ベルンです。


大量生産大量消費の時代に移り変わり、昔ながらの物を大切にしてゆく文化が廃れてきています。


私は常日頃お客様とは、

「命の宿るクローゼットを作っていきましょう」

と言っています。


今の時代、ファストファッションや、安価で中品質の物を作れるようになったので、わざわざ高品質の物を高いお金を払って買うということも、よほどのことがなければなくなったでしょう。


スーツも1万円で買え、靴も数千円で買える。


最近ではオーダースーツ、スペアパンツ、シャツ、ネクタイ、靴、全てセットで3万円というお店もあるようで。笑


そはやここまで来たらプライドも何もありません。


話は逸れますが、日本でよく起こる目に余るほどの価格競争。


ヨーロッパでは一切ないそうです。


向こう岸のブランドが値段を下げようと知ったこっちゃない。


それでそっちに流れる人はうちの客じゃない。


という誇り高きプライド。



日本にはそこまで強いプライドは残念ながらないのでしょう。。




さて、スーツを1,2万で購入し、あなたはモチベーションが上がるでしょうか。


そこで「上がる！」というあまのじゃくな人はこれから読まなくて結構です。


自然は人が手を加えるとダメになっていきますが、人が作った「モノ」は、人が手を加えていかないとダメになってしまいます。



まず、1,2万で購入したスーツにそこまで強い愛着を持ち、日々手入れをすることは困難だと思います。

ぞんざいに扱ってしまい、型崩れもなんのその。


だって安く買ったからいいんだもん。


例えば2万円で購入したリーガルの靴を修理するとして、もし修理代が1万円を超えたら、修理するでしょうか。


恐らく修理ではなく、新しい物を買うでしょう。



その時点で今までの靴は世代交代を迎え、気がつくと靴棚の奥底に。


それではモノたちが可哀想だと思うのは私だけでしょうか。


たとえ、今の時代が安かろう良かろうだとしても、2万円の靴は10万円の靴よりクオリティが高いわけがありません。


革質、縫製技術。全てが違います。



良い革で堅実に作られた靴は、手入れをし続ければ一生物。


最初の投資は大きいですが、その靴は生涯あなたの靴棚に君臨し続けることができます。


初めて10万円ほどの高級靴を購入するときのドキドキは計り知れません。


しかし、今まで1,2万円程度の靴しか履いたことがない人は、その履き心地の良さに感動するはずです。


靴は、ソールの減りを見ながら、ヒールを定期的に交換し、アッパーの革は良質な物であれば、乳液を入れ続けることで、できた傷はほとんど目立たなくなるほどまで復元します。


今まで履き捨てるという概念を持っていた靴を、手入れをして何十年も持ち続けるという幸福感。


スーツも然り。

質実剛健な生地と縫製で仕立てると、10年20年と着ることができます。


するといつの日か、もうスーツはこれ以上いらないな。


という域が来るでしょう。


そう。

そもそも流行りに踊らされ、余計な物に余分にお金を払う必要はありません。


定番ものをしっかり押さえ、必要な着数をしっかり手にいれ、手入れをし続けると、新しい洋風はいつの日か必要なくなります。


そのとき気がつくでしょう。


踊らされることのないファッションを構築できたことの開放感を。


クラシックは永遠に廃れない。


色が無いようでいて、その人自身の人間性が一番見え隠れするクラシック。


それを粋に格好よく着こなせる人は、立派な人格者でしょう。



若いうちから格好よく着こなすことは難しいですが、今粋なおやじと称されている人は、若いうちから流行に流されず、定番ものを愛し続けてきた人たちです。




そんなおやじに、憧れます＾＾




ベルンでした！

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