BERUNです。
落ち葉が吹き荒れるなか、初めてヒト以外のお客様がご来店されました。
マチルダちゃん
メンズアイテムの誘惑には脇目もふれず、ご夫人の膝の上が一番居心地がよかったようです。癒されました。
BERUNはご紹介の方が多く、日々様々な方とお話させていただいております。
先日は、古くからお付き合いのあるお客様が、後輩の方を連れてきてくださいました。
その方が起業をされるとのことで、それに見合う一張羅を仕立てたいとのこと。
とてもありがたいお話です。感謝しかありません。
BERUNに初めて来ていただいたお方には、まずわたしの洋服に対する考え方をしっかりとお話いたします。そこでBERUNの理念を理解していただくことが、お互いにとっていい方向に進むと思っているからです。
そのお客様のご紹介者様はとても素直な方で、まるでスポンジのようにわたしの言うことを聴いてくださる方でした。わたしが”あ”を”い”と教えたら、そのまま覚えてしまうのではないかというほど、素直な受け皿で来てくださいました。こういった状態は、提案する立場はとても責任重大です。なぜなら、はじめの一歩を決して踏み外すことがないよう指南していく必要があるからです。
もし自分が何かを始めようと思ったら、まずはそれを知っていそうな知人に聞くか、本かネットなどで情報を得ようとするでしょう。そのとき、何も知らない状態で得た情報は土台として、脳にインプットされます。しかし、その情報は果たして本当に筋の通った正しい知識なのかは、定かではありません。
何よりも、始めるときが一番大切です。すっぴんの状態のとき、誰に出会い、何を吸収するのか、それによって、今後の行く方向は大きく変わっていきます。
先ほどのその方はいらっしゃったとき、巷で見かける(最近では昔に比べて少なくなってきましたが..)、襟が切り替えされていて、釦の色やステッチの色が遊び心に溢れているシャツを着ていました。そういったデザインめいた洋服を真っ向から否定するつもりではありませんが、わたしの目指しているスタイルとは異なる洋服です。
わたしはその方に、決して高級な洋服では見かけない、味付けが”濃すぎる”物であるため、自らの品格を下げるかもしれません。シャツは極力シンプルな物を揃えていくのがいいです。と説明をさせていただきました。
その方はとても素直に、もうこのシャツは着ません。と口約してくださいました。
<釦やデザインで遊ばず、素材と仕立てで魅せるのが理想>
わたしは21歳で木場氏に出会う前まで、イタリアファッションに傾倒していた頃がありました。彼と出会い、竹内くんは英国だよ。の一言で、わたしは今までの価値観を全て捨て去り、180度近い方向転換を決めたのです(しかしこのときの経験も全て糧になっています。無駄な経験は一つもなかったと思います)。もし彼に会っていなかったら、今のわたしは間違いなくいない。そして、今のBERUNも存在していなかったと思います。そのくらい、人1人との出会いは大きな変化をもたらします。
わたしと出会った多くの方々は、英国のマインド、そしてトラッドの良さを理解してくださいます(元々そういう素養がある方がほとんどですが)。
そういった一つの物を長く大切にしていってくださる心を持っている方が、その想いを体現化することができる場所でありたいです。
Atelier BERUN
東京都新宿区神楽坂6-8-23
◆http://berun.jp/
◆Facebook
◆Tel : 03-3235-2225
シャツのこと:釦やステッチの遊びをせずシンプルなものを着ることの大切さにハッとしました。
気を付けたいと思います。
お読みいただきありがとうございます。そのように思っていただけるととても嬉しいです。
シンプルで良質な物ほど、なかなか探すのが大変です。
今後とも、よろしくお願いいたします。