BERUNです。
先週先々週とブログを上げられませんでした。
2週間上げなかったのは数年ぶりですね。
ありがたいことに、未だかつてないほど公私ともに忙しくさせていただいております。
忙しい方が、物作り脳が活性化するため、脳内の環境はとてもいいです。
ネクタイも続々と新しいものが仕上がってきております。
アップしたいのですが、なかなか時間が取れず。
時間を見つけてオンラインショップにしれっと更新していく予定です。
昨日、4月17日は友人であり鞄職人keiichiro氏の結婚式でした。
C禍により2年ほど延期延期が繰り返され、ようやく催されました。
しかしこの2年の間でもみなそれぞれの分野で進化、開花していてとても素晴らしい時間でした。
keiichiro氏は私の師エドワード木場さんからのご紹介でした。
E「竹内くん、やばい鞄職人いるよ」
はじめての出会いから気がつけば5年。keiichiro氏も鞄の世界で確実にファンを構築しています。
めざましく技術が上がっていくのを間近で見ていて、とてもいい刺激をもらっています。
私の友人たち、そして木場さんの友人たちとなると、結婚式というか、ファッションショーのような雰囲気になるのは容易に想像できました。
慎ましくタキシードで行こうと思っていた私でしたが、新郎keiichiro氏より、
「一番攻めた服で来てくださいネ」
と何度も念を押されたので、数年ぶりに引っ張り出したスーツを着用しました。
そしたらなんと木場さんと色がどんかぶりです。笑
お互い見たときの安堵感は計り知れませんでした。
結婚式でタブーな色ナンバーワンである白。事前打ち合わせゼロなのに、白が3人集まるという変人たちの集まりです。
木場さんがお話ししている中、思わずシャッターを切ってしまったのは、座っているレディースのオートクチュールの職人である星さんのネクタイの持ち上がり方が美しすぎたので、つい納めてしまいました。
後ろ姿がおかしいですね。笑
靴はジャコメッティです。
4月17日はわたしの個人的な話ですが、結婚記念日でした。
そこに合わせてずっと頼んでいた鞄を納めてくれました!日付も入れていただき、とてもよい思い出になりました。
えっ結婚記念日に鞄は関係ない??
妻には、、、オッオホンッ
keiichiro氏にお願いした鞄第3弾。
ドクターバッグ。ダレスバッグとも言いますね。
サイズをミリ単位で相談し、革も何度も吟味し、決めた作品。
圧倒的なオーラです。逃げ場なしのど真ん中ストレートのドクターバッグです。
技術とセンスがあれば、ものづくりの世界では変化球は必要ありません。
2泊くらいならこれ1つで行けてしまうちょうどいい大きさ。
竹内家のチビたちが大きくなったらおそらく持って行かれるでしょうが、私1人の人生だけでは使いきれないくらいの物なので、ちょうどいいです。
本物というのはそういうものだと思います。
物だけではなく、思想、イズムを継承していくことがなによりも大切だと思うのです。
いつからか日本人が忘れてしまった、イズムの継承。
これは私個人の考えですが、確信に近いものがあります。ミニマリストという言葉がもてはやされている昨今。
要は、本物に触れる機会に恵まれなかった現代の人たちが、諦めに似たような境地で、物っていらないよね?と開き直っているかのように思えてならないのです。
物をいらないと言い切っている人ほど、今まで何を見てきたのか、と聞いてみると、やはり本物を見てきたという人はあまり多くはありません。
多くを知る前に悟りに入るのは悟りではなく諦めです。せっかく長い人生なのですから、まだ多くを知りたいと言い続けて人生を終えたいものです。
エレガントであれ
今の時期に完成してくる洋服は、まだ真夏仕様の洋服ではありません。
この時期の日本は、イギリスの夏生地を楽しめる良い季節です。
BERUNにいらっしゃる方で、結構な割合でタイトすぎる洋服を着て来られる方がいます。
タイトなお洋服を着ている事は決していけないわけではありません。
なぜなら、巷にある洋服のほとんどがタイトシルエットだからです。
おしゃれをしようと思い、洋服屋さんに行けば、ほとんどがタイトなお洋服ばかりが並んでいるため、自然にタイトシルエットになってしまうのです。
これは何度もブログでは言っていますが、オーダーの価値は、ゆとりを持たせることだとわたしは思っております。
既製服がなぜタイトな服ばかりなのかといいますと、程良いゆとりという物は人それぞれの体型によって異なるため、理想のゆとりは既製服では表現できないからです。
つまり、わざわざオーダーをするのにタイトなフィッティングにするということは、オーダーであるにも関わらず、既製服のフィッティングに寄せているということなのです。これは非常にもったいないと思います。
今までのスーツがタイトすぎて、毎回ヒップポケットの脇がしばらく着ていると破れてしまうというM様。
このたび、BERUNが思い描く程良いゆとりのあるスリーピーススーツをお渡ししました。
このゆとりは最初は違和感が拭えない時間があります。しかしそれを通り越したら、今までのタイトシルエットの洋服が着にくくなっていきます。
自分にとって正しいフィッティングの洋服に出会えたら、それ以外のものを着る気が起きなくなってしまうというのは、自然な流れですね。
私はコーディネートでも物作りでも、あまり小細工をしません。
良質な生地で、程良いゆとりがあれば、自然にそこにはエレガンスが生まれます。
何か手を加えようとすればするほど、こざかしくなっていき、エレガンスとは程遠い装いになっていきます。
自分の服装にエレガントさなんていらないよ、と思われている方は必要のない話かもしれませんが、”美”というものはエレガンスに直結していると思うのです。
つまり極論かもしれませんが、エレガントではないスーツというものは、美しいスーツではないという位、スーツの世界の美はエレガントさが必要だということ。
エレガントさは、程良いゆとり、余白、ドレープ感、生地の質感、それらを含む項目の全てが綺麗な円形のパラメータになることで確立するものです。
M様には、FOX CITYのグレージュと、ホーランド&シェリーのブラウン/ブルーのストライプをお仕立ていたしました。
グレージュは一見派手に見えるかもしれませんが、生地はフレスコなので、色が明るくてもシックさが残ります。
春夏だからこそ、このくらい明るいスーツをもっと多くの方が着ればいいと強く思います。
FOX BROTHERS
丸眼鏡を愛するH様にお仕立てしたのは、FOX BROTHERSのジャケットをメインとしたコーディネート。こちらの下はチャコールグレーのフレスコ。
こちらのトラウザーズは昨年から新シリーズで展開されているFOX KHAKI。色はブラウンです。
フォックスが提案するコットン生地なのですが、これがとても良い雰囲気なのです。
この生地で上下セットアップを、柔らかく仕立てたら本当に品のいいコットンスーツになるだろうなぁ。。
自分で仕立てたかったのですが、悶々と妄想している間に4月になってしまいました。。
次の秋に向けて考えてもいいかなぁと妄想は継続しております。
今年の初めに見つけたこちらの貝ボタン。従来の貝ボタンと比べても、金額が遥かに高いのですが、厚みや光沢感、エッジの切り出し方など、全てにおいて感動K点超えしましたので、BERUNの貝ボタンのデフォルト認定いたしました。
美は細部に宿りますので、こういう細かな部分のアップデートは大切だと思っています。
ジャケパンコーディネートを2パターンお見立ていたしました。
それに合わせて、オッドベストも1着お仕立てしました。
これからの季節はオッドベストが本当に活躍します。これについてはまたじっくりお話ししたいですね。
気が抜けがちな夏こそ、Be elegance!でいきましょう!