Jacket & Trouthers Coordinate

BERUNです。

気がつけば今年も残り1ヶ月。早いものですね。

先日、3着のジャケット&スラックスのオーダーをいただきました。
そのお客様はスーツは今まで何着もお作りしておりましたが、ジャケパンは初めてです。
スーツのコーディネートは難しくはありません。上下がしっかりとしていて、その他の小物もシンプルなものを選んでおけばハズレることはありません。しかしジャケパンはそうはいかないのです。
サイジングや合わせる物など、スーツよりも選び方が難しく、ミスコーディネートになっているケースが多く見受けられます。

贅沢な発想だと思われる方もいるかもしれませんが、スーツとジャケパンで使うアイテムは、はじめの段階ではほとんど併用できないと考えた方がいいと思います。もちろん合わせられる物はありますが、その可か不可かを見極めるには慣れが必要です。
タイで併用できるものであれば、夏は紺のニットタイ、冬はウールタイ全般など。
靴であれば、内羽根は基本的にジャケパンには合わせない方がいいでしょう。黒や茶の外羽根、もしくはモンクストラップなどを一足持っておくと、どちらにも合わせることができます。

色々と試して着用していくことで、合わせ方のぎりぎりのルールや、センスの出し方の塩梅がわかってきます。

スーツはダークカラーのものが1着あればなんとかなりますが、華のあるジャケパンの場合ですと、1セットだけでは自分も周りの方も、早々に飽きがきてしまうかもしれません。
今回の3着も、それぞれの上下をすべて互い違いに着用しても合うように選びました。着こなしはそれだけでまず、9パターンになります。そこにこれからの季節であれば、ウールタイを何本か持ち合わせることで、着こなしの幅が格段に広がります。

わたしは、着数が増えていく度に、以前お作りしたものとも何も考えずに合わせられるようになっていくのが、装いの理想だと思っています。毎日の洋服を選ぶストレスというのは、苦手な人にとっては計り知れません。また、大切な時間も失ってしまいます。

 

今回お作りしたのはこちら。

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英国W Bill社の生地を使用したウインドウ・ペーン(=窓の格子)柄のジャケット。
もはや定番となったウインドウ・ペーン。華やかな印象を与えることができるため、1着もっておくとジャケパンの楽しさがより分かると思います。

こちらは英国Harrisons of EdinburghのMOON BEAM。

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わたしの大好きな生地です。ラムウールにアンゴラという、よくマフラーに使われる配合です。こちらは打ち込みをしっかりとし、ジャケット用として作ってありますが、独特の上質で柔らかなタッチが魅力的な秋冬のBERUNの定番生地です。青のヘリンボーンという、合わせるものを選ばないシンプルな柄は1着あると便利です。

最後は英国Edwin Woodhouse社。既に廃盤になってしまった生地を、わたしがストックしていたものから選んでお仕立てしました。ダークブラウンにバーズアイ柄。カシミア混の美しい生地です。

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誇りを持っている機織り工場は、安定的に続いているシリーズでも、糸のクオリティが満足できず、原料の変化に納得がいかない場合は生産をやめることもあるのです。
生地は昔の物の方が遥かにクオリティが高いです。しかしその分、生地の柄の雰囲気が今の時代に合っているか、または油分が抜けていないかなど、しっかりと吟味をしなくてはいけません。

ジャケパンの着こなしに慣れてきたとき、改めてスーツの格好良さが見えてきます。どちらもシーンに分けて着こなせると毎日が楽しくなりますね。

スラックスの生地はグレー、ダークグレー、ベージュの3色。すべてフランネル素材でお作りしました。

 

ちなみに「トラウザーズ」と「パンツ」の大きな違いは、股上の深さにあります。
パンツは、デニムやチノパンのような、カジュアルで運動性の高いパンツのことを差します。
トラウザーズはスーツに合わせる物を差し、タックが入り股上が深いズボンのことを言います。
そのため、わたしは”ジャケパン”と呼ぶのはあまり好ましく思わないのですが、それに代わる呼び名もなかなかしっくりくるものがなく。。(ジャケスラもなんだか…)日々、頭を抱えているところであります。

 


Atelier BERUN

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