BERUNです。
昨年の9月から打ち合わせをしていた我が家のデスクが遂に完成しました。
木と鉄を組み合わせた、まさに職人技巧のデスクです。
元々の木がこちら。藤野にあるBC工房という木工家具屋にて、木材を探しに設計士と職人の高橋さんと足を運びました。
高橋さんは藤野のランドマーク、「森のラブレター」を作られた方。中央道で山梨方面に行かれたことのある方は、もしかしたらご存知かも知れません。
奥にしまってあったボロボロの木を見つけ「そこにあるのだったら言い値でいいですよ」なんて言うもんですから、何枚も見てこれにしました。
「変わった形の方が出来上がりが面白くなるからいい」と高橋さんが言うので、「ではこれで!」と決め、出来上がりを楽しみにしていました。
製作途中がこちら。木のカーブに沿って鉄を切り、その2つをつなぎ合わせるという作品です。
天板がこちら。
作り方を丁寧に解説していただきましたが、到底理解できません。笑
まさに職人技です。
鉄と木の組み合わせなので、小物はインダストリアルな雰囲気にしようと思いました。
対の椅子は東ドイツで作られていたもので、素材は木で、脚の部分がアイアン。座るところがレザーを張られている、美しく機能的な椅子。
デスクランプはフランスのヴィンテージランプ「JIELDEジェルデ」。
そしてキャビネットはずっと探していて、都内のヴィンテージショップでようやくいい物を見つけました。イギリスのインダストリアルなキャビネットを製造しているメーカー「BISLEYビスレー」。
キャビネットはビスレー一択でしたが、現行物はどうも味気なく、ヴィンテージとなるとなかなかいい物を見つけるまでに時間がかかりました。
シンプルなダークシルバーのような色合いに、角が焼き加工をされている、現行ではないモデルです。こういったメーカーも現行のものと昔のものではやはり雰囲気、オーラが違います。物作りの職人の魂がこもっていた時代のものはやはり人の心を惹きつけるものがありますね。
日本製のデスク、フランスのデスクランプ、イギリスのキャビネット、東ドイツの椅子、そしてアフガニスタンのラグ。
この小宇宙に5カ国が混在していますが、自然とマッチしたと思います。
まぁ、これも将来は子供の勉強机になる予定なので、今のうちに存分に使い倒そうと思っています。笑
新しい動画
この話をした上で、最近アップした動画をご紹介します。
こちらでは、各国のスタイルを理解せずにごちゃ混ぜにしてしまうと、統一感のないスタイルになってしまうことをお伝えしています。
この動画では何も、国は一つにまとめましょう!と言いたいわけではなく、理解した上で選ぶ。そうすることで、自分のスタイルがより構築的に作られていくということをお伝えしています。
昔、矢沢永吉とイチローが対談している映像がありました。(英雄の哲学、というタイトルでした)
2人とも全く違うジャンルなのにも関わらず、話がビタっと一致しているところがたくさんあるのです。
これはジャンルが違えど、深さが同じ人同士であれば話は合う。ということを感じさせてくれた映像でした。
自分のスタイル、思考が深く浸透していけばいくほど、国に縛られなくとも、自由に着ても楽しめるようになります。
ギターをやられたことのある方ならわかっていただけるかと思いますが、初めに多くの人が諦めるFコード。最初の大きな壁です。指から6本線の血が出るくらい全力で押さえても音が出ない初心者を横目に、マシュマロを掴むような柔らかなタッチで音が出る上級者。
このFコードを押さえることができるようになると、ギターの弾ける曲が一気に増えます。努力をし続けるからこそ、その後の人生を楽しむことができます。
人生も洋服も同じですね。簡単な洋服ばかり着ていてもわるくはありませんが、本当の意味で洋服の素晴らしさを体感することはできません。
ユニクロと無印しか着ない方に、
「洋服ってなんて素晴らしいんダ!!!」
と言っている人はおそらくいないでしょう。笑
洋服も知れば知るほど、面白くなっていきます。そして深く探究すればするほど、他のあらゆるジャンルにも精通していくことができるので、結果として、洋服のことだけを勉強しているということにはなりません。
わたしは家具や建築の知識を本格的に入れ始めたのは比較的最近ではありますが、洋服で培ったレベルで物を見るため、見る目は初めからかなりストイックです。
そのため、中途半端なものには手を出したくない、と思い、”決して高級なブランド物ではなくても、物作りが一流の物を手にしたい”、と自然と思うようになります。
高いお金を出せば、いい物に出会う確率は格段に高まります。
しかし見る目が養われてくれば、ほどほどの価格で本質的なものを見つけることができるようになります。
それは別に物に限った話ではありません。あらゆるものに繋がっていきます。
永ちゃんとイチローのように。
リネンシャツ
こちらは同じお客様が合わせてご注文いただいたリネンシャツです。
襟型含め、サイズ、形は同じもの。枚数が増えると色々と変えたくなるのが気持ちとしては出てきますが、ご自身のスタイルを構築していくためでしたら、的を絞って突き詰めていく方がより深みが出て楽しいと思います。
「深みにハマる」という言葉の通り、あれこれと手を出すよりも、ずっと面白い世界が待っています。
右から、ホワイト、ベージュ、グレー、サックスブルーのストライプ。
いずれも、ジャケットに合わせても、単品で着てもいい色柄を選定いたしました。
毎年言っていますが、リネンシャツは夏のマストアイテムです。
今、The bookで新たに「おすすめの映画」の項目を作ろうと思い、文を書いております。
おうち時間が増えた今、皆様に少しでも、映画を観て、本物の着こなしを観ていただきたいと思っております。
また完成しましたら報告いたします。
-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー
東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301