ディナージャケットに酔いしれる

BERUNです。

この時期はお祝い事が多いです。
先日、大切な友人の結婚パーティにお誘いいただいたのでお邪魔してきました。

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今回は、新郎にディナージャケット(米:タキシード)をフルコーディネートさせていただきました。ディナージャケットは揃える物がたくさんあります。

タキシード/ウェストコートorカマーバンド/フォーマル用スタッズ釦仕様シャツ/カフス&スタッズ釦/手結び式ボウタイ/黒のストレートチップorプレーントゥ/ロングホーズ。

カマーバンドは略式のため、正統派でいくならウェストコートにします。また今の時代、エナメルを履く必要もあまりないと思います。それよりも、今後も普段使いができる黒の革靴を選ぶ方が経済的で賢いです。シャツは比翼式のものもありますが、やはり格好いいのはスタッズ釦。貝ボタンがそのまま見える普通のシャツはタブーです。

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夫婦共に仲のいい関係で、今までたくさんのご友人を紹介していただきました。気がつけばその周りの方々は、ほとんどわたしがお作りしたスーツをご着用いただいております。
お客と店員の垣根を越えたお付き合いができることに感謝です。ブランドネームではなく個人店にお願いしてくださるということは、お互いにメリットがあります。
その人の好みや、言ってしまえばクローゼットにどういう服が入っているのか、わたしはほとんど覚えています。わたしとしてはごく自然なことなのですが、ピンポイントに次のワードローブをご提案できるため、とても喜んでいただけます。
そうしていきますと、人としての付き合いになるのは必然なのかもしれません。
波長の合う人たちと共に歳を重ねていけるのはとてもありがたいことです。

奥様はシンプルで品のあるドレスに身を包み、新郎はまったく媚びていない直球ストレート勝負のタキシードスタイルです。
非常識であったことが、いつの間にか世の中の常識になっていることは往々にしてあります。それはこのウェディング業界でも同じではないでしょうか。本来、女性をたてるべき男性が、新婦と同じ純白になり、王子様のようなコスプレ衣装を着て大勢の前に立つ。そんなおかしな状況が、今なお日本のウェディングの常識として、鎮座し続けています。
そういった大多数の人たちが約90%だとしましょう。残りの8%は既成では満足できず誂えを選ぶも、どこか独自の”遊び心”を入れたくなってしまう症候群にかかっている方です。
そうなると残るは2%の人たちとなります。その人たちはたまたま縁があり、腕のいい病院(仕立て屋)を紹介されます。そして先生(テーラー)に、「これを着ればあなたは50年後に自分の結婚式の写真を見ても、恥ずかしくないデショウ」という処方箋を渡されます。当日に用法容量さえ間違えなければ、あなたは胸を張って素晴らしい1日を過ごすことができるでしょう。
2%でもいればいい方でしょうか。実際は1%もいないと思いますが、そのくらいシンプルにいいものを仕立てるプロがいないのが日本の現状です。

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わたしはこの日、最近作成したホーランド&シェリーのブラックウォッチの生地を使った、ショールカラーの”ファンシータキシードジャケット”を着用していきました。
コーディネートを一歩でも間違えると演歌歌手にもなりかねないアイテムですが、こういう上着が1着あるとパーティに行くのが楽しくなりますね。

 


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