ベルンです。
先日、栃木県益子町に行ってきました。
陶器が好きな方なら一度は行ったことのある町かと思います。
この町では年に2度、春と秋に様々な職人が集まり作品を一同に出店する益子陶器市が開催されます。
今秋の開催がなんと、わたしがバリから帰国した日が最終日というタイミングでした。
しかし妻との意見は一致。
「行こう」
しかし昼過ぎに出発して着いたのは3時前。
じっくり吟味すると丸一日は要する会場の広さで、明らかに時間が足りませんでした。
不完全燃焼のまま終わった先日の益子ドライブの雪辱を晴らすべく、一昨日また行ってきたというわけです。
今回は、どうしても行ってみたかったお店「スターネット」に行くことにしました。
今でも増改築を繰り返しているそうですが、この空間のコンセプトを2000年以前に作り上げたオーナーのずば抜けたセンスに感動しました。陶器市のときは人が凄まじいらしいのですが、今回は終了直後だったのでゆっくり店内を見て周ることができました。古民家を改装したように見えるこちらの建物は、なんと古材を集めて一から建てたというから驚きです。
モダンな印象も感じさせながら、ほどよいバランスで全体に和を思わせる店作りは素晴らしいの一言。
ぜひ、益子にお越しの際は行かれてみてください。
実は今年に入ってから、わたし自身の昨年までの”衣”に対する思考が少し変わりました。
決して冷めたわけではありません。
どちらかというと、より研ぎ澄まされた感じがします。
昨年までは、「デザインソースだ!」
と思えばサイズが少し違っても買っていました。
ファッション業界の方に多くいますが、これはもう一種の病気です。笑
今でも自分では物を作っていますが、既成服を購入する機会は極端に減りました。
「ディテールのこだわり」や「面白い服」といったモノづくりで、あまり響かなくなったのです。
それに代わって、
今度はここに行ってみたい。
ここで食事をとりたい。
というような、空間にお金を払うことが増えたような気がします。
価値を感じるベクトルが少し変わりました。
ここで、衣食住にならって人生の経過を考えてみます。
まず最初に、ある程度の時代に流されない衣服を揃える。
365日ストレスなく、すっと背筋が伸びるくらいの洋服がワードローブに揃ったら、後は年に数回買い足していくくらいで十分です。
毎シーズン、クローゼットの中が入れ替わって散在しているのは、メディアのわるい情報に流されてしまっているからかもしれません。
身の丈より少し上くらいの洋服や靴を選ぶと、それらは自分を特別な場所に連れて行ってくれます。
今までは勇気がなく、入れなかったステキなお店。
洋服は自信を与えてくれ、周りの人との会話も後押ししてくれます。
洋服は自分のためではなく、隣を歩く友人・パートナーのためであり、お店のためであり、また街のためにあります。
しっかりと装い、大切な仲間と共にする食事は格別でしょう。
自分が志高く生きていくことを目指したのなら、洋服を美しく着ることは責務なのかもしれません。
洋服が自分のライフステージを引き上げていく力があることは、わたしは強く理解しています。
それらが仕上がった上で、最終的に住処に対するこだわりが湧き上がってくるのだと思います。
初めて会った人に自分の家を見せることは難しいでしょう。
また、ある程度話し込まないと、その人の趣味嗜好はわかりません。
ですが洋服は、会った人が瞬時にどのような人か判断できます(されます)。
これには色んな考え方があります。
”住食衣”や、”食住衣”など、人によっては衣服が後回しだと仰る方もいます。
ですが洋服関係のわたしは、ファッションの力を大いに知っています。
だからこそ、この”衣食住”の順番の意味を、最近少し理解できたような気がしました。
今度からこれでご飯を炊くのが楽しみです。ちなみに益子で買いましたが、京都の作家さんの作品らしいです。笑生きるを楽しむ。