。

そのくらいの癖(へき)と覚悟と想いがなくては、洋服屋として人生を最後まで全うすることはできないと思います。

まぁ、これはどの仕事でもそうだと思いますが。

若い方であればなおさら、海の向こうのお米国さんに自分の稼いだ給料を毎月数万送り込むよりも、自分自身にかけた方が何百倍も何千倍も面白い人生になると思います。

お金というのは第一目的ではありません。それ自身にとらわれすぎてしまうと、向こうから掴まれてしまいます。

がむしゃらに生き抜いた先に、副産物としてそのようなものがやってくるのだと思います。

まぁ何を言いたいのかと言いますと、2人体制になりましたというご報告です。笑

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リネンコーディネート

脳内は秋冬ですが、まだまだ世の中は夏真っ盛りです。

お渡ししたのは結構前ですが、全身リネンを楽しまれた方をご紹介いたします。

ブラウン&ベージュリネン

外での仕事をしているM様。

今の時期はこんがり焼けた肌になっています。

上にジャケットを着ずにシャツ単体で着るという場合ですと、シャツの色味でも遊ぶことができます。

M様には濃いめのブラウンのリネンシャツに、ベージュのリネントラウザーズの組み合わせでお作りいたしました。

ブラウンからのベージュというグラデーションコーデはとても綺麗です。

夏はついブルーや白といった夏らしい色を着たくなりますが、夏に着る暖色というのもいいものです。

それに、リネンという夏に特化した素材で暖色というのも、また通好みなチョイスです。

M様、暑い中での作業、体調管理にはお気をつけください!

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リネンジャケット&リネントラウザーズ

昨年にツイードジャケットをお作りさせていただきましたA様。

今回はリネンのジャケットスタイルのご提案です。

流石にリネンとは言え、32度を超えてきた気候でジャケットを着るというのは勇者の選択です。

そこまでは私も強くはお勧め致しませんが、ここ最近でも38度とかいう時もあれば、お盆の頃は31度くらいまで下がった日もありました。

体内感覚が38度で慣れてしまっていると、31度になると涼しく感じるものです。

そういう時に、「今日だ!」と羽織れるので、やはり夏にも着られるジャケットというのはあると嬉しいものです。(会話のトーンが一般常識ではないことは重々理解しております笑)

32度を超えてきたら、素直に上着は脱ぎ、リネンシャツでのスタイルを楽しみましょう。

A様にお作りしたのは、ブルーのリネンシャツにベージュのトラウザーズ。

ブルーとベージュは最高の組み合わせです。

何度か書いていますが、海と砂浜の色ですから、合うに決まっているのです。

自然はそういう色合わせをしっかりと考えてくれています。

だって、ボルドーの海にピンクの砂浜とか、RPGだけの世界にして欲しいですよね。

現実にあるもので隣り合わせになっているものはほとんど合うものです。

肩と胸がかなり張っていて、なかなか既製服で合うものがないというA様。

既製服で合うものがないといいましたが、当店にお越しいただく前に、他のお店でオーダーをしてみたそうなのですが、しっくりこなかったそうです。

テーラリングというのは、つい、手縫いがいい。フルオーダーがいい。芯地は馬毛で作られているもので、肩パッドのフェルトは〇〇のものがいい。などのように、一、二段飛ばしでモノづくりの本質とは、について語られがちですが、それよりもっと前に、とても大切なことがあります。

それは、長く着られ、型崩れしにくく、復元力がある良い生地であるかどうか。

そして、人それぞれにしっかりと適したフィッティングができているかどうか。

そして、縫製が丁寧かどうか。です。

前に語られていたことは、これらのことができているのが前提で初めて話し合えることです。

ネットで見た情報に流されず、一つ一つ順番に理解をしていかなくては、本当に良いものに気づくことはできません。

いい意味でわがままボディのA様。いい意味というのは、仕立て屋冥利に尽きるということです。既製服が合わない身体に生まれたことを誇りに思い、

「よし、誰よりもオーダーを楽しめるぞ!」

と脳内変換をすれば、もうショッピングにうつつを抜かす必要がなくなります。

それよりも、もっと他に時間を割くことはありますから、そして美を磨いていく。そして、それを共感してもらえるプロフェッショナルと付き合う。

その方が、2025AWのナニナニ・ド・ナニナニの新作のコートが無茶苦茶かっけええぇぇという会話よりも、物事を楽しめていると思います。

洋服を楽しみたいのか、それとも人生全般を楽しむ中に、洋服があるのか。

この違いはとても大きいです。

肩と胸が張っているため、トラウザーズは決して細くしてはいけません。

もしトラウザーズを細くしてしまうと、上半身だけ大きく見えてしまいます。

全身リネンのコーデイネートです。

背中もとても綺麗です。

A様、いつもありがとうございます!

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ブルー&カーキ

昨年からお越しいただいておりますW様には、ブルーのリネンシャツと、カーキのトラウザーズをお作りいたしました。

W様はまだお若いのですが、人生を楽しむ方法を知っておられる方です。

BERUNにはいつもバイクで来られ(片道4時間)、最近は狩猟免許を取ったそうで、そしてテーラードも楽しまれているという。自然と人間の美のバランスを上手に取られています。

シャツの襟とカフスはしっかりと硬めの芯でお作りしております。

なんでも柔らかさを求められる時代ですが、それは作る側の技術が進歩したからであり、では着る側にとってはどちらの方が良いのかと考えますと、私はしっかりとした生地で硬く作られているものがいいと思います。

その方が長く着ることができますし、経年変化を楽しむことができるからです。

ですが、長く着る必要がない、経年変化なんて1ミリも興味がない、今よければいい、という方でしたら、どうぞ今の技術を駆使した柔らかなものをと思います

トラウザーズはリネン100%ではなく、テリレンというポリエステルが使われている素材。

化学繊維に恨みがあると思われているわたくしですが、そんなことはありませんよ笑

8月はすでに3回キャンプに行きましたが(こんがり焼けました)、アウトドアの時は化学繊維はとても重宝します。

このように、シチュエーションを選んで洋服も素材も選ぶことで、身体に負担をかけない洋服を着ることができます。

テリレンが入っていることで、リネンなのに、シワになりづらい、そして耐久性が上がる。

リネン100%よりも比較的気軽に使うことができます。

W様、ガシガシ着てください!

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キッドモヘアジャケットスタイル

いつも忙しい中お越しいただいておりますA様。

今回お作りしたのは、キッドモヘア混のブルーカラーのジャケットと、それに合わせるシャツとトラウザーズ。

リネンシャツはお休みの日にカジュアルで着ることも想定して、こちらのブラウンと、エメラルドグリーンカラーをお作りいたしました。

トラウザーズはウールのオフホワイト。

ジャケットは今はなき、テイラー&ロッジ製のキッドモヘア60%、ウール40%の生地。

良い生地ですねぇ。(しみじみ)

キッドモヘア60%ウール40%の生地は夏の定番生地のため、今も他のメーカーでお作りしておりますが、Taylor & Lodge社の生地はパリパリ感がとてもあり、まさにキッドモヘア!と感じる触り心地です。

モヘアが入ることで生地が硬くなり、その影響で着心地も硬くなります。

それもモヘアらしさと受け止め、夏の生地らしいと感じていただけたら嬉しいです。

ネイビーのモヘア混のジャケットであれば、グレーのウールトラウザーズを合わせればビジネスで使えます。

少しカジュアルな雰囲気を出したければ、ベージュのコットントラウザーズを合わせると良いでしょう。

A様、いつもありがとうございます!

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ヴィンテージのホーランド&シェリー

いつもお越しいただいております、T様。

今回、夏でも着られるスーツをということで、特別な生地をお出しいたしました。

80’sのホーランド&シェリーの3PLYモヘアとウールの生地。

色はブルーグレー。

こちらの生地は最初から1着分しかなかったため、シンデレラ待ち生地でした。

もう何も文句が出ない、そんな至高の生地です。

色味も明るめで春夏にうってつけの色合いです。

ヴィンテージの生地と一言で言っても、玉石混合、山のようにあります。

その中で、今の時代でも格好良い仕上がりになり、現代では作り出すことのできない風合い。その2つの条件を入れると、確実にごく少数になります。

ヴィンテージらしい雰囲気を存分に楽しみたい場合は、そのようなものはたくさんありますが、私の好みはやはり今の時代でも魅力を感じるものです。

生地に余裕がありましたので、4ピーススタイルでお作りいたしました。

素晴らしいスーツです。
まさに勝負スーツという言葉にふさわしい、良いスーツです。

T様、いつもありがとうございます!

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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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