BERUNです。
今回の旅行で、お店や工場も閉まってしまう土日を、どう活用するかが難題でした。
色々考えた結果、どうにもならないので、この2日間は観光にあてることにしました。
朝一、カールトンヒルに登り、エディンバラ市内を眺める。
素晴らしい景色です。
ひと山登ると街全体が見渡せる、このくらいのサイズでいいと思います。
ちなみにこちらは、昨晩撮った夜の写真。
その後、エディンバラ城に行き、ウイスキー博物館を経て、パブでランチを頬張る。
THE 観光をしています。
城からの景色。
右側に見える小高い山が、カールトンヒルです。
エディンバラ城内には昔の絵や写真が飾られており、とても興味深い資料がたくさんありました。
これらのバッジ(勲章)の色柄は、州や団体で色を分けて作られるレジメンタルタイの元です。
旗や勲章のデザインからエルメスなどのスカーフの柄ができたりと、アイデアは地中深くに眠っています。
トラッドを知るためには、それらを掘り起こす作業だけで十分です。
エディンバラ城からまっすぐ伸びる一本道は、最も観光地化されたエリアです。
そのお店の5分の3は、ツイードやカシミアのアイテムを売る店。
5分の1はウイスキーの店。
残りはパブ、といったところでしょう。
カシミアのマフラーやニットなど、大量に売られていますが、いずれも観光クオリティで、安いですがコストパフォーマンスは決してよくありません。
現地でも、中枢部分のハイクオリティなカシミアを使っているお店は、適正な価格をとっています。
カシミアという魔法の言葉に騙されてはいけませんね。
ところで、スコットランドに来て以降、”Harris Tweed(ハリスツイード)”の文字がとても目に入ります。
ハリスツイードは数年前から、日本の雑貨屋などでルームシューズやポシェット、帽子などの小物に使われるようになり、多くの人が目にしたことのあるネームタグになりました。
最たるものは、なんとし○むらでもハリスツイードとコラボしたアイテムを作っているほどです。。
しかしこれには、元々無名の頃から支え続けた生地屋が憤りを覚え、一時問題にもなりました。
あまりブランドを安売りしてはいけない。
老舗の存続と、ブランド価値の低下のせめぎ合いが続いていました。
しかし、そんな日本での出来事を忘れてしまうかのように、スコットランドではハリスツイードはどんどん大量生産され、大量消費されていました。
どんなに興味のない人でも、スコットランドに一度でも来たことのある人でしたらイヤでも目に入る、そんなレベルです。
日本で数年前から大量に売り出されたハリスツイードの小物類は、作り手の誰かがスコットランドに旅行に来た際、これを日本で売ったら売れるだろう。
と考えて作り始めたのだと思います。
日本人がブランドだと思って高貴なイメージを持っていたものが、実はそんなに大それたものではなかった、という話なのでしょうか。
いえ、ひと昔前でも今でも、ハリスツイードは立派なブランドです。
ただ少し、有名になりすぎた気がします。
本物のモノづくりを広げることと、広げすぎてしまうことで下がるブランド価値。
リアルを追求しすぎて潰れてしまうところも少なくありませんので、どちらがいいとは軽々しく言えませんね。。
月曜日には”Huddersfield(ハダースフィールド)”に行くため、明日の日曜日、どこか行けないかと調べた結果、この道中にある街で、1日観光にあてられそうな街が”York(ヨーク)”でした。
エディンバラを夕方に出発し、3時間ほど鉄道に乗り、ヨークに到着。
いやぁ、それにしてもやられました。
チケットを早く取れば安くなるのは分かっていましたが、当日、何時頃に出発するか分からなかったということもあり、うっかり取り忘れていました。
そして今日買いに行きましたら、まさかの事前価格の3倍以上です。。
時間が制約されるというデメリットを外せば、事前に取っておいた方が得策でしょう。
今日、慌ててハダースフィールドからロンドンまでの切符も取りました。
エディンバラの美しい景色から離れるのは残念ですが、また来ます。
そして今度はバルモラルに泊まります。
最後に、
今回の旅行では工場に伺ったり、その地区毎のトラッドショップに行くことが予定に組まれていたので、冬用のネイビーフランネルのスーツを1着、持っていきました。
400g/mの厚手のハリソンズフランネルは、シワにもなりづらく、復元性の高さも今回実証されました。
今回すでに2度着用したのですが、それを着たときだけ、とてもたくさんの人に話しかけられました。
(普段はツイードジャケットに、モールスキンのトラウザーズスタイル)
バスの後ろの人、町を歩いていて突然、ショップスタッフが目の色を変えてワクワクしながら話してきてくれたりと、改めて装う大切さ、そして面白さを認識した日になりました。
こちらの人たちは日本のような成り上がり精神とは異なるため、スーツを必要としている人は、弁護士や銀行員など、限られた人のみです。
それらの仕事以外の人たちは、スーツを着たくても着る機会がありません。
彼らは男として、カッコいいスーツを見にまとう、スマートに立ち振る舞うことに強い憧れがあります。
安いファッションスーツはいくらでもありますが、彼らはクラシックな3ピーススタイルに目がないようです。
そのあらわれとして、まったくファッショナブルではない人たちでも、素敵なショップのウインドウにはかじりつくように見ています。
日本という、自由に自分のやりたいことをできる環境に、もっと感謝をするべきだと感じました。
さて、パブでビールを1パイントひっかけてから眠るとします。
ウイスキー博物館のコレクション。
中でもゴルフシリーズがとてもラブリーでした。
最も古いウイスキーの展示も。
タータンチェック柄の床も思わず撮影。
日本ではなかなか取り寄せるのが難しい代物です。
やはりUKが大好きです。
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