ベルンです。
なかなか寝付けず、、起きてブログを書いています。
今夜のように、夜に降る雨が好きです。
わたしのようにマイペースで仕事をしていると、普段あまり同業者を意識することはありません。
技術や価格で勝負しようとせめぎあっている世の中、我が師であるEDWARD木場さんが、
「21世紀はセンスで勝負するんだ」
と教えてくださった5年前を振り返ると、本当に助言通り生きてきてよかったと痛感しています。
よくも悪くも、お客様の意見をあえて聞かないスタンスで仕事をしてきましたが、それに至るまでにはお客様にまず全幅の信頼をいただかなくてはいけません。
そして、自分の作るものに絶対的自信を持たなくてはいけません。
完全に任せていただいてから、はじめてわたしの本仕事が始まります。
当たり前ですが、確実にお客様にああだこうだ言ってもらった方が、どんな仕事においても楽なのです。
一枚の画用紙を渡されて、色は赤と青の2色。テーマは夏。
そのようにテーマを与えられた方が、思考力を疲弊させずに仕事はできます。
そのため、真っ白の画用紙のみを渡されて、色もテーマも自由と与えられたときこそ、その人の本当の力量が試されます。
そしてわたしは常に、一回一回の仕事のスタンスはそうありたいと思っています。
プロフェッショナルが100%の仕事ができない作品なんて、世に生み出してはいけないのです。
稀に強いこだわりを持った方がいらっしゃるとき、作りたいものがお互い相違しているときがあります。
そういうときは、争いを求めずに言うことを聞いておけばいいはずなのですが、わたしはできる限り互いの意見をすりあわせるようそこに最大限の時間を費やします。
そのデザインにどこまでの強い意志があるのか、それは自分を納得させてくれる意見なのかどうか。
そうやって戦って話し合っていくことで、長い目で見た後、
「あのときベルンが言ってたのは、こういうことだったのか」
と実感していただけます。
その感覚は、わたしが戦っていなかったらわき上がることのない感情。
そこではじめて納得していただけることで、あえてわたしが妥協を怖れず申し上げたことばが生かされるのです。
どの業種においても、立地や価格で勝負し、それなりのクオリティで大きく展開しているところの方が人はもちろん入ります。
事実、世の中の9割以上の人たちは何事も「それなりでいい」と思っています。
わたしのように偏屈にこだわり続ける人の方が、いつの時代も「変わり者」と見られます。
しかしわたしはその「変わり者」こそ文化を守っていく人たちだと思っており、そういったごく少数の人たちにしっかりと、本物とは何かを提案できる人こそがプロなんだと思うのです。
人は人から学び、人に伝えていきます。
日本人が強く誇りの持っている繊細な職人技。
技術を継承していくことも同じかそれ以上大切なことかもしれませんが、
その人でしか表現できない技術にも勝るセンスを磨くこと。
美しいものを見て、美味しいものを食べ、美しい音楽に身を包まれる。
形にはなりませんが、そこから形成される物や事。
それも決して忘れてはいけない大切な「職人芸」なのではないでしょうか。
幸いなことに2000年代以降、着実にオーダーメイド 文化は発達してきて、日本人の肌に浸透してきています。
たくさんのお店がある中、わたしももっとがんばらねばなりません。
誰にも負けない達観した何かを持つこと。
それがプロフェッショナルには間違いなく必要です。
夜の小言になってしまいました。
拙い文章、いつも読んでいただきありがとうございます。
ベルンでした!