BERUNです。
「つい最近まで麻、麻なんて言っていたのに、
お客様が言っていた言葉です。
確かに、その通りですね。
麻は5~9月までのもの。
4月、10月は間物を愉しみ、11~3月まではツイードやフラン
季節を愉しめる素晴らしい国です。
衣替えをしっかりとして、クリーニングに出すものは出しておきましょう。
春に出したときに真っ黄色になっていたということは避けたいものです。わたしは毎シーズン何枚かやってしまいます…。
あと、昨年は秋でしたが、季節外れの長雨もお気をつけください。
久しぶりに取り出した靴のコバが白くなっている。。
海と山に囲まれた日本。ふと油断をした隙に彼らはすぐにやってきます。
大切な靴はなるべく、
晴れの日にじめじめとした靴棚から取り出し、日光浴をさせることもたまにやるといいでしょう。
<Boysとの1枚、全員20代です>
先週金曜日、
午前中から設営を手伝い、
大量生産・大量消費のこの時代に、アトリエを構え、
BERUNはBERUNらしく、日々純度を高めていきます。
大変ありがたいことに、今年に入ってから一見でいらっしゃるお客様が増えました。
ご紹介で繋がるご縁とはまた一味も二味も違う、初めはお互い”少しだけ”緊張感のある小一時間があります。ですが、こんな小国にわざわざお越しくださる方です。呼吸の深さはばっちり合います。
なぜ、わざわざこのような名もない仕立て屋にお越しいただくのでしょうか。日本には他にも数えられない程たくさんの、大きく、有名なお店があります。BERUNのようなお店とそういった所では、どういう違いがありますか?と。以前、「野暮な質問かとは思いますが、」という前置きの元、お客様が聞いてきてくださいました。
わたしの考えですが、大型店では、「買い物をしている!」という気持ちよさを存分に味わえます。
個人店には、大型・有名店にはない落ち着きと、確実に自分に合ったものを適正な価格で届けてくれるという安心感が得られる。大きく分けると、このどちらだと思っています。
高級ブティックや大型百貨店に行くと、とても気持ちよく接客をしてくれ、少し高額なものもついつい気持ちが高ぶってしまい購入してしまった!ということもあるでしょう。わたしも多々あります。こういった体験は素晴らしく勉強になることもあります。
わたしが21歳のときに、某有名百貨店で初めてオーダースーツを仕立てた際の出来事です。購入してから半年後、同じフロアに行ったとき、スーツのフィッティングをしてくださった店員がいました。とてもショックだったのは、その方はその時のことをすっかり忘れてしまっていて、初めて来るお客様として接客されてしまったのです。21歳のわたしが大枚はたいて購入したオーダースーツの、”その後の経過を見届けてくれる人”はいなくなってしまったのです。
その出来事もきっかけの一つではありますが、その後BERUNを立ち上げる際に決めたことは、お客様のクローゼットになろう。ということでした。その方が今まで何をいつ作ってくださったのか、その人のこれからの人生には次、何が必要なのか、ということを共に考えることができます。そしてその方のワードローブを、”生きたクローゼット”の中にしまう、という想いがあります。
後は、店員とお客様としてではなく、人として付き合いたい、という気持ちがある人は、個人店が合うと思います。
王様のように、気持ちのいい接客を受けたいという方は、高級店の方がいいかもしれません。
個人店では、抜群のクオリティのものをその人の顔やスタイル、年齢や立場をすべて考えて、流行や在庫に惑わされずに作ることができます。
個人で人と向き合う仕事をしていますと、やはりその仕事が好きで好きでたまらない人にお願いをしたくなります。
その仕事の話をし出すと、鼻息が荒くなる、もしくは自然と目がキラキラし出す。そのくらいそのものに情熱を傾けられる人にお願いしたいとわたしは思います。
そして、これは究極の理想ですが、作り手側がベストなものを提供できるタイミングに合わせてお願いをすることができれば、本当にいいものができます。
一番熱量が高く、呼吸の整っている状態でその人にお願いできれば、技術だけではなく想いも乗せて作ってくれます。
そうです!個人店にお願いをする一番の理由は、作り手の想いを物に最大限込めることができる、ではないでしょうか。
わたしの周りには、世界基準のクオリティを持った作品を作る個人店があります。
オートクチュールドレスのメゾンコペル。フルハンドメイドの鞄職人Keiichiro Fukushima。彼らは余計なものにお金をかけません。彼らは世界中いろんなところを飛び回り、美しいものを見ることに強い信念をもっています。
少しずつ、個人店がまた見直されてきています。本当に良いものを自分に提供してくれる場所はどこだろうか。それを考えるだけでも、わくわくしますね。
最後に。わたしはハイブランドや大型店を決して軽視はしていません。どのブランドも、はじめは小さなアトリエから始まっています。それらが長い年月をかけ、圧倒的な地位を確立するために、どれだけの困難や挫折があっただろうか。それを思うと、尊敬の念しかありません。
Atelier BERUN
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