BERUNです。
寒くなってきましたね。朝はウールのチェスターフィールドコートだけでは寒くて辛い気温になってきました。
そんな年の瀬、冬の洋服が続々と仕上がってきております。
ガンクラブチェックジャケット
K様にお仕立てしたのは、ガンクラブチェックのジャケット。
英Marling & Evansの起毛をしていない中肉の生地。
起毛していないため、春先まで着用することができます。
多くのガンクラブチェック柄は、ザ・カントリーな雰囲気になりがちです。しかし、このくらい色と柄が落ち着いていると、都会とカントリーの程よいバランスを楽しむことができますね。
春秋冬と活躍する、とても便利な1着です。
K様、ぜひたくさんご活用ください!
フォックスガンクラブチェック
こちらもガンクラブチェック。フォックスブラザーズのものです。
秋冬はやはりカントリーテイストな柄が着たくなりますね。
かと言って山や森でしか着られないのでは意味がないので、柄の出自はカントリーながら、洗練された柄のものが使いやすいです。
軽く起毛していながら、260gmsという薄手のフランネル生地。
このくらいの軽さのフランネル生地というのは日本では本当に便利です。
もちろんわたしを含め狂信的な極厚フランネル信者(笑)はおりますので、そういう方々は400gms超えの鋼のようなフランネルを愉しむのを人生の喜びとしています。
しかしそのような肉厚な生地はよほどの雪国でない限りは、着られるのは1年のうち3ヶ月くらいでしょう。(極厚生地は、3か月も着られたら十分だ!という方向けです笑)
なので、10〜4月頃まで着ることができるライトフランネルは、ワードローブに1つあるととても重宝します。
トラウザーズはBERUNの秋冬定番のモールスキン。
冬のデニムとわたしが呼んでいるように、硬く暖かい、とても便利なトラウザーズです。
T様、いつもありがとうございます。
イタリアンガンクラブチェック
今回はガンクラブチェックのブログになりそうです。笑
伊ナポリのアリストン社の生地。
着用された写真は撮り忘れてしまいましたが、柄、雰囲気がとても素敵でしたので書き記しております。
この、アリストンらしくない、真面目な柄感がいいですね。
ふざけた奴がたまに出す真面目なオーラ。ナポリのアリストンは結構チャラい(笑)モノづくりが多いメーカーですが、膨大なアーカイブの量から、そんなアリストンが作る真面目な生地を探しています。
とてもいい雰囲気に仕上がりました。
裏地は表生地の中の色を拾って選びます。
ブラウングレンチェックスーツ
よく見ると、柄が入っている。
そういう生地がわたしは好きです。
「どうだ!チェックのスーツだぞぉ。ストライプばっしり入ってるぞぉ」
というような強めのものより、
「あっ実はチェックなんです」
くらいの方が、しなやかさがあって品を感じますね。
今回お仕立てしたスリーピーススーツはまさにそんな生地です。
ブラウンのグレンチェック柄のスーツですが、1m離れるともう無地に見えるくらいあっさりした柄。
非常に大人さを感じます。
前回はカシミヤと見紛う上質なウールと呼ばれる、エスコリアルウールでスーツをお仕立てしたS様。
今回は400gmsのウーステッド生地でばしっと質実剛健なスーツをお仕立ていたしました。
今まで、某イタリア高級生地メーカーの生地でスーツを作っていたというS様。
日本のスーツ屋さんの多くは、この生地メーカーを看板にして乱用しています。
今までS様は、その高級で柔らかな生地で、タイトなシルエットでスーツを着られていました。
前回初めて来られたとき、がらっとシルエットや仕立てが変わることをお伝えした上で、クラシックスタイルのスーツをお仕立ていたしました。
なうでモダンなタイトシルエットから、クラシックフィットに変わるのは、自分だけではなく周りも驚きます。
S様は最初の試着ですぐに納得されていましたが、ビフォーアフターでは大きく変化するため、なぜこのようなフィット感なのか、説明をすることが多いです。
既製服はどうしても、多くの方に70点のサイズを提供しなくてはいけないため、ゆとりを嫌います。
すこしでもゆとりを出してしまうと、そのゆとりが合わない人にとっては、ダボつきになってしまうからです。
そのため、既製服はサイズをタイトにして、生地もおしゃべりな光沢のある生地にしたものを作りたがるのです。
これが既製服とビスポークの大きな違いです。
なので、せっかくビスポークをするのに、わざわざ既製服のようなシルエットで作るのは、わたしの中ではモッタイナイ、と感じてしまいます。
その人一人一人に合わせたゆとりを出して、上質な生地を使う。それがビスポークの醍醐味です。
6PLY スリーピーススーツ
洋服好きなO様。ご紹介した高円寺の古着屋がドンピシャだったようで、いつも古着トークで1時間は花を咲かせます。
O様にお仕立てしたのは6PLYという超極厚な生地。510gmsという、着る人を選ぶ重さです。
やはりこのくらい重さがあると、ある程度体格がなくてはいけません。
細身の人には細身に適した生地、大柄な方には大柄な方に適した生地があります。
生まれてきた自分の体型に感謝をして、自分を見つめてベストなものを探求していきましょう。
ネイビーの無地の3ピース。
究極、「これ1着あれば十分だよね」
と言いたい。
それを心の底から言い切るために、そこに行き着くまでに色々なものに触れて、色々経験していきたい。
メンズスーツスタイルの始まりであり、終わりであるスーツ。それがネイビー無地。
股上をぐっと深く(高く)して、ベストの丈を短くする。そうすることで、オンリーワンのフィッティングが生まれます。
6PLY。なかなか馴染むのには時間がかかりますが、ヘビーにガンガン着倒していただきたいです。
まだまだご紹介したいものがありますが、今週はこのくらいにしておきます!
私個人の感覚としましては、今、年の瀬という意識はありません。
ただ、毎日を丁寧に生きていくということを変わらずにやっているだけですので、2023年も変わらずに過ごしていくことと思います。
今年は多くの方に出会い、素晴らしい機会をたくさんいただきました。
BERUNのモノづくりのレベルも格段に上がりました。
これからも、自分が良いと思ったものを曲げずにやり続けることができる環境を作っていきたいと思います。
今年1年、大変お世話になりました。
来年も、よろしくお願いいたします!
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-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途