ジャケパンコーデ論

BERUNです。

私事ですが、先日、下の子が2歳になりました。
寝かしつけで共倒れする確率80%で、なかなかプライベートな時間も少ないですが、今しかないこの時を味わっております。

神奈川県で、(かなり目を細めれば)スコットランドを感じることができる服部牧場。
羊ちゃんと戯れ、ウールの暖かさを感じることができます。

油分たっぷり。中はあったか。いつもありがとうございます。羊ちゃん。

衣替えの季節

衣替えの時期、久しぶりに洋服を引っ張り出すと、嬉しいこともあれば、悲しいこともあります。

嬉しいことは、久しぶりに対面する洋服とこれから半年よろしくね!とウキウキになるということ。

悲しいことでいえば、かいた汗をそのままにしていて、時間とともにシミが固着し、お気に入りの洋服が台無しになってしまうこと。

もう一つはこちら↓

発見したときの気落ちするレベルは相当高いです。

綺麗な円を描いた穴が3つ開いておりました。

しかし幸いなことに、裾の近くでしたのでそこまで目立つことはないです。

このトラウザーズ、実は食事中、飲み物をこぼされてしまい、布で拭き取り、自宅に戻ってから濡れたタオルで叩いた程度で置いてしまっておりました。(そのとき履いていた靴はジョンロブでしたので、飲み物の水量以上に心が涙で溢れていたのは言うまでもありません)

本来であればそのような汚れがついたときはクリーニングに出さなくてはいけないのですが、日々に追われてすっかり忘れてしまっておりました。

飲み物の汚れなんかは”彼ら”にとってはステーキのようなものです。

わたしを反面教師にして、皆さまも虫さんにはお気をつけください。

そしてこのとき、わたしは生まれて初めて、その”彼”と出会うことができました!

※虫嫌いな方は覚悟してご覧ください(笑)

見つけた瞬間、

お前か!!!

と怒りとともに、やっと出会えたという喜びが共存していました。

しかし、思ったほどグロテスクな感じはなかったです。小さなダンゴムシのようで、色は茶色。

むしろ、自然界に生息することを諦め、人間界の人が作り出したものに手を出すことを選んだところが、なんだか愛おしくも思えてきます。

ということで、皆さま、汚れは放っておかず、防虫剤も忘れないようにしましょう⭐︎

秋の装い

一気に涼しくなりまして、我が家は朝晩は暖房が必要なくらいになってきました。
秋の洋服をもう少し楽しみたいです。寒さはウェルカムですが、もう少しゆっくりきてほしいですね。

H様に、春秋向けの洋服をお仕立ていたしました。

英H Lesser & Sons.が伊Carlo Barberaに製作を依頼して作られているシリーズ。
H Lesser社といえば、英国でも随一の誇り高いブランド。私が個人的に最も信頼するメーカーの一つです。

このレッサーの生地のネームタグには
「For the discerning man」
という文字が。
見識のある、違いのわかる、目の肥えた。
という意味らしいです。

自社でそれを言えるというのが、なんとも憎いですね。笑 (最新のネームタグにはこの文面がなくなってしまいました。寂しいですね)

そんな誇り高いレッサー社がイタリアの生地メーカーに依頼をするというのですから、それはお互い尊敬し合っていなくては実現することはないでしょう。

イタリア生地には厳しめの私ですが、カルロバルベラはとても素晴らしい生地メーカーで、私も何着か持っています。
そんなそれぞれの国の至高を極めた生地、いいものでないはずがありません。

ライトグレーに水色のチェック。この配色センス。さすがです。
生地の厚みは240gmのため、薄めではありますが、冬の手前まで着ることができます。

合わせたトラウザーズは、ネイビーコットン。
ジャケットの色合いがとても美しいので、他のコーディネートはシンプルでOK。

良いものをシンプルに着る。これがわたしのコーディネートの考え方です。

こちらも私の大好きな生地、W BillのLAMLANA。すでに10年以上前に廃盤になっているものですが、特別に見つけたものを買い付けました。結構な量を買い付けましたが、徐々になくなってきております。

ラムウール・アンゴラ・カシミアという、贅沢な配合です。
アップで撮ろうと思った矢先、SDカードがいっぱいになり撮影断念。
柄はライトグレーのヘリンボーンです。

ラムウールとアンゴラという配合は主にマフラーに使われるバランスです。

マフラーのような柔らかさを持ち、それをジャケット用に打ち込みをしっかりと作り、そこにカシミアを混ぜるという発想。贅沢ですね。

カシミアの光沢が美しいです。

トラウザーズは先ほど、ジャケットで使用した生地、レッサーで、色はチャコールグレーのもの。

しなやかさと、上品な光沢感を味わえます。素晴らしい生地です。

今回お仕立てしたものはどちらも上下別々で合わせることができます。

このように、一般的にスーツよりもコーディネートが難しいと思われているジャケパンは、最初の3パターンくらいまでは、すべて別々で合わせられるように考えるのが、わたしサイドの仕事だと思っています。

スーツと違い、このパターンしかありません。となると飽きてきてしまいます。

何を手に取ってもピタッと合うものがクローゼットにあるという安心感は気持ちがいいですね。

多くのことを考えずに、シンプルで勝手におしゃれになる。

これがわたしが理想としているコーディネート論です。

もちろん、わたしのように洋服のあれこれを考えるのが好きな方もいますので、そういう方は選ぶ喜びを堪能しましょう。

洋服が好きなのか、歴史が好きなのか、人生を豊かに暮らしたいのか、はたまたそんなものは興味がなく、モテたいだけなのか。

まず自分は何を求めているのだろうか。それをじっくりと考え、それを叶えてくれる店を探すのが最も堅実な道だと思います。

上の項目で言いますと、弊店は最初の3つは希望に添うことができます。モテたい方は、、きっと他がいいかもしれません。

まぁ、モテ論についても思うことはありますが、異性にモテたいという発想で選ぶ洋服は何一つ身になる買い物にはならないと自負しております。

むしろ、クラシックを軸とした間違いのない着こなしを身につければ、同性にも異性にもモテる、人間にモテる人になれます。

わたしはそちらの方が、永続的にいい人生になると思うのです。

わかりやすいキャッチーな言葉には惑わされず、自分軸で世の中をみることを常に意識していきたいですね!

いつもありがとうございます。

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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー

洋装士:竹内大途

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