BERUNです。
今回はただの旅行ブログです。笑
7月24日から8月1日まで、8泊9日で北海道に行ってきました。
しかも家族5人でキャンピングカー泊の旅。
キャンピングカーの運転も、車内での宿泊も初めて。
結果、これは旅行ではなく旅だろ。という9日間になりました。
新千歳から札幌方面へは行かず、東側へ向かい、ぐるっと下に周り戻ってくるルート。
個人的に富良野以東は行ったことがなかったので、とても楽しみでした。
まずは王道、富良野へ行くことに。
美瑛に写真館があったので立ち寄ることに。
風景写真にはあまり関心がなかったのですが、季節や気候、日の時間など、全てを計算し尽くして完成される作品たちに、感動しました。
翌日は早朝に青い池へ。
こちらもとても綺麗だったのですが、個人的には、その上流にある滝と、そこから流れる川全てがエメラルドブルーになっている景色の方が圧倒的に美しいと感じました。
世の中に青い色の池はたくさんありますが、川全体がその色というのはなかなか見かけないと思います。
美瑛の風景の美しさに見惚れながら、一行は網走方面へ向かいます。
子供の教育にいいのか?と思いながらも、もうなかなか来ることはないだろうと、監獄へも立ち寄りました。
昔の建物はいちいち格好いい。
しかも、今の建築のように、かっこよさを意図的に出すのではなく、勝手に出てしまっている感じがなんとも美しい。
たまたまその日、網走で花火大会があったので、見ることに。
夕方からのお祭りで地元の若者たちの服装をウォッチング。
目に多くついたのが、真っ黒な浴衣を着ている人が多かったこと。
おそらくそれが今の若者の”カッコイイ”なんでしょうが、黒というのは最も生地の良し悪しが見えてしまう色です。
薄い綿素材の黒の浴衣は、ただ安っぽく見えてしまっているだけです。
昨今のトレンドとして、白と黒のモノトーンでコーディネートをまとめることが見受けられます。
侍ジャパンが私服で集合したときの写真は、ほぼ全員が黒と白の服を着ていて驚きました。
おそらくですが、黒を着ていれば失敗はしない。
それなりにカッコよく見える。
というような発想なのかなと思います。
ですが、黒というのは、最も高度でレベルの高い色なのです。
安易に手を出してしまうのはとても危険です。
茶靴よりも、黒靴の方が革の良し悪しが見えてしまうように、
黒を選ぶのでしたら、上等なものを選ばなくては、文字通り足元を見られてしまうのです。
まぁ街ゆく人を見ながらそんなことを思うのがわたしの癖なのです笑
10,000発の花火は綺麗でした。
花火というトラディショナルなもので、職人たちはどうその人らしさを出していけるのだろうか。
突拍子もないものは出来ない(できるかもしれないが)中で、ただその伝統の継承者になることがその人の人生なのか。
それとも、この人じゃなきゃこういう花火は作れない!!というものを作るのか。
伝統と風物詩という厚みのあるものの中で、自己を表現するということの難しさを感じました。
その後は兼ねてからずっと行きたいと思っていた知床へ。
天候もよかったので、無事遊覧船にも乗れました。
しかし、真ん中くらいまで来たところで、波が高くなってきたとのことで引き返すことに。
岬まで行くことはできませんでしたが、良かったです。
途中の道の駅で、自転車旅をしている海外のおじさまに会いました。(推定70歳過ぎ。白髭で真っ黒に日焼けした小柄で陽キャのオランダ人)
その方はアイヌ文化のことを知りたくて北海道を自転車で周っているとのことでした。
残念ながらわたしはほとんど知らず。
行くところ行くところ、観光としてのアイヌ売りはあるものの、文化としてしっかりと伝えられている場所はあるかと聞かれると、ほとんど見かけることはありませんでした。
これは文化と文明の違いで、文化というのは意図的に守り抜かなければ、簡単に途絶えてしまうということ。
また、どんなに守ろうと頑張ったところで、次の世代は新しいものがよく見えてしまうものです。
時代を超えて継承されていかなければ、繋げていくことはできません。
わたしの仕事である洋服も、どんどん簡単な服装に変わっていき、伝統を残していくことの難しさをひしひしと感じています。
なので、007やイギリスのクラシックな連続ドラマは、わたしは(良い意味で)国策だと思っています。笑
そのように、次の世代の人たちにも、スーツってカッコいいよね!!
と感じてもらわなくてはいけないのです。
欧州人は、自分たちをカッコよく見せることに必死なのです。笑
空港近くにあり、たまたま立ち寄ったノーザンホースパーク。よかったです。
最終日、朝一番で少し時間があったので、ずっと行ってみたかったモエレ沼公園へ行きました。
こちらはイサム・ノグチが設計した公園で、本人が完成を見届けることなく世を去った最後の作品なのです。
元々ゴミ捨て場であった土地に、札幌市がイサム・ノグチに依頼をして公園を作ってもらうという、大掛かりなプロジェクト。
30年以上経ちますが、今もこうして残り続けているということに、真の価値を感じます。
自分が世を去った後も残り続けるものを作れる人。心から尊敬します。
今回、ホテルには泊まらず、晩御飯を食べ、日帰り温泉に入り、道の駅に併設してあるRVパークを渡り歩くという9日間でした。
少しタフになったと思います。
また、ソフトクリームはおそらく30個は食べたと思います。笑
この文章はイギリスに向かっている機内で書いています。
ガトウィック空港まで残り30分。
4年ぶりのイギリス、楽しみです⭐︎
-Atelier BERUN-
東京表参道の仕立て屋 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途