BERUNです。
8日からお休みをいただいておりまして、初日は京都に来ました。
猛暑のなか自転車を借りて、遠くまで足を伸ばして京都を一周。
Casa Brutusを見て、以前から行きたいと思っていた「farmoon」へ。
farmoon
美しく創作された内装で、とても素晴らしい空気が漂っていました。わたしが行ったときは空いていて、わたし一人だったので思う存分空間を味わう。
照明は自然光と小さな明かりのみ。今の時代はどこも明るすぎるとつくづく感じます。余計な照明は必要ない。最低限、人が集えるくらいあれば十分です。全体と灯すのではなく、必要なところを照らす。メリハリをつけることで、落ち着きと美を作ります。
京都に来たときには必ず立ち寄りたい店です。写真では伝わらない、澄んだ空気感がとても落ち着きます。
詩仙堂にて
堂内の中にある、2枚の写真に目がとまりました。
若き日のチャールズ皇太子とダイアナ妃。ダイアナ妃の派手な装いに反して、氏の季節を感じる端整な装いに目を奪われます。
明るいベージュのダブルブレステッドスーツ。ドレープ具合でいうと麻ではなく、ウールでしょう。季節は春か夏だと思いますが、季節を感じられて、素晴らしくエレガントな装いです。
京都の美
シンメトリーの美しさに魅了されます。
京都はスーツを着て仕事をする文化があまりないそうで、店も堅苦しいお店よりは、少し気の抜けたラウンジーな店が多いです。ある一体では、個人店が軒を連ねていて、それぞれの店がセルフリノベで個性を出しているのが印象的です。
わたしの昔のお客様で、東京でカフェをやられていた方がいたのですが、数年前に京都に移転し、今京都で有名店になっている方がいます。はじめは東京の人が店を出すということで、どこにあたっても無視されたそうです。そのため京都に先に引っ越し、2年ほど地元の人と関わり続けているうちに、店舗の情報などが入ってくるようになったと話してくれました。京都という排他的な街だからこそ起こりうることですね。
京都という街にいることで、自分が街を盛り上げようという集合意識を生むのでしょう。東京のように、個々で生きている環境とは少し違うように感じました。
京都の店や寺社仏閣を色々と回っていて感じたことですが、京の美は静に宿るということ。空気がピンと張りつめたような、心地よい緊張感のなかに、透明な美しさが感じられる。
対して東京は、動の美でしょう。絶えず動き続け、進化し続けることが東京の役割です。
東京にいることで、流れの早いプールに慣れてしまい、脇をゆっくりと流れる小川のようなスピード感を忘れてしまいそうになります。自分なりのバランス感を大切にしたいです。
動物は無駄なものがないですね。彼らは生きるために必要なものしか持っていません。極限まで削ぎ落としたことによってそのものの姿があり、そこにそれぞれの美があります。人は色々と持ちすぎなのかもしれません。
極論、「ネイビー(もしくはグレー)のスリーピーススーツが一着あれば十分」と、この口から”心の底から”出てくるまで、わたしはまだまだたくさんのものを持ち、経験をして、学んでいきたいと思っています。
大山崎山荘美術館
2日目は、京都から近くにある、「大山崎山荘美術館」に行ってきました。こちらも念願であった場所です。猛烈な暑さですが、洋館好きな淑女の方々でいっぱいでした。
今回の旅行は、前々からいきたいと思っていた場所を巡るツアーでもあります。
山の上に建つ洋館。館内には日本の作家もあり、モネ、モディリアーニ、ピカソ、イサム・ノグチの作品が展示されています。
最近、「アートと芸術は違う」という話をお客様としていたところでしたが、これらは明確に芸術です。このあと見に行った瀬戸内国際芸術祭にて展示されていたものの数々はアートでした。
平成は未来に何を残していけたのでしょうか。
ヴィンテージ生地との出会い
大阪に立ち寄り、お世話になっている良質なヴィンテージ生地を扱う生地屋のオフィスに行ってきました。
これからの人生、自分がいいと信じたものだけを売りたいという信念を持ち、長年続けた生地屋を昨年脱サラしたアツい関西の方です。わたしがこの仕事を始めてからずっとお世話になっている方で、現在、日本に英国のクラシックな生地があるのは、この人の力が多分に働いています。
案の定ですが、今回もたくさん見つけてしまいました。
<Holland & Sherry (Wool&Cashmere)>
<Scabal(Cashmere 100%!)>
<Holland & Sherry (Wool Tweed)>
<Dormeuil(TONIK)>
<Holland & Sherry (Wool&Cashmere)>
<All Vintage Fabrics>
Scabal(スキャバル)、Holland & Sherry(ホーランド&シェリー)、H Lesser & Sons.、Dormeuil(ドーメル)のヴィンテージファブリックを手に入れました。全て着分のみです。
もうどれだけ秋冬物を仕入れたでしょうか。。生地好きもいきすぎるとこうなるのかと反省しております。苦笑
ですがその分、ご満足いただけるラインナップになりました。
現行のものも素晴らしいクオリティのものはありますが、やはり古いもの好きの私としては、ヴィンテージのように、現在はもう作ることのできないという価値に重きを置いてしまいます。古いもので、かつ時代を感じさせない、今でも格好いいと思う生地はとても少ないです。だからこそ、いいものを見つけたらなにがなんでも仕入れたくなってしまいます。
会話の中で、
「ここ数年、仕入れる量と出る量が合っていません」
と冗談交じりで話していたら、
「テーラーはそうでなくちゃあきまへん」
と言われました。
不思議と納得です笑。なぜなら、モノづくりの人は安心安全の場にいてはいけないと感じるからです。
どれだけ自分を追い込み、磨くことが次につながるか。まだ今のうちはそうやって生きていきたいと思います。
2人で焼き鳥を食べて、夜は京都に戻り、京都にお住いのお客様とシガーバーへ。
翌日は名古屋にいき、今話題の「あいちトリエンナーレ」へ行きました。
<四間道(しけみち)>
<名古屋でモーニング>
店内は忌野清志郎のライブ音源が流れているとても素敵な空間でした。笑
3日目以降に続きます。
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