BERUNです。
今日は茨城県、牛久に行ってきました。
大仏ではなく、自転車を見に行ってきました。笑
藤野に移住し、自転車に乗る機会がなくなり、自転車を手放して早3年。
当時は片道10〜15km、どこかに立ち寄れば1日40kmは普通に乗っていたので、その生活が一変すると、やはりまたあの風を感じたいと思ってしまうのも無理はありません。(⇦また早速自分を説得してます笑)
当時乗っていたものは、Sonomaのritewayというモデル。アンダー10万円で、デザインもクラシックで、無名なので盗まれる心配もなく、とても気に入っていました。
(2014年のブログが出てきました。懐かしい)
久しぶりに昔乗っていた自転車を見てみると、やはり若さを感じます。
「おやおや、君。このくらいで満足してたのかい?」
と天界から声が聞こえてきそうです。
色々と調べていると、やはり目も肥えてきましたので、普通の自転車ではなかなか納得いくものが見つからなくなってしまいました。
鞄職人であり、友人のKeiichiro氏に紹介してもらった自転車屋さんのレベルが相当高すぎてしまい、久々に心が震える体験をしました。
こういうとき、誰にアドバイスを求めるかはとても大切ですね。言ってしまえば自分自身が現在地から行く先を決めるコンパスのような存在ですから。
「スーツが欲しい」
と漠然と思ったとしましょう。
おしゃれだと思う友人に尋ねてみて、その友人がイタリア派か英国派か、はたまたオーダー派か既製ブランド品派か。誰の意見を聞くかで、自分自身の行く先は全く変わってしまいます。
ふと、
BERUN「ピザ食べたいデス」
なんて話をしたら、
Keiichiro「じゃあイタリア行きましょう」
と言われ、イタリアに連れて行かれたような気持ちです。
いきなり本物の空間に行くことになりました。
置いてあるもののレベルが高すぎてただひたすら感動していました。
私の買い物についてきただけ(本当にそうでした笑)のKeiichiro氏も、彼が長年探していた自転車がたまたま数年ぶりに入荷したタイミングで来店。すっかり魅了され、最終的に購入していました。笑
Nagasawa Specialのピスト。フェラーリのような美しさ。
今回私が購入したのは、日本のトップビルダーが組み上げているメーカー、ケルビムのもの。
こちらは1983年のものだそうです。傷ひとつなく、ほとんど新品のような美しさで、前オーナーの愛を存分に感じました。
これを皮切りに、サイクリング用のツイードジャケットとかも作れたら楽しくなりそうですね。
英国にいた頃お世話になっていたティモシー・エベレスト氏は大のサイクリング好きで、彼はサイクリングジャケットの製作も行っていたのを思い出しました。
洋服はその人の人生、ライフスタイルに関わる仕事なので、やはり突き詰めれば突き詰めるほど楽しくなります。
検索力と咀嚼力
さて、自転車屋ではないので、洋服の話をしましょう。笑
昨年の終わりから、YouTubeを通じてたくさんの方からご連絡をいただき、お会いすることも増えました。本当にありがとうございます。
私自身、前に出る事は極力避けたい性分ではありますが、偉ぶって「うちは紹介制です」なんて言っている若造はなんて格好悪いんだろう。と思いまして。
もっとこの業界を盛り上げるために、まだまだできる事はあるだろうと思い、思い切り舵を切って楽しんでいるところです。
いつの時代もインプットは大事で、それと同じ位アウトプットも大切です。
昨今は情報が増えすぎてしまい、良質なものにたどり着くことがとても困難になりました。
Google検索で洋服のことを調べるときなんか最悪です(経験された方も多いと思います)
たとえば、「クレリックシャツ 画像」と調べてみると、本当に何1つ、どれだけ下にスクロールしても、まともな写真が出て来ません。
「ダブルカフスシャツ」なども同様です。
私のように、普段から洋服を見慣れていて、正しいものは何かを知っている人からすれば、「何1つ真っ当なものは上に上がってこないじゃないか!」 と思うことができますが、何も知らない人からすると、それが正しい情報だと思ってしまいます。
(試しに全く知らない業界のことを調べてみてください。本当に浅ーい情報しか手に入りません汗)
私はインプットとアウトプットの流れの途中にある、咀嚼力と言うものが、今の時代最も大切なことなのかもしれないと思っております。
インプットをひたすらして、ひたすらアウトプットする。
ということは、やらないよりはやった方がいいです。ですがこれでは、1日に水を何リットルも飲んで、体内に効率よく浸透せず、多くが体外に流れてしまうのと同じようなことになってしまいかねません。飲むことはわるいことではありませんが、ちょっと効率がわるいかもしれません。
どのタイミングで、どのぐらいの量を摂るのが自分の体にとってベストなのか、ということをしっかりと咀嚼して考えて、適切な摂り方をする。
それをやるだけで、人生は大きく変わっていくと思います。
タイで3ピース
引越しの際、デジカメの充電器がどこかに行ってしまい、未だ行方不明です。。
先週から、お仕立てしたものは携帯で撮影しております。
今月中に仕事でタイに行かれるW様。この度、タイで活躍するためのスーツをお見立てさせていただきました。
生地は今はなきEdwin Woodhouseのもの。ウール100%ですが、クリアなタッチのOriginal Air Woolは、肌触りもクールで、真夏以外は着用できるとても幅広く活躍する生地です。
モヘアが入ることで耐久性は少し落ちてしまいますので、やはりウール100%で夏向けの生地というのはとても使いやすいですね。
目立ちすぎないうっすらと入ったウインドウペーンが、上品さも感じさせてくれます。
W様。タイでも貫いて、マイノリティの世界を思う存分楽しんできてください。
ライトフランネルスーツ
T様には、同じくEdwin Woodhouseで、フランネル生地を使用してお仕立てした、グレーのストライプスーツです。
エドウィンウッドハウス、個人的にはとても好きなブランドでした。大手の生地ブランドではあまりやらないような、伝統を踏まえた上で少し変わった切り口から提案してくれる生地の雰囲気がとてもいいです。
フランネルではありますが、300gmsとかなり軽いため、春先まで活躍します。
程よいハリが着ていてとても気持ちがいいです。
最後に、スーツのフィッティングでとても大切なところが1つあります。それは、
ジャケットの裾とトラウザーズの流れは一体になっているのが理想、ということです。
こちらの写真をご覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、ジャケットの裾からそのままトラウザーズへと繋がっていくように見えます。
これがスーツが流線型。流れるように。ということの所以です。
全てを一体化させるという本来のスーツの在り方から、最近はスーツのアイテムも核家族化していき、ジャケット・ベスト・トラウザーズと全てバラバラで活動するようになりました。
しかし、本来の美しいスーツの形はこうであるということをぜひ知っていただきたいです。
流れるように、一体に見えるように仕立てることが、その人の体型、シルエットを最大限に見せることができます。
-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途