BERUNです。
京都でのアンティークショップ巡りを終え、芦屋へと移動します。
芦屋には、アンティークショップとカフェなど、何店舗か経営している会社があり、兼ねてから興味があったので行ってきました。色んな店を見ていると、自分の納得のいく雰囲気の喫茶店なんかやりたくなりますね。何軒か周り、西へ向かいます。
豊島
翌日は念願の瀬戸内海の島へ。最初の島は「豊島(てしま)」。
実は過去に2度、台風で四国行きを止められてしまっていましたので、今回はとても楽しみにしていました。
<棚田>
<豊島美術館>
豊島美術館は夏休みシーズンということもあり、チケットを購入するのに一苦労でしたが、それでも行く価値はありました。
表現は自由だということを感じさせてくれます。今回の旅行で、凝り固まっていた脳みそをほぐしてもらうことができました。
<昔ながらの共生している街並みが美しいです>
<壁面ヘリンボーン>
今回の旅行で撮った数百枚の写真のうち、一番好きな写真です。瀬戸内海の美しさ、日本の美しさが感じられます。
<豊島ウミトタ>
今年オープンした一棟限定のホテルです。伝統とモダンを融合した空間でした。
アートの島「直島」へ
翌日は直島へ。
有名な島だったのでわたしがわざわざ特筆すべきことはないと思いますが、島全体がアートになっているという、とてもユニークな島です。心をオープンにして過ごせば、特別な体験ができる一日になります。
<地中美術館前の睡蓮>
<ただ海が美しい>
とにかく海がきれいでしたので、海ばかり撮っていました。それにしても、写真では暑さが映らないですね笑
連日倒れそうな猛暑でした。現代建築と現代アートが好きな方はとても楽しい島だと思います。
Surprise!
高松に戻り、兼ねてから行きたかった「イサム・ノグチ庭園美術館」はなんとお盆休みで入れませんでした。。下準備を疎かにしていたことを後悔します。
ですが、その晩入った小料理屋「まいまい亭」のオーナー夫婦に出会ったことで、高松に来て本当によかったと感じました。
ご夫婦は、生前のイサム・ノグチ氏と何十年と友人として親しくしており、彼が生前、関係者にも見せなかったような仮図面をお二人に特別に見せてくれたりと、心から信頼されていた人だったそうです。
生前の氏のプライベートの姿を今も知る数少ないお二人で、氏以外にも、数々の文化的に有名な方が今でもお忍びで通うようなお店でした。
奥様はファッションに一言あり、女性ならではの視点から、素晴らしい哲学を持っている方です。小料理屋の女将なのにファッションについて語るイベントで3時間登壇したこともあるというかなりの強者です笑
そのとき、奥様が観客の方にある質問を投げかけたそうです。それは、Fashionに大切な「3つのS」とは何?ということ。
1つ目は割とすぐに出てきたそうです。それは「Simple」。
2つ目はしばらくしてから出てきたようですが、「Story」。
しかし最後の3つ目が出てこない。わたしもしばらく考えましたが、ギブアップしました。
するとしばらくためてから教えてくれました。
最後のSは、「Surprise」。
常に驚きをくれること、それがファッションで大切なことです。そう話してくれました。なるほど。。
そしてそれはファッションに限らず、人生でも大切なことなのかもしれません。この日、ただの小料理屋だと思い入った店がまさかこんな素晴らしい店だったとは、まさにサプライズです。
ファッションクレイジー50年と名乗る女将さんの話は、今のファッショニスタやら何とかと言われているような人たちとは、考え方も、見ている世界もまるで違っています。
わたしから見ると、今おしゃれだと言われている人は、細いロープで綱渡りしているような状態です。一方、モードだろうとどんなジャンルであろうと、”自分自身のなかで一つのクラシック”を確立した人は、とてもしなやかな太い木の上を、優雅に歩いているように感じます。
ご夫婦からは、他にも色々と愉しい話を聞かせてもらいました。
香川には、イサムノグチだけではなく、流政之、猪熊弦一郎など、数々の作家が居を構え、亡き後も多くの人たちがその想いに触れるために、この地にやってきています。
食事の途中、イサム・ノグチ自らが選んでデザインした当時の「akari」を見て、現代の物と全く変わっていることに驚きました。当時のものを見てしまったら、現代のakariはもう彼の意思を継いでいないと感じざるを得ません。上の写真を見てわかるように、和紙のクオリティが歴然と違うそうです。製作者の想いを知り、本物を見たことがある方だからこそ見える世界です。
亡くなったあと、その人の想いを受け継いでいくことがどれだけ難しいか、感じました。
<氏の生前に作られたakari>
<氏が亡くなった後に作られたakari>
香川県がアートでまちづくりを成功させた理由も教えていただき、今はうどん県なんて言ってますが、行儀のいいものではないと残念そうでした。
年内にまた必ず来ます。と伝えて、愉しい夜は終わりました。
接客しかり、学ぶところがたくさんありました。元気なうちに、できる限り通いたいと思う店です。
翌日は徳島に経ち、台風で中止になる前に運よく阿波踊りを見られました。やはり祭りはいいですね!自分を表現することにどれだけ全身全霊をかけているのか、その想いは第三者にはしっかりと伝わるものだと強く胸を打たれました。
命をかけて自己表現をしている姿に、感動せずにはいられなかったです。阿波踊り会場で泣いていたのはわたしだけだったのでしょうか笑
繋がりを着る
台風から逃げるように四国を離れ、神戸へと向かい、ずっと行きたいと思っていた、「神戸ファッション美術館」へ行きました。
1700年代のドレスから現代までの遍歴を割と丁寧に解説してくれるような企画展でした。
<写真は公式HPからお借りしています>
日本の和服も展示されてあり、しばらく眺めていたのですが、洋のドレスと和服に、一つの共通点があることに気が付きました。
それは、服全体に繋がりがあるということ。
肩から裾にかけて、一着の服がはじめから終わりまで、というストーリーをもっているように見えるのです。
季節を大切にし、時代や国を象徴するようなシルエットを作り、”今”を生きていたものが、まさに歴史になっています。
時代が変わり(進み)、わたしたちは今、そういった服を着ているでしょうか。
性別、年齢、すべての垣根を越えて、皆が同じものを着ていく世の中になりつつある昨今。未来に時代を語れるものはどんどんなくなってきています。
本当に自分が着たいものを着る。周りに流されて着るのではなく、自分自身が選択して着ること、それがこれからの時代、特に大切です。
さて、長々と書いてもしまいがないので、旅行記はこれで終わります。
お盆が明け、そろそろ仕込んでいた秋冬物の生地が続々と入ってきます!
本当にすごい量です。ぜひ楽しみにしていてください。
Atelier BERUN
東京都新宿区神楽坂6-8-23
◆http://berun.jp/
◆Facebook
◆Tel : 03-3235-2225
竹内さんへ
いつも楽しく読ませて頂いています。
是非ブログ若しくはホームページのどこかで、竹内さんのオフの装いの写真を見せて頂けないでしょうか?
オンの服装は一度学んでしまえば然程難しくはないのですが、オフは選択肢の幅が広く大人の装いをしようとなると難易度が一気に上がると感じています。
今回のような夏の旅のブログや他のブログを読んでいると、こういう時に(思想に共感している竹内さんのような)プロはどんな装いをしているのかとても気になります。私もACB党員で今夏もジャケット着用してますが、流石に厳しくなってきました笑。。。
佐藤さま
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、オンの装いは覚えてしまえば簡単ですが、オフとなると途端に選択肢が増えて、難しさが出てきますね。
スーツ姿は格好いいのに、私服になると、「あれ?」という方は多いです。
わたしは夏も冬も、春夏秋冬で自分のキーアイテムを立てています。
例えば、夏であれば、ニットポロ、リネンシャツ、リネントラウザーズやグルカショーツ。靴はJMウェストンのローファーかGUCCIのビットローファー。
それぞれの季節で自分が自信をもって着られるものを1つでも作ると、コーディネートが途端にしやすくなります。
こちらでも、今後オフのスタイルなど、そういったものも載せていけたらと思います。
貴重なお言葉、ありがとうございます。