革の色は合わせるべきか

ベルンです。

東京は幸いにも昨晩中に台風が過ぎ去り、さっそく夏を思わせる日がやってきました。
これからの季節は、上着を着る機会が減っていきますね。
衣料が減るこれからの季節だからこそ、一つ一つのアイテムに手を抜かず、夏のオシャレを楽しんでいきたいです。

今回は、上着がなくなることでいつもより露わになるベルトについてのお話。
ベルトと靴の色は合わせるべきか。

この話は世に出回る「スーツのルールブック」には、必ずと言っていいほど載っております。
そしてそれらの本には、色は合わせるべきだと書かれています。

これは社会人であれば、2つ折の財布ではなく長財布を持つように、という話と同じレベルで教えられていることではないでしょうか。

しかし、お洒落の本場ヨーロッパへ目を向けてみると、しっかりと色味を合わせている人の方が少ないことに気がつきます。
拍子抜けするほどに、目に留まるたくさんの人が、茶靴に平気で黒のベルトを合わせているのです。
これは日本では気をつけるべきNGコーディネートと揶揄されますが、必ずしも守らなければいけないことではないのだと思います。

生真面目な日本人は、ライトブラウンの靴にはライトブラウンのベルトでなくてはいけない、と思っているかもしれませんが、大きくみて茶系統であれば、何の問題もないのです。

黒靴に黒のベルトを合わせるのは当たり前ですが、ネイビースウェードの靴にネイビースウェードのベルトを合わせるのは、少し狙いすぎと捉えられてしまうかもしれません。

お洒落がわかっている人は、ルールブックの規則に従うことなく、”気張らずに”お洒落を楽しんでいます。

タイのディンプルを少しずらして付けたり、シャツの剣ボロ釦を開けるようにしているのは、同じように真面目に洋服と向き合いすぎないという意思の表れなのでしょう。

本国に行ってみて、改めて本場のオシャレを見てみると、日本流のオシャレがいかにがんじがらめでつまらなく、個性のない装いであるかがわかります。

日本の百貨店やセレクトショップがビジネス的に作り出した「かっこいい」の基準が、果たしてどれほどまでに世界で通用するものなのか。
日本独自のオシャレは、海外だと嘲笑の的になっていることが多々あります。

洋服に興味を持ち出したばかりのときは、他に勉強材料がありません。
そのため、こういった日本の会社が作り出したルールブックで勉強することも最初は必要かもしれませんが、基礎をある程度学んだら、後は外に飛び出し、風景や人を見て感じ取ることが何よりも大切でしょう。

オタク気質な日本人は、どうも勉強漬けになりがちです。

お洒落のルールブックに則っていなくともお洒落に見えてしまう装いが、理想的だと思います。

そして何より大切なのは、この人は分かってこういう合わせをしているんだろう。と思わせてしまう雰囲気です。
これは一朝一夕では築きあげることはできません。
若いときから自分らしさを追求して、流行に流されず律していかなけば、装いを楽しんで生きていくことは難しいでしょう。

しかしこれはあくまでお洒落の話であって、こんな時代でも、
「革の色を合わせないとは社会人失格だ」
「シャツの2つ目のボタンを開けるなんてだめだ」

など。
装うことに価値を見い出す機会を得られなかった上司がいる会社では、未だにこういった話も聞きます。

スリーピーススーツにベルトは不必要ですが、”服育”がなされていないこの国では、未来永劫こういった洒落心が社会的に認知されることはないのでしょう。

少し悲しい気持ちになりますが、果たしてどっちがより人生を楽しく、豊かに生きられるでしょうか。

わたしは、これからも自分らしくお洒落を楽しんでいきたいと思います。

またまた、思いつくままに書いていたら乱文になってしまいました。。
いつもありがとうございます。

ベルンでした!

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