BERUNです。
”June Bride”を控えるからか、3,4月は結婚式用のオーダーをいただく機会が多かったです。
BERUNでは新郎の装いはDinner Jacketディナージャケット(米:タキシード)を貫いています。
(人によって少しくだけた装いで見立てるときもありますが、この”少しくだける”という塩梅がとても難しいのです。大抵の人はこの抜き加減で”やらかして”しまいます)
無駄に華やかになりすぎた日本の婚礼ビジネスの上では、あえて何もしない王道をいったほうが美しいと思います。
そして、そのほうが逆に華やかに見えるものです。
英国の紳士方は、自らが作り上げた財産を、自分ではなく隣にいるパートナーを華やかにするために使うそうです。これは決して”貢ぐ”とは異なり、きらびやかなおしゃれをするのは女性の役目だからです。男性は質実剛健なさま、無彩色を好むのが紳士のたしなみとされています。過度な宝飾や飾り立ては下品とされています。
歴史を紐解くと、男性方もきらびやかな装飾に身を包んでいた時代がありましたが、18世紀にかの有名なボウ・ブランメル(wikipedia)が社交場に登場したことをきっかけに、男性こそシックでシンプルな装いをするのがダンディなり、と時代が変わりました。
世界のフォーマルウェアがそこから微細な変化を遂げ、戦前の1930年代にはすべて完成しきったともいわれています。戦後に生み出されたファッションは”ほぼ”ビジネスであると言っても過言ではないでしょう。
そもそも顔立ちも地味で上背も低い日本人が、身の丈以上の華やかな装いをするのはなんだか滑稽に見えてしまいます。
パーティなどの晴れ舞台はレディのためにあります。それをしっかりとわきまえた上で、女性に華を持たせるのが男性の役目です。
もちろん、わたしのような意見はマイノリティであることは十分自覚しておりますが、世の中にはこれだけ過剰になりすぎた装い文化に疑問をもっている人は多くいらっしゃると思います。
国のためと言っては大風呂敷を広げすぎてしまいますが、街の活気は一人一人の市民が作っていきます。その一人一人をつくっていくのが、わたしたちのような個人店の役割です。
消去法で選んだ妥協した装いではなく、自らの思想と重なった装いでまとめ、式典に臨む。
きっと、充実度が違うと思います。
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