由緒ある英国地

ベルンです。

今日は、約2年半ぶりにご連絡をいただいたお客様がお越しいただきました。
独立に伴い、新しくスーツを新調したいとのことでした。
こういった何かの折に、頭によぎっていただけるのは大変嬉しいことです。

学生の頃と違い、社会人になってから年単位でお付き合いができる人と出会えるのはなかなかないと思います。
本当に気のあった人と末永いお付き合いができることが、何よりの幸せです。

さて、今回使用したのは、1883年創業の英国老舗ミル「Taylor & Lodge(テイラー&ロッヂ)」の「Noble Spun(ノーブルスパン)」という生地。

ウール98%/カシミア2%というこれからの季節にぴったりの極上生地です。
先月の終わり頃に、現在生産が終了している良質で珍しい生地などもたくさん仕入れてまいりましたので、わたしも完成が楽しみでなりません。

しかし良質な生地がどんどんと廃盤になっていく世の中。
古くからやっているテーラーは、明らかに昔の生地の方がよかったと口を揃えて言います。

やはり繊維業の力が完全に衰えているのが原因でしょう。
昔ながらのアジのある生地を作ることが、世の中のニーズと合わなくなってきているようです。

若手テーラーであるわたしは見つけられる限り昔の生地を探し出し、古き良き時代のクオリティを肌で感じたいものです。

大量生産・大量消費の世の中。
クラシックを追求する時代錯誤な業界だからこそ、できる限り時代に逆光をしてがんばっていきたいと思いました。

ベルンでした!

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