BERUNオリジナルブルゾン完成

BERUNです。

長らく時間がかかりましたが、BERUN初のオリジナルブルゾンが仕上がってまいりました!
当初はグレーとネイビーチェックの2色の作成予定でしたが、数が足りないと分かり、急遽ネイビーを追加で作成いたしました。

サンプルのグレーを見ただけで、あとの2色は本仕上がりまで見ることがなかったのでドキドキでしたが、仕上がりを見て大満足でした。

もう、、これは、、格好いいです。笑

過去にも書いたことがありますが、改めてご説明しますね。(お付き合いください笑)

生地はDormeuil社のVintage Sportexという生地を使用いたしました。
今回のブルゾン、パターンは2年ほど前に完成していたのですが、これに乗せる生地がピンと来るものが見つからず、長らく止まっておりました。
そして昨年の夏、ドーメルの生地を見ていたとき、

「コレはぁ!!」

とビビッと来たのです。
Sportexスポーテックスといえば、ドーメルの歴史に残る名作。
ヴィンテージのスポーテックスはそれはそれはゴリゴリでたいそう素晴らしい生地ですが、それはもう過去の作品で、現行の物は作りが全く異なります。

そう、このVintage Sportexという生地、名前がややこしく、ヴィンテージではなく、現行で作っている、ヴィンテージの風合いを感じさせる生地なのです。

ややこしいですよね。笑

ヴィンテージのスポーテックスと、Vintage Sportexは違う生地なのです。笑

リアルヴィンテージにしかない風格がありますが、今回のブルゾンにピタッとハマったのは、現行の方でした。

ブルゾンの案がありましたので、迷わず大人買い。笑

この大人買いにより、本社であるドーメルフランセから特別なオファーがありました。

それは、フランスの靴ブランドから頼まれて別注で作った生地があり、それが少しだけ残っていると。
「それだけ大人買いする奴だから、きっと興味あるに違いない」
と思われたのでしょう。笑

(なんかいきなりヤバい量が日本からオーダー入ったんだが、なんだこれ。と思われたのは間違いありません笑)

そしてその生地は本当に素晴らしく、まさにエスプリ!!と唸りたくなる表情でした。

その生地も使い、グレーとネイビーの3色展開でいくことにしました。

裏地は英国から直接取り寄せたヴィスコース&アセテート。
サンプルではヴィスコース100%の裏地を使ったのですが、ヴィスコース100%は光沢感や滑りは素晴らしいのですが、耐久性が劣ります。
そこで、英国にヴィスコース&アセテートの素晴らしい裏地があると聞きつけ、英国から直接買い付けました。
(これによりシンプルなネイビーとグレーの裏地が一時品切れになり、サヴィルロウのテーラーを怒らせたことは間違いありません)

ボタンは本水牛。

内側は仕立て屋が作ったことを表現するため、剣先台場にいたしました。
カジュアルなブルゾンで、これだけ贅沢な表生地に、裏地、そしてディテールも抜かりなく作りました。

もちろんコストはかかりましたが、中途半端に妥協しても面白くありません。

英国からの裏地もなかなか届かず、工房からも
、「今はどこもキュプラですし、キュプラでいいんじゃないですか?」
と何度か言われましたが、そこは妥協したくないポイントでしたので、完成を遅らせて、間違いのない資材が揃うのを待ちました。

とことん突き詰めました。

リブは最終サンプルから、ほんの少し修正を加えました。
リブはミリタリー好きは納得する2段リブ。
この段の高さを変えたのです。

最終サンプルのリブが上。

最終上がりのリブがこちら。

上の段のリブを1cm細くしました。
段が厚いと男くさい印象になるのに対し、上のリブを細くするとほんの少しすっきりと上品な印象になるのを感じていただけると思います。

そのほか、最終サンプルから細かな修正を加え、本製作が上がってまいりました。

グレーとブルーの生地は380gmsという厚みに対し、別注のチェックの生地は450gms。そして別注のものは撥水加工もされています。
さすが靴に使われることを前提とした生地。厚みも相まって、ハリがあります。

完成した当日にお越しいただいたO様があまりにも格好良く着こなしてくださったので、モデルになっていただきました。

こちらがグレー。

こちらがブルー。

そしてこちらがネイビーチェック。

ここのポケットの横から手を入れられるのがかなり便利です。

価格は、グレー&ブルーは¥187,000。
ネイビーチェックは¥209,000です。

大人の上質なカジュアルブルゾン。決して気取った雰囲気にはならず、だけど気を抜きすぎない。絶妙なバランスの1着です。

時代に左右されない、普遍的なスタイル。

3サイズ展開で、各色・サイズで分けますと、5〜8着ほどの数です。
底は少ないですが、かなりの自信作ですので、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。

ものがわかる方にわかっていただける、そんな通好みな1着です。

最近ブログのネタが多すぎて書ききれませんが、少しずつ書いていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

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-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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