ベルンです。
本日はローマを一日中練り歩いてました。
朝8時から歩きはじめ、帰宅路に着いたのは夜の1時。
その間休んでいた時間は、合わせても3時間ほどではないでしょうか。
足が崩壊しそうですが、ローマ中を歩きつくしたと言っても過言ではないと思います。
それにしても、ローマは非常に退屈な街です。
イタリア洋行初日にして、思わずそう感じてしまいました。
ローマの歴史好きの人にはすべての景色が生唾ものかもしれませんが、
「ハドリアヌス帝って誰?」
という人は、退屈してしまうでしょう。
はっきり言ってしまえばコロッセオにしてもただの石の塊。
これにみな物珍しさに1~2時間かけて並ぶのです。
「中に入れば予想以上の感動があるだろう!」
という期待も大きく裏切ってくれ、予想は変わらずじまいでした。
「ローマの休日」で有名なスペイン広場にしても、その他有名なところは大体足を運んでみましたが、これと言って感動はなく。
最初、あまりの感動のなさに思わず、
「東京生活が長いので、美しいものを美しいと言える美的感覚が鈍ってしまったのか」
と焦る始末。笑
しかしローマっ子に聞いてみると、ローマはこんなもんらしいです。
まぁ、観光シーズンで人がごちゃごちゃしすぎていたということもあるかもしれません。
これより南に行くとより退屈になるし、人柄もより大柄になっていく。今回のように、ローマから北上していくプランは正解だと言われました。
ショッピングも、「おっ」と言うようなお店はなかなか見つからず。
店員の態度も横柄で、平気で対角線上のど真ん中にわたしがいる中で、べちゃくちゃとおしゃべり。
どんなに疲弊した体力も、良店を見つければピットインするかのように全回復するはずなのですが、体力は減っていくばかり。
買い物はフィレンツェとミラノに託そう。
そう感じました。
晩ご飯は日本人でローマ在住の友人と「トラステヴェレ地区」に美味しいリストランテがあるとのこと。
この「トラステヴェレ」は、東京で言うと一昔前の代官山、といった雰囲気らしいです。
ちょっと小洒落た町並み。
ちょっと小洒落たお店が立ち並ぶ。
夜中まで連日人が多く歩き回り、広場では音楽をかき鳴らす人たちと踊る人たち。
そんな地区にある、「ROMOLO」というリストランテで食事。
なんとこのお店500年の歴史があるそうで、有名な画家「ミロ」も常連として訪れていたそうです。
(ミロと聞いて、「あの子供が飲む甘いジュースですか?」と答えた人はわたしと同類です笑)
長い歴史から培われたカルボナーラは絶品でした。
(写真は撮り忘れてしまいました笑)
そして、ヨーロッパのワインはやはり違う。
こういう食事が日本でできたらなぁ、と思ってしまいます。
でも、歴史の深さが違うから、日本で完全に再現はできないんですね。
それにしても、歩きながらイタリアの人たちを眺めていると、親父であればあるほど、生唾を飲むほど
「カッコいい!」
と言えるような人に何度も出くわします。
本当に何度、盗撮をしたいと思ったことか。笑
「レオンスナップ」に出てくるような「too much」な商業主義のファッションではなく、本当に自然体でかっこいい。
彼らを見ていても、着こなしのルールなんてまるでないように見えます。
当たり前のようにベルトと靴の色は違うし、それに関して一切引け目も感じていない。
しかし、なぜそれがカッコいいのか。
ヨーロッパでは日本のようにファッション雑誌はほとんど見かけません。
一部の愛好家が読む「ホビー」的感覚に近いのでしょう。
日本人は勤勉なために、どうしてもファッションを勉強すればおオシャレになれる、と思い込んでいる人が多いです。
そのため、「エドワードグリーンの82のラストがとてもきれいで美しい」、
というような会話を素人同士でもできてしまうのですが、これはある意味奇妙でしょう。
結果、アイテムの個々にばかり注目してしまい、何と何をこうするとかっこいい、など。ファッションを表層的な面でしか捉えられていないのです。
このまま勤勉なファッション講座を学んでいると、一生たってもダンディズムは身につきません。
だから日本人は、冬はクラシックなツイードを着たりするが、夏になると短パンTシャツで平然と歩けてしまう。
個人の装いに一貫性がまるでなく、季節と流行に押し流されてしまっている。
ヨーロッパには長い洋装文化が根付いており、
彼らはオシャレをするのが「人としてどうあるべきか」
ということまで考え抜いた末、オシャレをしているように思えます。
内面的ファッション、これがダンディズム。
日本ではダンディズムを感じることが非常に少ない。
なぜオシャレをする必要があるのでしょうか。
また、ダンディズムを根付かせるためには、一代だけで築き上げるのは困難、というか不可能でしょう。
二代、三代と、家系の文化として教育していくこと、それがなによりも大切です。
子供に教えるべきことはたくさんあるが、男として、そして女としてどうあるべきか、
それをしっかりと教えることができる大人になりたいものです。
若い内に、わたしのような人が半ば洗脳のように(笑)、内面的ファッション、いわゆるダンディズムを提唱し、響いてくださる方を増やしていきたい。
それが二代、三代と伝承されていき、日本にもダンディズムがあるのか、と思わせられる人を増やしたいものです。
明日、力を振り絞りもう一日ローマを歩き、良店を見つけたい。
ベルンでした!