秋冬シーズン到来です

BERUNです。

秋は季節の変わり目。
一足早く秋冬の装いを愉しむ人もいれば、夏の装いが終わらない方もいます。
右ならえ右の民族である日本人が、人それぞれの価値観で過ごしているこの季節は心地良いです。

サマーウールスーツ


暑い国へ仕事で行かれるというK様。
日本ではこれからの季節に着る生地ではありませんが、春夏秋に活躍するサマーウール地でスーツをお仕立ていたしました。


約270gという軽く、ドライなタッチで、ウール100%というとても使い勝手のいい生地です。

ジャケットとしてもよし、スーツにしてもよし。
夏の生地ですが、表情があり、様々な着こなしに対応できます。

はじめは英国から20m取り寄せたのですが、あまりにも使い勝手のいい生地のため、すぐになくなってしまい、慌てて残りの分を買い付けたものです。
来年の春に向けて、とてもおすすめの生地です。

お色味も暗いネイビーではなく、かと言って明る過ぎず、どんな方にでもハマるネイビーブルーカラー。

急ぎでのご依頼でしたので、フラワーホールは開けずにお渡ししました。(職人仕事ですので、お時間がかかりますm(_ _)m)
戻ってこられましたら、またお預かりして、フラワーホールを手縫いで仕上げます。

一緒にお渡ししたブルーのペイズリータイがとても合っています。

K様、いつもありがとうございます!

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グレーダブルブレスト

さて、ここからはガッツリ秋冬タイムです。
今年のBERUNの推し生地、DormeuilのVintage Sportex。
あまりにもいい雰囲気で、秋冬のスーチングに強くおすすめしております。
スーツとツイードの間のような生地感。

これを聞いただけで胸が熱くなった方、いませんか?笑
そういう方向けの生地です。笑

フランネルではなく、ツイードでもない。だけど秋冬の雰囲気を存分に愉しむことができる生地。

ドーメルのスポーテックスと言えば、ヴィンテージ生地で名作と呼ばれるもの。
わたしも80年代の生地をいくつか確保しておりますが、現代では作り出すことができない重厚感とオーラを感じます。
そのスポーテックスがモダナイズされて、洗練された雰囲気に仕上がったのがこちらです。

杢がかった生地感。
柄ではなく、織柄でもなく、生地の表情で魅力を出しているストイックな生地です。

重さは380gmsという、秋冬にうってつけの厚み。

もう言うことなしの生地です。

今回S様にはダブルブレステッドでお仕立ていたしました。
わたしの中で、ダブルが似合う人とそうでない人の明確な分け方で言いますと、極論その方が着たい(着れる)と思っているかどうかです。

ダブルスーツに少しでも怖さを感じているなら、今回はシングルでいいんじゃないですか?と答えます。

わたしが、この方はいけるだろうと思い、コチョっとダブルの打診をしてみて、その方が前向きでしたら、ではダブルでいきましょう!となります。

よくダブルは体格であったり、年齢などという問診票のようなテンプレートで合う合わないというものがありますが、わたしはそんなことよりも、その方が心から着たいと思っているかどうかだと思っております。

これは似合う色も同じことです。
誰がなんと言おうと、私はこの色が好きなんだ!という思いは、似合う似合わないなんていう項目を一掃します。

そういうことで、わたしはいける方にはダブルを勧めている訳です。

S様、この度はありがとうございました!
S様もお急ぎでしたので、ボタンホールは海外出張の帰国後に行います。

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ツイード&キャバルリーツイル


Lovat社のグレンチェック柄のツイードジャケットに、500gmsの肉厚なキャバルリーツイルのトラウザーズ。

ツイードジャケットは前提20年着る想定でお作りしておりますので、サイズ感は攻め過ぎません。
中にニットを合わせても着られるゆとり。
そしてもし太ってしまっても着られるゆとり。
究極の理想は、次の代に渡していく。そのために自分より体格のいい人にも渡せるように。
それがツイードジャケットの理想的なサイズです。

でも、そんなにゆとりを取るなら、わざわざオーダーしなくてもいいんじゃない?ジャストフィットで着るのがオーダーの醍醐味じゃないのぉ??

と思っているお方。

チッチッ

です。(こんなブログだったっけ?笑)

まず、自分の身体のアウトラインに沿っているということがとても大切です。
それが沿っていること。そこからは、洋服によって、どれだけゆとりを持たせるかということです。

スーツであれば、中にはシャツだけですので、それに適したゆとりをもたせます。
ジャケットであれば、中にはシャツか、ニットか、そのニットはハイゲージなのか、ミドルゲージなのか。

何年着る前提なのか。
今後ライフスタイルが変わることで何キロくらい増えるだろうか。

そのようなことを想像してみて、どのくらいのサイズ感にするのかを考えていきます。

F様はこの日着て来られたものが薄手のインナーであったため、ツイードジャケットのゆとりはより多めに感じられます。
ですが、自分の身体のアウトラインに沿っているため、このゆとりが嫌に感じません。
これによって、インナー次第で様々な表情を楽しむことができるのです。

トラウザーズは10年保証付(笑)のキャバルリーツイル。
洋服屋泣かせの優れた生地です。

わたしは個人商店ですので、世の中の経済を大きく回す必要はなく、お店に来ていただいた方のワードローブがほくほくしていくのを見届けるのが仕事なのです。

なので、長く使えれば使えるほど、お客さんは喜んでいただけるので、それに沿ってわたしも喜ぶ。
そんな構図なわけです。
そんなこんなで気がつけば15年やっている。そんなお店です。

ライトブラウンのグレンチェックにブラウングレーのキャバルリーツイル。
ツイードは一着で終われない沼ファブリックですので(フジファブリックみたいになってしまった)、
これを柱に次はこんな柄がいいな。次はこんな厚みのものがいいな。と考えて冬を愉しむ。
そんな季節の過ごし方を推奨しております。

F様、いつもありがとうございます!

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イタリア&英国

ツイードジャケットとキャバルリーツイル。

えっ、さっきおんなじこと言った??

これが、、飽きないんですよねぇ。

お客様「冬用のスラックス欲しいんですよねぇ」

ベルン「でしたら、キャバルリーツイルかモールスキンかフランネルですね!◯◯さんでしたら、こうこうこういうライフスタイルなので、まずはキャバルリーツイルがいいと思います。
そしてジャケットのお色が◯色なので、、、以下略」

こんな感じで(勝手に笑)会話が進んでいきます。

その人それぞれの最適解を熟考してご提案するので、仮にツイードジャケットとキャバルリーツイルという大枠は同じだったとしても、わたしの中では全く違うものなのです。

ジャケットはFOX TWEEDです。

このトラウザーズのゆとりが理想だと思っております。

O様にはジャケパンスタイルの上に、コートもお作りいたしました。

生地はLoropianaのペコラネラというシリーズのもの。
糸を染めていない、いわゆる無染色の糸だけを使った生地。
約500gmsという、肉厚すぎない、柔らかなコート生地。
ガッチリ肉厚なコート地というのも考えてみたのですが、O様の体格、仕事のスタイル、オンオフ着られるなど。
あらゆることを踏まえて、こちらの生地にしました。

ダブルのアルスターですが、生地の雰囲気を考えて、デザインは少しカジュアルな印象にしてあります。
こうすることで、オンオフどちらでも使いやすい仕立てになります。

生地の柔らかさを活かして、自由に自分らしく着てほしいです。

O様、いつもありがとうございます!

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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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