ヌケ感

BERUNです。

新たに、The Bookを2つ更新しました。

古くならないように、日々思い立ったことは追記しているThe Bookですが、このまま書き足していけば将来的に、かなりの量になってしまうのではないかといささか心配です。笑
たまにブログも昔のアメブロの頃まで遡ってお読みになってくださる方もいらっしゃるので、お恥ずかしい限りですが嬉しいです。
「ためになった!」と言ってくださる方がいる限り、書き続けていきたいと思います。

ヌケ感

さて、天気予報を見ていると、関東も近々梅雨入りしそうですね。
楽園のような日本の春が終わり、梅雨入りすると本格的に夏がやってきます。

これからの季節のお洒落は一言、「ヌケ感」が必要です。
ヌケ感というとなんともイマドキな言葉ですが、わたしの感覚で説明させていただきますと、自然と自分が共存して、回っている感覚です。

自分の装いが大地と空と繋がって、留まっていない。ヌケている感覚が必要だということです。
この自然との繋がりというのが、これからの季節はポイントになります。
この繋がりを忘れれば、途端に周りからは、「暑くありませんか?」と心配されてしまいます。

大地から空への架け橋になるイメージです。(ほら、なんだか怪しくなってきましたね笑)

冬は反対に、内に籠る季節なので、ぐっと抑えた着こなしになります。
冬と夏の着こなしの大きな違いはここだとわたしは思っています。

夏は色々とデビューすることができる季節です。
例えばパナマハット。夏のハットは日除けという”体のいい言い訳”があるので、自分が似合わないと思っていても、飛び込んで始めてみることができます。
しばらくすると自分が見慣れますから、そのまま秋から冬にかけてはフェルトハットに切り替わる、というように自然に定着していくことができます。

あとは明るい色のスーツ、またはジャケットですね。冬ではキザっぽく感じてしまうような明るい色も、麻という牧歌的な素材が入ってしまえばそのような雰囲気は払拭されます。

麻という素材は本当に素晴らしいですね。顔立ちが地味な日本人にこんなにも味方をしてくれる素材はありません。

古くから日本では麻は衣類の他にも、生活に関わるものにたくさん使われてきました。
色が少し華やかであっても、麻が入れば素朴な雰囲気になり、肌馴染みがとてもよくなります。

カシミアやアルパカのベージュとなると、かなり洒落た洋服になりますが、麻であればいやらしさが微塵もでません。

太陽が近くなり、外が白っぽく照り返す夏には、ダークトーンの洋服は合いません。

秋冬よりもワントーン、ツートーン明るめの洋服にすることで、こもったコーディネートから脱却することができます。

ショートパンツ始めました

この夏、ついにヘビー級の重い腰を上げて、ショートパンツのオーダーを始めました。

サンプルでお作りした第一号は、今季のわたしの中でのヒット生地、ウール素材のシアサッカーのショートパンツです。

シアサッカーといえば夏の定番。しかし一般的なシアサッカーはコットンのため、見た目とは裏腹に夏はとてつもなく暑いのです。

日本ではイメージと季節がマッチしない洋服でしょう。余談ですがソラーロ(英:サンクロス)もですね。欧州では夏に着るものですが、日本ではとてもじゃないですが着られません。

You Tube動画にもショートパンツのことを挙げているわたしなので、個人的には大好きなアイテムです。しかし、これをオーダーで作るとなると、話は変わってきます。

夏はつい気を抜いてしまい、カジュアルになりすぎてしまいます。急激にカジュアルになってしまうのを避けるために、わたしなりに考えたドレッシーさを保ったショートパンツです。

タックはインの2タック、そしてもちろんベルトレス。ショートパンツのカジュアルさを払拭すべく、できる限りドレッシーなディテールでお作りしました。

ヒップ、わたり部分は余裕をだし、裾に向かって少しだけテーパードをかけていきます。ピタピタでお尻のラインが出ているメンズカモンのショーツではない、大人のショートパンツです。
ここ1、2年でわたしが大好きだったグルカパンツが人気になりすぎたので、少し静観しています。グルカショーツ、グルカサンダル、サファリルックと、探検隊アウトドアスタイルが今は流行っていますね。(みなさん心の中で旅に行きたいのでしょう笑)

デザインコテコテのグルカショーツが人気絶頂の中では、このくらいシンプルでエレガントなショートパンツもよく映えると思います。

ドレス感を保つカジュアルの難しさ

日本の方は、ドレス感のあるカジュアルファッションが苦手な人が多いと思います。たまに聞くのですが、結婚パーティーなどで、「ジャケット着用、しかし硬すぎないカジュアルなファッション」をしてきてください。という文言があるというのです。ドレスカジュアルと言うのでしょうか。つまり、スーツでもない、ジャケットを着た小洒落たスタイル。

こういう誘いを受けたとき、どうしよう、と困惑する方も多くいらっしゃると思います。なぜなら、伝家の宝刀、スーツとデニムを封鎖されてしまったのですから。その中間のコーディネートはどうすればいいのか、思い浮かびません。そのスタイルは、難しさこそありますが、人それぞれの個性が光るところでもあります。

スーツの上だけを着てきてしまう方、ジャケットの下にカジュアルな5ポケットパンツを履いてしまう方。スニーカーがハイテクスニーカー、またはカジュアルすぎてしまう方。どれもNGです。

自分で考えるのが面倒なため、普段はスーツをバシッと格好よく着ている男性も、土日になれば大学生とおなじような格好になってしまう方もいます。また、今や絶滅危惧種になりましたが、ちょい悪おやじと呼ばれていた人たち、首から上は日本人で、首から下はイタリア人のような、チグハグなファッションをやってしまう方たち。

そのフォーマルとドカジュアルの間のコーディネートこそ、実は人生の豊かさととても直結しているとわたしは思います。平日は仕事のために周りの方に配慮した、ビジネスにとって必要なおしゃれをします。そして身体を休める土日にこそ、自分が着ていて楽しくなる、気持ちがいい洋服に身を纏うことで、心から休息を取ることができると思うのです。





-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー

東京都神楽坂6-73-15
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